2015年11月29日日曜日

007 スペクター SPECTRE  先行上映観てきました。

今年の最後を飾るスパイ映画。 007スペクター。


プレスリリースから日本公開ですら1年以内(本公開はちょうど一年目なのですね)。
サム・メンデス監督が忙しすぎて、延び延びになっていたBond 24.  今回は私のごひいきの俳優さんたち軒並み登場するのでそれだけでご機嫌…ですが・・・。

ケタ違いの製作費といい、メンデス監督のプレッシャーも半端じゃないだろうなぁ…とずっと思ってました。これだけ鳴り物入りじゃ、コケたら目もあてられなすぎる・・・。

スパイ映画あたり年と言われるくらいなので、普段なら劇場まで足運ばないような、ミッションインポッシブルまで、大スクリーンで見てみました。やっぱ比較対象がTV、PCと大スクリーンで見たものでは違って当然。同じ土俵で評価したのではフェアではありません。

まだ公開前なのでザクッとした感想だけにすると・・・。

メンデス監督、前作スカイフォール同様、ものすごく頑張りました!(もう次作はやらないといったお気持ちもすごくわかると思いました) 
正直言ってもう、格が違います。007はやはり英国スパイ映画の王道であったのだとつくづく思いました。個々の好みは別として、スケール、完成度、エンタメの極みでしょう。 今どき事情に合わせていながら、昔ながらのスタイルも踏襲。

…といいましたが、私、子供のころ決して007映画のファンではありませんでした。というのも、私が子供のころ観たのって全部テレビの吹き替え、ロジャー・ムーア全盛期。 ロジャー・ムーアがそれほどかっこいいとも思わなかったし、吹き替えで見た記憶で一番印象に残ってるのはジョーズのリチャード・キール。

…お話になりませんね。(恥)

なのであまり歴代のものと比較して語れる立場ではございません。一度きっちり古いものも見直そうとは思ってます。 お祭り気分で劇場行って見るようになったのはピアス・ブロスナンから。この頃ってロビー・コルトレーンとかロバート・カーライルとか味のある好きな俳優が登場してたのも大きいです。 きっちり劇場で見てきてます。 特に最近のはスケールでかいからやっぱ劇場で見ないともったいないし。

それで本題スペクター。もう、王道なのでほかのスパイ映画と比べるのは野暮すぎます。まぁ、製作費レベルでミッション・インポッシブルくらいそこそこオッケーかもしれませんが、それならそれで、もう、質が違いすぎてやはり格違いだと思います。

映画本体とあんまり関係ないのですが・・・。大好きだけど、格下感は否めないキングスマンのおかげでそれまで気にも留めなかったところで笑えました。
ウォッカ・マティーニをボンドが頼んでも、スパイなんてかっこつけてマティーニ頼むやつ多いし、まったくスルーしてましたが、今回はキングスマンのあてつけのおかげで、ほんとだ…と吹き出しそうになりました。
今回も登場してました

そしてエンディングが・・・前回はMが無くなってちょっと寂しい感じで終わりましたが、今回はいかにも・・・でボンドがボンドガールをアストンマーティンにのっけて走り去るエンディング。

ダニエル・クレイグ、これボンドでやったの初めてじゃない?(カジノ・ロワイヤルはヴェスパー死んだし、そのあとのはちょっと印象薄くて覚えてないわ) 
この美女と颯爽と車で走り去る…というのはマシュー・ヴォーン監督のレイヤー・ケーキで、制作会社が意図していたエンディングで、ヴォーン監督も一応撮るだけ撮ったのです。

ですが、反骨児童のヴォーン監督、プレミア上映でびっくり、エンディングをまったく違うものにしており、フランチャイズで2作3作目も目論んでいたスポンサーはカンカン。でも反響はよかったので、そっちが正となりました。

そのレイヤー・ケーキで没となったものを再度ダニエル・クレイグが演じ、今回活用されているのにはなんとなく笑いが・・・。

↑のあと、こうなる↓予定が・・・・ふたを開けてみると・・・でした。(観た人は知っていますよね)






ボンドガールの評判は海外レビューでは大半がモニカ・ベルッチに軍配があがってました。 でも私はレア・セドゥーが好き♡ 
なので表情に乏しかろうが何だろうが許します。

















それにしても、前作スカイフォールでも思いましたが、メンデス監督の昔ながらのファンへの気遣いも半端じゃありません。
いや、これだけ気遣いながら、かつ完成度もこれ以上ないくらいに頑張らないといけないのですから、やっぱ大変。
ちなみに、私のお気に入り、ヴァルツさんと、特にアンドリュースコットの活躍は・・・ちょっと期待未満だったかなぁ。残念ながら。

真面目なレビューは後日古巣に書かせていただきます。今日はここまで。


2015年11月28日土曜日

The Smoke 極悪非道の蛇少年ゴグ役 サム・ギティンスを追ってみる。

2014年のSky1ドラマ The Smokeでウォッチに配属される新人、デニス(アズボ)の幼馴染の極悪非道少年ゴグ。


デニス(タロン・エジャトン)に頬をすり寄せ、ヘビのように絡む姿が怖くって印象的。
そして、ちょっと(かなり)きれいな顔。 (すくんでいるタロン君の表情も見ものだけど)
↑ のシーンもデニスをいじってます。デニスを殴らないんだけど、デニスが隠しておきたいこと(父親が殺人犯だとか)を囁いて精神的に痛めつけるサディスト。

演じたSam Gittinsサム・ギティンスまだ若いです。デニスと並ぶと年嵩の少年に見えますが(タロン君幼いし)、実際はタロン君の4年下の93年生まれ。ゴグ怪演当時はたちになるかならないか。
ゴグの絡みとヘビのような視線で、うっわぁ、このコ昔絶対デニスになんかしたんだろうなぁと思わずにいられない凄み。
元アマチュアボクサーなので身軽。The Smoke EP1でも飛びかかってきたタロン君をひょいとと胸ぐらつかんで持ち上げてました。そこで頬っぺたさわる姿が、堂に入っていて所有物感あり過ぎ。きれいなにいさんなだけにいっそう怖いです。















EP3でデニスが職場仲間と集うケージファイト会場に現れ、また舐めるように脅す。美貌の有効活用も心得たもの。小柄な女性消防士のジギーに馴れ馴れしくほっぺにキス。そういう時は年上のイカスお姉さんを慕う少年風に振る舞います。目的はデニス争奪相手ケヴがどの男なのか探ること。人質にとるのが一番弱そうな小柄な女性なのがいっぱしのワル。暴力少年だし、何しでかすかわからないしコワイ。ケープ・フィアーのロバート・デ・ニーロを思い出しました。あの復讐相手の恋人や娘を狙う卑怯さと同じくらいの怖さ感。
明るくにこやかに「こいつがさぁ、もうケヴの話ばっかりでうるさくってさぁ。それで、ケヴってどの人?」
すくみ上って緊張感に耐えられなくなったデニスはいきなり猛ダッシュで逃げてしまいます。

