2016年1月13日水曜日

作家そして俳優としてのデヴィッドマッカラム(邦訳)   A Conversation with Novelist and Actor David McCallum 


   


…というタイトルでまたもやマッカラムさんインテビューがありました。 StayThirsty(渇きを忘れるな?)という雑誌のインタビューです。
本は昨日1月12日に無事発売され、なかなか好評のようです。



私は米アマより出荷通知は来ましたが、到着予定はなんと1月25日。まぁたいていもうちょっと早くには着くのですが…まだ10日はかかるのかぁ。

僭越ながらこのStay Thirsty インタビュー(A Conversation with Novelist and Actor David McCallum) も邦訳いたしました。 (以下☆☆☆☆☆)

☆☆☆☆☆
彼の隣の席にはバイオレットの瞳の女性がゆったりと座っていた。エリザベス・テイラーのような瞳。上品なスーツにエルメスのスカーフを合わせた彼女のバッグからは、ヴァニティフェア最新号がはみ出していた。

「こんばんは」幸運に驚きながら彼は言った。 Once a Crooked Man より




1960年代、デヴィッドマッカラムは超人気番組0011ナポレオン・ソロシリーズのロシア人エージェント、イリヤ・クリヤキン役で一躍世界的に有名になり、 2度もエミー賞ノミネートをされました。スコットランドで音楽家一家に生れたため、幼少より音楽の勉強に励み、兵役のあと、イギリスで駆け出し俳優として活動。後年、世界一と言われる人気TVシリーズNCISの検死官ダッキー、ドナルド・マラード博士役を好演、再び活躍します。82歳の誕生日を迎えて数か月、処女小説Once a Crooked Man が出版されます。Stay Thirstyは幸運にもカリフォルニアのデヴィッドマッカラム邸に訪問、インタビューへの運びとなりました。

ST: あなたの小説デビュー作Once A Crooked Manはエルモア・レナードやローレンス・ブロックの流れを汲むコミック・スリラーとして称賛されてますね。なぜ、今この時期に小説を書く気になったのですか?
DMc:ずいぶん前だけど、ジャックヒギンズのオーディオテープを読んでいるときに、ふと、僕だって書けるかもと浮かんだんだ。それで、とある俳優がスーツケースに入った100万ドルを渡されるってアイデアが浮かんでそこから書き始めたんだ。最初は頑張ってみたもののひどい出来だったよ。3年前についによし!完成させるぞと決意するまでこの数ページは引き出しにしまってはまた出して何度か書き直したものだよ。

ST: サスペンス、スパイ、犯罪、ドラマなどすべてあなたが俳優としてかかわってきたジャンルですよね。映画、テレビ、テレビ映画、ビデオゲーム、吹替えなど、あなたは歩んできたキャリアでいつもとても認められてますよね。その中で作家としてなぜ処女小説のプロジェクトのテーマに犯罪ものを選んだのですか?
DMc: 僕は筋書きが頭の中にあったわけじゃないんだ。それはただ膨らんでいたものなんだよ。ハリー以外の登場人物は皆、向こうが僕を選んでくれたようなもので僕が決めたものじゃないよ。

ST: あなたはクラシック音楽一家で生まれ育ち、音楽家となるべく勉強もされてましたよね。ですが、兵役で行ったアフリカから戻ったあと、ロンドンのBBCラジオで仕事をされています。その何年後かにキャピタルレコードで4枚のレコードを出し、UKシングルチャートトップ40入りも果たししました。振り返ってみて、あなたのご両親のように音楽家となる代わりに俳優の道を選んで正解だったと思いますか?
DMc:僕は16歳で付属校を卒業して以来正式な教育は受けてないんだ。それ以降に学んだ様々なことはすべて自主教訓ばかり。プロの音楽家になるのは大変だよ。しっかりした技術もいるし常に練習しないといけないし、楽器も習得して音楽家としての高い意識も必要。俳優業は、外見とセリフを覚えることだけ要求されるからね。ま、ともかく僕は俳優として舞台に立つために生まれたと思ってるよ。

ST: あなたのアメリカ映画デビュー作はフロイトでしたよね。ジョン・ヒューストン監督作でモンゴメリークリトとスザンナ・ヨークが出演した。あなたにとってハリウッドでの俳優業とロンドンでの俳優業はどのように違いましたか?  
DMc: ジョン・ヒューストン監督が僕をモンゴメリー・クリフトと一緒に配役してくれたんだ。イギリスが社会主義へと傾倒していきつつあった頃だ。ジョンは僕がハリウッドでエージェントを見つけるの手立てになってくれたんだ。おかげでジョージスティーヴンスの偉大なる生涯のイスカリオテのユダ役ももらえたんだ。僕は1961年にアメリカに渡ってきた。

ST: あなたは兵役でミドルセックス連隊にも従軍してますよね。今、奥様のキャサリンとアメリカ合衆国海兵隊の後援活動も熱心になさってます。 あなたの兵役はナポレオン・ソロやNCISで役を演じるうえでどのように影響していますか? 小説家としての活躍にはどんなふうに?
DMc:1950年代に僕は英国軍に配属されてすぐに第3部隊Cカンパニーに入隊したんだ。ゴ-ルドコースト連隊は王立西アフリカ前線部隊の一部だった。僕の軍での経験は、大脱走とかモスキート爆撃隊、BBCのコルディッツなどでとても役に立ったよ。

ST: テレビや映画界で60年間活躍して、新人の俳優へのアドバイスは何かありますか?
DMc:どんなキャリアを選ぼうとも自分自身に忠実であること。他人のからもらう励ましや失望するようなアドバイスを受けいるのも自分次第ということかな。

ST: まだこのあとも犯罪小説を書く予定ですか?
DMc: 僕はもう一冊書こうとしているんだ。簡単じゃないけどね。でもそれはもうどこかに潜んでいて僕は見つけるまで探し続けないといけないだけだよ。
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すでになかなか良いレビューもちらほら。例えばこれなんかも。
(概略)マッカラムはジョン・ル・カレでもなければ、本の主人公はスマイリーのようでも、イリヤクリヤキンのようでもない。けれど、適度に陰謀、暴力、セックスが含まれ、良く練られたアクション小説を踏襲している。


私の手元に本が到着するのはちょっと先。うーん。待ち遠しいです。

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