ウラ事情も知らずチャーチルで犬嗾けてきた悪ガキを見かけてゴグに声をかけるケヴ。

「おい!お前知ってるぞ」
「よく言われるよ。俺、ブラピに似てるからな。」
「この間会っただろう。名前は?」
「スケベじじい。悪いな、俺は家に帰るんだよ」
「車で送ってやるよ」

・・・ いくらきれいな顔してても、こんなヤツうっかり拾った日にはボコボコにされて身ぐるみだけ剥がれそう。 多分そういう憂き目にあったオッサンすでにいるから↑のあしらいも有りなのでしょう。
きれいな顔とは対照的な年齢に合わないやぁな凄み、ヘビ感にとても興味がわいてしまいました。

っていうかよくこんな少年/青年見つけてきたと思います、配役の人。悪党だからジャイアンみたいないかついだけの男子でもいいかと思うけど、こーいうきれいな顔してこの破壊的極悪非道ぶり。余計にこわいったらありゃしない。キングスマンのディーンの子分5人に取り囲まれるより、ゴグひとりにすり寄られるほうがこわそう。
あ、余談ですが、キングスマン、エグジー継父ディーンのジェフ・ベル氏、EP3に登場してます。ケージファイトのオーガナイザーで八百長試合とかやらせる悪人なんですよね。この方もいい人役をやってることがあるのならぜひ一度お目にかかりたいものです。
もひとつこのEP3ではまーったくの偶然で何も関係ないと思いますが、ウォッチのお笑いコンピが「あぁ、お前はコリンファースだ!オスカーウィナーだよ!」と怒鳴るシーンもあり笑えました。

ユーチューブじゃないけど、ゴグばっか集めたのがありました。
ちょうどEP1-3の登場分が逆順にはいってます。しょっぱなが件のケヴの買春疑惑シーンですね。上述のEP3のシーンほとんど入ってます。

それで現在AXNミステリーで放映中のリッパーストリート シーズン3の第5話 Heavy Bootsにゲスト出演していたのも視聴しました。(ishisan ありがとうございます )

普段リッパーストリート見ていないし、時代劇はあまり好みではありません。純粋にサム・ギティンス見たさに視聴。

酒場で楽士の歌が終わり、集金して退場。入れ違いにどやどやと若者が入ってきます。荒っぽそうなのを率いて入ってくる先頭の青年を見て酒場の客が一言“Nice pretty face.” そう、この『きれいな顔』というのがたいていの人がサム・ギティンス見て最初に思うことでしょう。

ですが、ここでも酒場の主人を脅しにきた暴力青年。ロンドン近郊のビール工場で働く樽職人ですが、弟と二人きりの孤児。舞台はロンドン東部ホワイトチャペル。The Smokeの舞台だったマイルエンドとは目と鼻の先のどちらも治安のよくない場所です。そういう地域性って数百年たっても変わらないものなのでしょうか。

今回のサム・ギティンスは、荒っぽい労働者を率いる若者テディ役。ですが骨の髄までの悪党ではありませんでした。ビール工場でよく働き、他所からビールを仕入れようとする酒場の主人は徒党で脅して自分のところから仕入れ続けさせる。(地域の雇用を守るため) 労働者目線の正義と道義を通すリーダー格の若者。数年前に酒場で火事が起こり、主人が焼死したのですが、焼死体は骨折その他打撲があり、殺人疑惑があがり、犯人かと見なされたものの、GFの証言でアリバイがあり逮捕には至らず。
テディは結核を患い余命幾ばくの状態で、後釜を狙う6歳下の弟が、兄を見習ってるつもりで北部のビールを仕入れた酒場の主人を次々と残忍なやり方で殺してしまうのです。過去の事件の記録があったせいで、テディが逮捕されます。尋問中に殴られて喀血。検視医が診察すると病状はすでに悪化しており、余命はたいして望めないほど。この状態で殺した人間を樽詰めにするような体力があるわけがないと断定します。捜査でテディのGFを訪ねてきた若い警官が弟に殴打されて拉致されます。GFが警察に警官拉致を伝えにやってきます。弟を抑えられるのはテディだけでテディが留置されて不在では何が起きるかしれやしないと。
検視医はテディに死ぬ前に善い行いをしろと促し、弟と徒党がいる場所に案内させます。
数年前の事件は酒場店主を脅していたところ、ランタンが倒れ、酒をかけられていた店主が火だるまになってしまった事故だったと。あくまでもビール工場からの仕入れを継続させ、工場と労働者を守るのが目的で、懲らしめて殺すのは本末転倒で無意味だと。弟を警察に渡したテディは即入院。GFが手を握って看病する中、血を吐き続けて息を引き取ります。
今回は美貌で薄幸の青年といったたたずまいでした。最初が怖かっただけに理由もなく安堵。

これ、画像が全然ないの。一応トレーラーはありましたが うす暗がりの中に0.5秒ほどだけ。せっかくのきれいな顔もよく見えません。(0.11で右側にいる帽子かぶってるの)前エピで主役の警部が頭撃たれて意識不明の重体なもんだから、そっちのほうが重いのですね。

The Smokeより前の出演作でショートフィルムがちょっと見れます。Driftwoodというこのショートフィルム(12分!)はかなりの高評価! IMDBでは8.3. インスタントでなら購入できるようです。(アマゾンのクーポンの案内どこやったっけなー探そう)
水泳に勤しむ15歳の少年。キングスマンでちびっこに見えたタロン君よりもさらに小柄なサム・ギティンス。170cmあるかないかって感じですね。なので睨みさえきかさなれば十分に子供にも見えます。次の二つがいい感じ。↓


こんなに筋肉つけてたら、身長も伸びないですよね。

ボクサー時代?
サム・ギティンス、今のとこ着実にキャリアを積み上げていってるようです。ちらちらとなら何かわかんないのはあがってきます。

こんな普通の人(?)もやってる。Call the Midwife


















Sky1のプロモでEP8 フィナーレとして紹介してるのもありました。ちなみにゴグってGogでいいはず。テロップのGoggは間違いだろうと思われます。



ちなみにこの最後の瞬間、私はゴグが図ってケヴのほうが火に引きずり込まれて殺されるんじゃないかと思って「うわぁ!やめてゴグに手なんか差し出しちゃダメー!」と叫びそうになりました。
(やっぱこわいんだもん)

何かで再登場、活躍を楽しみにしてしまう若手俳優の一人ですね。待ってるからね!




The Smoke 関連記事はこちら

2015年11月25日水曜日

The Smoke ドラゴン タトゥーの少年 The Boy with the Dragon Tattoo ②

The Smoke.

私これ今年観たもののなかで一番に入れちゃいたい! (あ、キングスマンがあるか。)
なんとなく買って観ただけなのに、すごく良かった。
キングスマンのリピート観はやはりコリン・ファースの教会ファイトと映画のペースに突き動かされている感じがあるけど、こっち(The Smoke)はタロン君の表情百変化に魅了されてます。そもそもこんなにいっぱい出てると思ってなかったし。
2年前のキングスマン撮影風景写真でコリン・ファースにしか目が行かず、一緒写ってる少年まったくスルーしてた自分がちょっと恨めしいわ。なんてバカ。
キングスマン見て、このコ絶対いい役者になる!とは思ったけど、もうすでに立派に才能ある役者さんだったのね。

なのでしつこく続きも語る・・・。(前半はこちら
私Spooksは定年後のウォッチリストに入れてるくらいなので、きちんと見てません。 なのでその辺のトーンとか共通点があるのかはよくわからない。

でもこのThe Smokeは制作の方、演出とかも素敵だと思います。よく練ってあるし、クロージングの美しさ、スマートさはちょっとした映画並みです。こういうの作る人だからヴォーン監督同様、タロン君デニス役に抜擢したんだろうなぁと思います。もしかしたら、タロン君当ててみて出番増やしてお話し変えるくらいのことしたのでしょうか? たった8話なので、そんなにそそくさと書き換えもできないとは思うのですが。 

The Smoke のタイトル入り宣伝スチルでタロン君出てるのはありません。
こんなのばっか
主リードはジェイミー・バンバー、トリッシュ役のジョディ・ウィテカー、ケヴ親友マル役のラシャナン・ストーンです。 

DVDカバー

番組初めのクレジットだとまずこの3人名前が出てきて、そのあとホワイトウォッチの面々が順次出てきますが、2ブロックめの2番目がタロン君。つまりそういうのを見るとただ出てるよーくらいな感じですが、実質準主役級の登場頻度ですしストーリーも濃い。 これタロン君ファン絶対見なきゃ。キングスマンほど派手じゃないので、どろくさい、暗い英国ドラマが苦手な人はダメかもしれないけど、タロン君はとにかく素晴らしい!


で、エピ7以降ですが・・・

先にはしょったEP6までのケヴとトリッシュの関係ですが、トリッシュはマルと関係持ったことがケヴに知れ、ケヴ、マル、トリッシュの3人は距離を置こうと決めます。またトリッシュは長年隠していた秘密もケヴに打ち明けます。10年前に女の子を出産してすくに養子に出したと。さすがにケヴも受け入れられきれず、トリッシュは出ていきます。
これはJamie Bamberファンサイトより

チャーチルの火事一周年の日、トリッシュは養子に出した娘と養母と3人でサッカー観戦に出かけます。その前にケヴを案じてステーションに立ち寄るのです。アズボの件で動揺してるケヴは、トリッシュに何があろうとこのままよりはいい。もう自分の一部が無くなってしまったようで耐えられないと、よりを戻したいと伝えます。迎えの車が来てたのでそそくさと立ち去るトリッシュ。
ウォッチが間抜けな酔っぱらいのレスキューに出ているさなか、トリッシュからケヴに電話が入ります。 トンネルの中が渋滞してどうも事故らしい。このまま留まっていていいのかプロに尋ねていたのですが、通信状態が悪く切れてしまいます。
そこにステーションから新たな出動指令。トンネル内での交通事故。トリッシュが娘、娘養母と一緒にいるトンネルです。車の渋滞で入れないのでトンネルの反対側に回るメンバーと二手に分かれます。中ではローリーが横転、巻き込まれた車も数台ひしゃげています。

トンネル内部を確認して、ウォッチと警察に指示を出しているケヴは、トリッシュと娘のグレース、養母の無事を確認、エンジンを切って車の窓を閉め、外に出ないようにと伝えます。
反対側では交通事故に巻き込まれ、つぶれた車の中にいる人の救出、ローリー中身がマーガリンで引火の危険があるために、作業を早く行い、ローリーには消火フォームを敷き詰めるよう指示。ローリーは衝突横転の振動で亀裂ができたのか、あちこちから微量のマーガリンが漏れ続けています。換気ファンが故障なのか止まらなかったり、思うように作業が進まない中、ついに火の手が上がってしまいます。トンネル内の人々はパニックで車から降り、我さきにと外に出ようとしますが煙に巻かれます。トリッシュたちもしばらくは車にいるのですが、周りが逃げているのを見て養母がおびえるグレースを連れて社外に出てしまいます。追いかけるトリッシュですが、発見したのは養母だけ。彼女はグレースとはぐれ半狂乱。けがをしていたので車に戻し、必ずグレースを見つけるからと煙の中に出ていきます。

燃え盛るローリーの反対側では間一髪で車に挟まれた人々を引き出したものの、一人は絶命。消火に必死になるウォッチの面々ですが、ローリーいっぱいの可燃物が燃え盛っているので、火は大きくなる一方。 反対側にいるトリッシュたちを案じるケヴがあまりにも火に近づくので、皆に止められます。ずっとケヴの援護とばかりにくっついて消火していたアズボも一旦離れるのですが、皆がケヴに気をとられ、目を離したすきに「俺が彼女を見つけるから」と叫んで燃え盛る火のなかへダッシュで飛び込んで行ってしまいます。燃料いっぱいのタンクの炎に勢いよく飛び込むのですから、さらに炎上。爆風で煽られたアズボは反対側には無事着地しますが、負傷してしまいます。 煙の中をさまよっていたトリッシュは火を超えて飛び込んできた消防士を見つけ、そのトランシーバーからのケヴの声に気が付きます。 
EP7のトレーラーがありました!↓



デニスは無事であり、トリッシュも養母も無事。グレースがはぐれたから探しに行くと、トリッシュはまた車を離れ煙の中へ出て行ってしまいます。エアタンクは車の中の人に置いて、トリッシュのあとを追う、アズボですが、負傷と煙にまかれて体が動きません。

反対側では呆然としているケヴにマルが声をかけます。ルーキー(アズボ)でも越えられたんだから、俺たちもできると、二人はそれぞれ予備のエアタンクも担いで炎を超えます。
マルとケヴは二手に分かれてトリッシュを探します。ケヴの姿に動かない体を引きずって隠れようとするアズボ。アズボはケヴに自分は放置してトリッシュを探しにいってくれと頼みます。一旦はその場を離れかけたケヴですが、引き返して来ます。トリッシュのためにタンクは残しておいてくれと、抵抗するアズボを叱りつけ、エアを装着させ、ケヴはまた歩き出します。ケヴに償いたいのに、償えず、足手まといになるアズボは泣き崩れます。通信でグレースは無事表に出て保護されたことが伝えられ、あとはトリッシュだけ。ケヴは煙の中を歩き回るのですが、見つかりません。ケヴのエアタンクも空になり、マスクを外したケヴも煙の中で倒れてしまいます。

救急車で搬送されるケヴ。アズボも同様に病院に収容。ですが、トリッシュの行方は分らず、病院のベッドで泣き崩れるケヴ。

夜中の病室でアズボがケヴを覗き込んでいます。どうして自分を放置しなかったのかと。「それくらいしか俺にはできることはなかったのに。あんたのために他に俺ができることなんてわからない。あんたは何が望みなんだ?」と呟くように言って自分のベッドに戻るアズボ。

翌朝、トリッシュは別の病院に無事収容されていたこと、ケヴの労災認定がおり、15万ポンドが振り込まれたなどの知らせがあり、早々に退院するケヴ。新しい車を買ってトリッシュを迎えに行きます。新車はキャンプ用バンなのですが、ケヴはグレースも連れて、海のそばのサウスエンドに行こうと提案します。Southend on Sea という場所で通称サウスエンドなのですが、二人の間ではS.O.S.と呼ぶのが合言葉。ケヴはトリッシュを送り、ステーションの非番の日バーベキューパーティに顔を出します、がメンバーに前日のねぎらいをすると少し抜けてチャーチルに行ってくると。大火事で死んだ赤ん坊の母親ローザが慰霊の植樹セレモニーを行うので、出てきたいからと。

チャーチルではローザが一人で苗木とスコップ類を持ち込み、中庭で土を掘っています。窓からローザをおちょくるゴグ。通りかかったデニスはローザを手伝い、まだ咳込みながら穴を掘ります。
自宅に戻って手を洗うデニスが窓の外を見るとゴグがローザに絡んでいます。木が目障りだから植樹をやめろと。ローザが無視するとゴグは土に放尿して立ち去ります。

デニスはゴグの家に来て諭そうとします。ローザに謝るようにと。そしてすべてケヴに告白したことも伝えます。デニスはゴグにローザのもとに行って自分のやったことを詫びろというのですが、ゴグは、自分を巻き込むな、自分には妹エミリーがいるのだからとデニスに言います。デニスはゴグがセレモニーに出てせめてもの哀悼をみせ、人としてやるべきことをやってくれるなら・・・とゴグを諫めています。

ケヴもチャーチルに到着。植樹が始まります。ばらばらと集まってきているチャーチル住人。デニスも階下へ降りケヴの隣に立ちます。ケヴはアズボに言います「俺は決めた。お前が自分のやったことに直面する根性があるのか、そうであれば、彼女がすべてを許そうとしているなら、俺だってすべて忘れられる」 ローザは植樹に来てくれた礼と自分の赤ん坊への思いを短く語ります。ですが、その後、ローザは抑えられなくなってわめきます。「みんな誰がやったか、どうしてあたしの赤ん坊が死んだのか知っているくせに!何も言わないあんたたちだって同罪よ!こんなことを起こらせてるんだから!」ばらばらと去っていく住人。ケヴはローザに植樹の手伝いを申し出るのですが、ローザは自分の手でやりたいからと断り、どこかで話をしようというケヴに角のパブで待っているようにと伝えます。ケヴはパブで待ちますが・・・ローザは現れません。ケヴは夫とも子供とも別れて一人になってしまったローザあてに労災で降りた補償の2/3の金額の小切手を書きます。そしてチャーチルに向かうケヴ。

ローザは植樹を終え、ぬいぐるみと自分の十字架を木にかけ、じょうろの入ったビニール袋を手にチャーチルに入っていきます。途中すれ違ったデニスが声をかけるのですが素通り。ローザはゴグの家の前にひざまづき、ポスト口からじょうろで灯油を注ぎ込み火をつけます。そのまま去るローザ。

チャーチルに戻ってきたケヴはローザが木のところにおらず、またローザが身に着けていた十字架まで木にかかっているのを不審に思って手に取ります。そこへパンパンと階上から何かをたたく音。階上の部屋から煙が出ており、中から助けを求めて窓をたたいている音。ケヴはすっ飛んでいきます。窓から中庭をのぞいていたアズボもケヴの様子に事態に気づき、飛び出します。

ゴグの家のドアはすでに火まみれ。それを蹴り倒し、中で倒れているゴグの妹エミリーを運び出すケヴ。ちょうどそこへ来たアズボにエミリーを渡し、まだ中にいるはずのゴグの救出に向かいます。ゴグは寝入っていたので火の手に気づくのが遅れたのです。フラットはすでに火の海。ゴグに向けて手を差し出すケヴ。ですが、火が強すぎ、ゴグは渡れません。パニックになって悪態をつくゴグ。ケヴの頭にフラッシュバックのようにあの大火事からこれまでのゴグ極悪非道ぶりが蘇ります。ケヴは加勢に戻ってきたアズボの目の前で、火の中にゴグを残したまま部屋のドアを閉じます。 「もう間に合わない」とアズボを促し、エミリーを抱いて表に出るケヴ。火の手は強いし、丸腰では何もできず、ケヴについて後ずさって出るアズボ。ケヴはアズボに言います。「これで終わりだ(It's over.)」と。ケヴの顔はすっきりしてますが、アズボは涙まじりに尋ねます。「ローザだと思う?」と。「俺が思うに、俺たちはローザを家まで送っていったよな? だからこの火事が起きたときにはローザはずっと離れたところにいたはずだ。そうだろ?」と返すケヴ。

アズボの顔に当惑と怒りが浮かび、ケヴがまだ抱いていたエミリーを抱きとり、後ずさりします。アズボの様子に驚くケヴ。「あんたは奴が運び出されるのを見るんだろ!俺はごめんだ!」とエミリーを抱いて歩いていくアズボ。振り返りもしないアズボに向かってケヴが叫びます。「お前も俺のそばにいたわけじゃなかったんだな!だからおわりなのか!アズボ!」ケヴの顔は真っ赤で半泣き状態。

「もう大丈夫だから、もう大丈夫だから」と唱えながらエミリーを抱いて歩き続けるアズボ。

・・・・・・ 私、どうしてケヴがそんな悲痛な声で怒っているのかわかりませんでした。アズボが死んだゴグを見たくないのは当然です。悪党で迷惑でも、幼馴染だし、アズボがゴグのために泣いても変ではありません。

この後で、ケヴはこわれて…というか糸がきれたように突拍子もないことをしでかします。
そして、夕方近く、アズボもステーションにやってくるのですが、その時のアズボの表情を見て理解しました。

バーベキューがあるし、移動するマルの送別もあるし、病院収容されたアズボを心配してるだろう皆に顔出しにやってくるのですが、顔つきが変わっています。影が消えて精悍になってるのです。(タロン君つくづく芸達者!)ケヴのオフィスに立ち寄って、当然誰もいないのですが・・・。

ふっと遠い目をするのです。穏やかな笑みをたたえて、ちょっとなつかしい想い出に思いを馳せてるかのように。(この表情、何気に神々しい。タロン君初出の表情。これのちょうど5:15-5:17
(2015.02.10 見つけたので追加しました↓ きれいでしょ、この表情)
その顔をみて、あれが別れだったんだ!と気づきました。だからケヴは悲痛な声でアズボを呼んでたのだと。


アズボにはケヴのことはもう過去で、あのチャーチルの最後の瞬間が彼らの別れだったのだと。
そういうことだったのだとようやく理解しました。

ここはやるせなく哀しい。

人間そんなに簡単になんでも忘れられない。ローザだって宗教団体に入ったって子供を殺された悲しみとゴグへの恨みは昇華できなかった。ケヴだって、大火で焼かれた恐怖と一生不俱になってしまった体の痛み、辛さ、悲しみ、苦しみはどう理屈をつけてもなかったことにはできなかった。当然だと思います。
ゴグは自業自得ではあるけども、ゴグの環境とゴグが妹エミリーを育てなければならなかった事実も何とも言えない。(話し飛びますが、ゴグも妹エミリーも美形で暴力のメロディーを思い出しました)

ケヴはアズボのためにもゴグを殺してしまいました。 そして、ケヴはその秘密をアズボと共有できると思っていたかのよう。でもアズボは拒否。迷惑なお父さん同様、かかわりたくないと思いながらもゴグを愛してたでしょう。それに、アズボはすべて告白して、捨て身で償おうとしている間に大人になっていた。ゴグとデニスの関係が少し違ってきていたと思いました。 デニスはゴグを諭そし、謝らせようとしていた。ただすくんでまたは乗せられて服従する関係じゃなくなってきていた。アズボはアズボでゴグが人に戻るのを期待していた?ゴグは中庭に降りこそしなかったが、ベランダから植樹を見ていた。アズボが振り返ると中に入ってしまったけど。
なのにケヴの幕引きとはゴグを殺してアズボも解放することだったのでした。

感のいいアズボはケヴがどこかに行ってしまうことも整頓されたオフィスを見て気づいたのでしょう。

チャーチルでアズボが去った後、一度ケヴはステーションに戻り、通信でチャーチルは鎮火、一死体確認の連絡を聞きます。それから思い立ったように、サウスエンドの海にトリッシュを誘うのですが、彼女にメールするS.O.S. - Southend OSeaなのはわかるけど、なんて象徴的な略語! 救いを求めているケヴの心の叫びのようで悲痛なのです。ケヴはトリッシュの家にバンを置き(不在だったの?)ステーションの消防車を一台持ち出します。ご機嫌で運転しているケヴですが、ドアを素手で閉めたやけどは痛み、バックミラーにゴグの亡霊を見ます。ケヴはゴグを殺して、新たな闇を自分の中に作ってしまったかのよう。(事実をアズボと共有できていれば、こうはならなかったの?何故アズボとそんな秘密を持とうとしたのだろう?)

一方アズボは皆がバーベキューをやっている屋上へと向かいます。皆次々と寄ってきてアズボをハグします。ケヴ不在でも、アズボはもう皆に仲間として、家族のように受け入れられるようになりました。かつてケヴが諭したように、ケヴがいなくても皆とやっていけるし、前日のアズボの無鉄砲だけど勇敢な活躍ぶりで、皆からレスペクトもされています。チャーチルのごくつぶしだなんて誰ももう思っていません。

バーベキューが終了、ウォッチのメンバーもそれぞれ帰途につきます。それぞれの将来を示唆するような映像。その中で、階下に降りたアズボが机の上に置かれたタッパーの中から音がするのに気づきます。 タッパーには屋上でバーベキュー準備をしているときにうっかり煙突にいた鳥をたたき落とした年長者ビリーが、失神している鳥を、保護していたのです。アズボがふたを開けると、鳥が飛びだします。窓のところで外に出ようと羽ばたいている鳥を見上げるアズボ。

・・・・・このシーンもとても印象的でした。 

まるで傷ついていたアズボも解放されて鳥と同じくこれから飛び立つかのようで。

でもケヴは宿敵のように探していたゴグを殺して解放されたように見えない。(ケヴについては別途)

もう一つ最終エピにはとても印象的なシーンがあります。それはアズボのクロージングショット。
EP1で出動指令が出た時に、ポール(あのブリジット・ジョーンズがおしり丸出しで滑り落ちたあれです。)に向かってダッシュしかけたアズボはマルに叱られてました。階段の方が早いから誰も使わないのだと。


でも、するするするってやってみたかったんだね、きっと。非番で私服姿、出動していく同僚消防士たちの間を抜けてポールに向かうアズボ。 ポールにつかまって、にまっといたずらっこスマイル。その顔がかわいい。これもまた見たことない顔。 同じスマイルでもキングスマン最後のエグジーのにこにこスマイルとは全然違ってます。どっちもかわいいですが、まったくの別人顔なのです。
前にも紹介したFanvidですが、この一番最後がそのするするのところです。
これ、かなり、順を追って最初から最後までアズボのダイジェストになってますね。





そう、タロン君、アズボはアズボ、エグジーはエグジーで全然違うのです。顔つきから話し方まで。どっちもカウンシルフラットに住んでるガラの悪い子のはずなんですが。


ちなみにThe Smoke見て気づきました。キングスマン、タロン君出演シーンで一番最初に撮ったのは子犬選ぶとこだったのだと。 アズボはてっぺんだけ残して両横剃ってるフーリガンスタイルなのですが、実は私あのロキシーとならんでるとこで、きたない頭だなぁ・・・と思ってたのです。(中途半端にちょびっと伸びてるから) 水攻めシーンだってもうちょっと髪長いもん。

ですが最後の最後でものすごく考えてしまいました。このドラマ。主人公ケヴにトリッシュがずっとついて行ってくれることを願ってやみません。この一番最後の海の中の二人のシーンもロマンチックで素敵なのですが、ケヴ本当に大丈夫なんだろうかと心配になってしまいます。

ケヴはものすごく寂しがりやなのでしょう。ウォッチの大将で自分の部下たちを親身になって、まるで親代わり、兄代わりのように面倒見ます。ケヴは18歳からずっと消防士として生きてきました。誇りも持っています。でも消防士って薄給なのに命がけの肉体重労働。みな続かないのです。現にこのお話でもクロージングでホワイト・ウォッチのお笑いコンビ2名はそれぞれ別の道に行きそうな様相です。

ケヴは大火事の後から、かなりこわれていたのでしょう。それはケヴの心情が危うくなると必ず現れるセラピストにも出てると思います。このセラピスト、怖いです。ケヴは子供も望めなくなって苦しんでるのに、このセラピストは今にも破水しそうなパンパンの妊婦。ホルスタインのような乳房といいfertility(生殖)の権化。3か月が経過しているはずのEP7-8あたりでもこの姿で現れるととても気持ち悪くて怖い。Sterile(生殖不能)となったケヴへのあてつけのような姿。そんな幻影が視界にちらちらしてまともなわけがない。

アズボにとってケヴは人生を変え、解放してくれた人。ゴグのことは賛同できなくても、もう許してる顔してます。
だけど、ケヴにとってアズボは何だったのだろう?苦しくて救いを求めていたケヴは救いを求めてる少年を代わりに救おうとしていたのでしょうか。若くて、まだ将来のある少年を正しい道に戻し、歩ませることで、自分の取り返せない時間の代わりにでもなるとでも? ケヴは部下のジギーの子供を見て、自分が子供を持つことはないことを思い出し、一人で泣き崩れるのですが…何を思ったのか電話する相手はアズボです。そしてアズボの留守電に熱い励ましメッセージを残すのです。
トリッシュを別れることにしたあと、いきなり車のキーをとり、向かった先はチャーチル。これはゴグを探しに行ったのかアズボを迎えに行ったのかよくわかりません。アズボがヘンであれば追っかけて保護するし、遁走すれば迎えに行く。ですがケヴ自身が辛い時もなぜかアズボに気がまわるよう。実はアズボに救いをもとめてた?アズボはケヴの癒しにはなってるようには見えました。

アズボが歩めるようになったのはいいけど、解放された瞬間、ケヴから去ってしまうのは(だからとんでいく鳥と重なるの?)冷たい気もしました。(だから翻弄してるかのようにもみえるのよ、この少年)でもその最後の瞬間までは、ケヴのために命投げすくらいな衷心だったのですが。(タロン君曰く、デニスはケヴに対してMad Loyality-狂気ざたの忠誠心があると)

・・・・これがアメリカものだったりしたら、ゴグ退治で正義は勝ったとばかりに野郎二人が並んでゴグが運び出されるとこ見てて、消防車、救急車パトカーがちょろちょろしてる…とかなんだろうなぁ。欧州系はそんな単純にハッピーエンドで終わりゃしません。

このエンディングで確かにしらっと同メンバーでS2は作りなかったんだろうなぁ…とは思いますが、数年後でも、大人になったアズボとケヴをリユニオンしてあげてほしい…くらいには思います。成長したアズボがウォッチの大将になっててもいいと思います。(最もそんな数年後にタロン君が地味目のTVドラマにでれるかどうか、怪しいですよね。今の勢いだと)
その時にケヴにも心の平安と幸せがあることを祈ります。

それで、長々と一人語りをしてしまったのですが、ここまでの乱文を読まれた方ありがとうございます。
タロン君ファンの方、タロン君登場シーンダイジェストのようなのもありました。
が、これだけでは欲求不満になりDVD購入に走ったのが私。


もし英アマで買われる方、同タイトルの華麗なるペテン師たちS5以降に登場していたMatt de Angeloが主人公の同タイトル映画もありますので、くれぐれもお間違えないように。




The Smoke 関連記事はこちら








2015年11月19日木曜日

コードネームU.N.C.L.E. 私が続きを望む理由

コードネームアンクル 私が続きを望む理由 と ディープな感想を。

やっと日本でも、世界で最後の地として公開されたコードネームアンクル。

旧シリーズ0011ナポレオン・ソロを愛する私、一年ほど前まで思いっきり毒吐いておりました。あのおじいちゃま(ロバート・ヴォーン)とマッカラムさん(現NCISダッキーのデヴィッド・マッカラム氏)のソロとイリヤをイマドキのバタ臭い若造が演じるなんて許せなかったのです。おこがましいにも程があると思ってました。一時のありえないほどの大スター様が名乗りを上げていた時なんて、もう、侮辱だ、冒涜だとすら思いました。

今でもシリーズの方が最高!絶対!という気持ちは変わらないけど、リブートのコードネームアンクル、これはこれでリッチー監督作でベツモンですが、新ソロ、新イリヤもそれぞれ文句もいっぱいあるけど、ちゃんと興味をわかせてくれる、この先も育っていく姿を見たくなるような愛すべきキャラに収まっているじゃないですか!
ガイ・リッチー監督の映画で私が好きなのはスナッチ。 でも今となってはあれはプロデューサーだったマシュー・ヴォーンの趣味が色濃いのではないかと思ってます。
この二人が一緒にやらなくなってからのリッチー作品は私的にはそれほど好みのものがないのです。大ヒットのシャーロック・ホームズも個人的には全然燃えないの。反面マシュー・ヴォーンの映画はレイヤーケーキから大好き。Ⅹ-メンが好きな俳優出てる割には燃えないっていうのはあるけど、あればもうまずマーベルのシリーズの一部だし、ちょっと関係ないかなと思ってます。

なんとなく今回のガイリッチー監督の姿勢は100%気合入っていると思えないのは不満。でも許します。まずは俳優でなく、演出で思ったことから

・私、ボートシーン後、ソロがトラックで酒飲んでる背景部分でイリヤがまだ追い回され、火が上がるのとこと、拷問椅子のルディおじさん放置して二人で話し合ってる後ろでおじさん燃え上がっているシーンで、なぜか周防正行監督の、「ファンシーダンス」や「しこふんじゃった」を連想しました。 メイン画面の後ろでちょろちょろ動き回り、笑いを取る竹中直人を思い出しちゃいました。
・・・・こんなこと考えちゃった人は私だけですね、きっと。 まったく無関係、ただの偶然だろうと思います。(どーでもいっか)

・ペンバートンの音楽が素敵すぎます。これは音楽にケチ付けてんじゃなくって、音楽に合うくらい一つ一つのシーンをもうちょっと練ってほしいと思ったかなぁ。 たまに負けちゃってます、音楽に。でもサントラはとって素敵だったので、そのうち買います。

・ソロさん泥棒、イリヤはサイコ。 ありえない!と思ったけど、映画を見て納得しました。(これについては後述)

・ラジオでほんの一瞬だけ流れたオリジナルナポレオン・ソロのテーマ。めっちゃ粋な計らい。私のおつむの中では映画最後のクレジット手前くらいで第一シーズンのテーマが荘厳に流れる…なんてのを期待してましたが、今回の方がずっと素敵です。何パターンもあるテーマの中でも、一番今回に映画に合った感じのがチョイスされてると思いました。グッジョブです、監督!

・トレーラーを見ていた時に、可愛いガビーちゃんもアンクルにリクルートされるんだろうなぁーとは思っていて、それは大当たりだったのですが、東に帰りたくないガビーちゃんを引き取ったのかくらいに勝手に思っていました。これがなんと、ソロ・イリヤより先にリクルートされてとは! これにはやられたー!ですね。 ヒューグラントのウェイバリーのオヤジ感もええかんじで・・・。(お誕生日1日違いのコリン・ファースと比べたら、素敵感は落ちるけど。昔のアナザーカントリーくらいの頃だとヒューグラント一番美形度高かったのですが)

ではメインキャラについて。まずは多分一番人気になりそうなイリヤから。

元イリヤとの共通点はロシア人というだけ。 元イリヤの背景ロシア人以上のものなんて対してなかったのですが、いろいろな言葉の端々から孤児かなぁと思ってました。今回のギガンティックハマーイリヤ。
父親は元は高官だったのに横領で失脚して一家でシベリア流刑。旧ソの暗部(いや革命前からそうよね、ロシアって)で踏みにじられてきた辛い過去を持つ男。今もKGBにがっちり鎖でつながれている大男。ハマー君にもうチョイ演技幅があれば・・・という気はしますが、あの映画のトーンならオッケーです。ハマー君、ソーシャルネットワークや白雪姫のあーぱー王子のこと思えばずいぶんと成長してます。

強烈なロシアなまり。すごすぎてびっくりしたけど、子供時代から強制労働所に送られるような生活してたんなら英語、ドイツ語が話せるだけマシなのでしょう。

欲を言えば、ハマー君がもうちょっと細やかな演技力のある俳優さんであれば・・・と思うのですが、このどでかさにこのうぶさ…というのがかわいくも見えてきたのでぜひ続投してね!

そうなのです、なぜかこのかわいげのない大男の不器用さ、ガビーちゃんとなんかできそうなのに何もできずに終わってしまったうぶさ、どんくささが、超越したバカ力と武骨な戦闘能力との対称において何気に愛おしく思えるのです。ルックスは全然シュミじゃないけども。
こんな風に趣味じゃねーよなこの顔、と思っている私にでもかわいく思えるのですから、こーいう顔がタイプの人にしてみればかなりの胸きゅん度があるのではないかと思います。

イリヤは不憫なの。過酷な子供時代を経て、うまく成長できなかった
大きな子供。でも優秀な戦闘員を演じていないとお国に殺されかねない、寄るべのなさ。

そんなイリヤが心の支えにしていたお父さんの時計をソロさんが取り戻していて、イリヤに投げ返してあげた瞬間、涙が出ました。
このふたりを堂々と自分の記事で掲載する日が来るとは!

そう、そう!これが私が大好きなソロさんなの!とっても優しい、大きな心を持った鷹揚で大胆な人! カヴィルソロ君が何気におじいちゃま(ロバート・ヴォーン)を踏襲してくれてるような話し方、微笑み、それだけはレスペクトが感じられてそれはうれしかったのですが、終盤のこのシーンで、これが私の愛したソロさん!とばかりにしわの気になるスーツも何もすべて吹っ飛んで宗旨替えしてしまいました。

0011ナポレオン・ソロ第一シーズンを見たときに、そのソロさんの優しさに何度もウルウルしたのですが、感覚的にまったくその時と同じで涙が出てきました。


今、ナポレオン・ソロは衛星劇場で放映してます。それも、初字幕付き放送!これは素晴らしいです。

ちょっとそれますが、私がソロさんの優しさにうるうると涙した第一シーズンエピはふたつあります。
ひとつが The Neptune Affair 「海底王国を破壊せよ」それから The Green Opal Affair「ユカタンの鮫」
まずはイリヤが関係するNeptuneの方から。
冒頭、ソビエト連邦軍服姿のイリヤが水兵仕切ってお仕事中。(旧イリヤはかわいい顔して軍服めちゃくちゃ似合います)
その後楕円球体を前にするソロとイリヤ。普段は冷静でもの静かなイリヤですが、テンパってソロさんに喰ってかかっています。このおもちゃチックな楕円球体が収穫前のソ連農地に次々と落とされ、農作物を特殊な菌で焼き尽くし全滅させてるというのです。そしてこのおもちゃ模様のものがすべてアメリカ製でありアメリカ本土から発射されていると。ソ連もそのような事態に黙っちゃいません。次があれば報復措置に出ます。そこでまたアメリカもさらに報復措置なんぞに出た日には東西2大国が主導を取る世界大戦勃発。地球の終わりです。


別にそのおもちゃロケットもどきをソロさんが作ったわけでもないのに、坊主憎けりゃ袈裟まで憎いとばかりにアメリカ人のソロさんに怒っているイリヤ。自分はいったんソ連に戻らなければならないと大きなため息とともに頭を抱えるイリヤにソロさんは、おもちゃ発射地点周辺は自分が調査に行くからとイリヤをなだめます。次のロケット落下が推定されるのはいつなのかと。
3日後と言われ、「なんだ、まだ72時間もあるじゃないか。よっぽど大急ぎの仕事かと思ったぞ」とイリヤに笑いかけるソロさんの穏やかな微笑がこの上なく優しくって愛情深くって、ソロさんってなんてイリヤにやさしいのかと涙ぐんでしまいました。

そして、このソロさんの素敵さ、素晴らしさは、国宝級の吹き替えでは残念ながら目減りしちゃって、伝わらないのです。吹替えは吹替えでその当時の日本の流行に合ったスタイルで、文化史上素晴らしものなのですが、原語であれば普遍のソロさんの素敵さはどーしても半減してるのです。ちなみにこのシーンでの吹替ソロさんは「あまり急ぎだって言われても困りますけどね」と嫌味ったらしくてがっかりしました。

ですが今回の衛星劇場での放映は初字幕! この機会にぜひぜひソロさんの声で、ソロさんの話し方で、その素敵さを体験してもらいたいと思います。

もうひとつのThe Green Opal Affair. スラッシュの陰謀に巻き込まれてしまった美しい人妻。彼女は夫がMIT卒の優秀なエンジニアで、スラッシュが彼女を利用して夫の方を組織に取り込もうとして誘拐されます。ですが、彼女は夫とは別居中。夫は優秀なのに、野心や出世欲に欠け、地元の少年野球チームの監督になるなどと言い出し、愛想を尽かした彼女は離婚を前提に別居していたのです。潜入していたのを捕えられたソロさんは彼女を連れて脱出を図ります。

夫の向上心のなさを嘆く彼女にソロさんは自分の祖父の話をします。祖父はとても優秀な弁護士で、ウォールストリートの名だたる弁護士事務所から、いつも高報酬でのヘッドハンティングを受けていました。ですが、祖父は地元の森で毎年9月にウズラ狩りをすることを人生で最優先とし、名誉とお金にあふれたそれらのオファーにのることは一度もありませんでした。ソロは言います。「彼は人生の成功者だったと思う。毎年必ずウズラ狩りに行き、季節や自然を愛し道端の花を愛で、(お金で得られない)充実した人生を送ったから。」夫の能力を利用するために、夫の野心を掻き立てさせるために彼女を洗脳利用しようとするスラッシュの恐ろしさが身に染みた人妻。脱出後アンクル本部でソロに礼を言います。夫のもとに帰り、ソロの弁護士の祖父と同じく人生で大切なものをわかっている夫についていくと。そして自分も道端の花を愛でる人生を夫ともに歩んでいくと。


彼女が去ったとたん、イリヤが口を開きます。「あんたの経歴書みたけど、あんたの祖父って海軍提督と大使じゃないか。」「あーじゃぁ、叔父さんだったかもしれないな」と適当に言うソロ。ソロさんは夫をまだ愛している人妻が自分で気付いて夫のもとに戻るよう、でっち上げの弁護士の祖父の話を語りあげていたのでした。
ソロさんはただの女ったらしなのではないのです。夫と別居中の肉感的な美人妻だからと言ってつまみ食いするわけではありません。この人妻が幸せになれるよう、でっち上げの心に染み入るお話を作り上げさりげなく元のさやに戻すのです
名誉やお金以上に道端の花を愛でる人生の大切さと(当時バリキャリだった私にはとても心に染み入りました)、ソロさんの優しさに、エンディングが流れる中うるうるとしてしまいました。

そして…これも、吹替えは、何をトチ狂ったのか、ソロさんのお話の『祖父』を最初から『叔父』に変え、お話自体も異訳というよりは誤訳?(だって半世紀前なんだもん。仕方ありません) 最後のイリヤとのやり取りのパンチラインが全く意味を為してないのです。

でも今回は字幕! オリジナルソロさんの素敵な声とイリヤのハスキーな低めで長々丁寧な(話し方は文字面にすればキングスマン、ガラハッド級です)それでいてどこか舌ったらず感のある異邦人アクセントをぜひぜひ満喫してほしいのです。


そして延々と脱線したのですが、新リブート映画、コードネームにおいて、この鷹揚で優しいソロさんが踏襲されているのなら、俄然もっと見たいの!

博士の核兵器データを巡って双方どっち先に銃を抜くかという緊張の中で銃を取り出しかけたイリヤに時計を投げるソロさん。ミッションのことなんか一瞬で忘れてその時計を即、身に着けるイリヤ。そのしぐさはまるで傷口から大量出血しないように大慌てで止血でもするかのよう。イリヤにとっては自分も命も同然のお父さんの時計。

そんな風に自分の命よりも大事な時計を救ってくれたソロに対して、IMDBページのオリジナルイリヤの説明にあるように、fierce loyalty を新イリヤが持ったとして不思議はありません。流刑者の息子として、ただでさえ、暖かい人間の情に触れたことがないのです。その後イリヤが絶対的な忠誠心を持ってソロについていくのはとても自然です。

おまけにこのふたり、真逆で相性最悪と言いながら、そもそも同じ穴のムジナ。しょっぱなにどっちが屈辱慣れしてるかをあげつらい、イリヤがテーブルひっくり返しますが、(そのあとのSee you tomorrow が本編省かれていたのはちょっとがっかりでした。トレーラーで気に入ってたのに)母国におけるふたりの立場は同じです。どちらも母国に脅され、国家にいいように利用されているのです。ふたりとも自由な人間ではないのです。このためには旧シリーズのソロさんのような生まれ育ちのいい人でなく、本来なら服役中の泥棒だったり、母国に虐げられイカレた戦闘員の理由に納得しました。
そしてそんな二人がお互い共感して手を取り合うことになっても違和感ありません。いやそりゃ取り合うでしょう。
今のままでは、あと2-3か月、お互いに銃を向けずに済むだけです。お互い国からのミッション遂行したくなく、とりあえず飲むか…でごまかしたのが運よく数か月延長されただけなのです。

おそらくこの東西どっちが所有しても危なっかしいこのデータを国家の上を行く組織をウェイバリーが創設して保管するのでしょうね。 戦後20年近くを経た63年にやっと創設じゃおそすぎやしません?とは思うものの、ちゃんとした骨組みがあったのでほっとしました。やはりキングスマンがしっかりとバックグランドあったので、そのあとに公開してこの点どーする?と心配してました。あまり無様な筋書きにもしてもらいたくなくって。

次作はその延期された数か月・・・からウェイバリー大活躍で組織ができて二人の辞職までかな?ガビーちゃんがいればイリヤも国を捨てやすそう。

あ、私はぜひともヴィクトリアにも悪の華として返り咲いてほしいです。 漁船の爆破以外誰も見てないのですから、キングスマンガラハッドの復活よりもずっとたやすいはずです。

これでこのリブート一作で終わりなんてあり得ません。この映画は続きを作ってこそ活きます。
これで終わればWBさんだって、マーケの失敗で終わってしまいます。ですがあと数作作ればちゃんと回収できる投資となるのです。

ということをWBさんに実感していただくべく、この映画をお気に召した方、私と同様に(えっ、ここまで病的に執着したくないって?全然かまいませんから)続きは?と思う方ぜひこちらをご参照ください。一緒に嘆願しましょう。

ところで本日はアンクルブックの著者Jon E. Heitland氏(右から2番目)のお誕生日です。


写真はコードネームアンクルのプレミアパーティの時のものだそうです。
ハイトランド氏以外はみなさんご存知ですよね? ハイトランド氏、今年はプレミアパーティ、レッドカーペット三昧でスペクターのロンドンプレミアも招待客でご参加。 年を取るのも悪くないなぁ…とご機嫌の様子です。おめでとうございます!

ちまにみ・・・アンクルブックとはこれ。↓ バイブルとまで言われています。このたび新作映画を見てファンになられた方、よかったらご一読を。(って言っても私も比較的新参者ファン。なのでまだ完読しておりません。)

こちらはアマゾンでも買えます。 プライムに入ってるので今注文すれば明日にはお手元に来ますよ。







2015年11月18日水曜日

コードネームU.N.C.L.E. 続編を熱望する!

【2017.04.17 お立ちよりありがとうございます!大いなる進展がありました。

コードネームアンクル、公開されてまだ一週間たっていません。
ですが、この日本でのオープニング週末だけで興行収入1億3千万円ほど達成したそうです。
わぉ! それは快挙! すでに2週間ほど先に公開したおとなり韓国での興行収入は抜いている模様。 すばらしい!日本のアンクル快挙は海外でもすでにニュースになってます。


しかし!ですねぇ、8月のUS 公開以降、私もすでに過去記事で愚痴りまくってますが、コードネームアンクル、世界的興行成績としては大コケだったのです。Straight Outta Comptonに観客全部持っていかれただの、M.I.と重なったのが不幸だったの云々言われてますが、そんなみんな二者択一で見る映画決めてるわけないでしょ!と思います。

興行成績こけてきた割にはしっかりと新しいファン層もうまれ、新たにFanvid、ファンフィクできまくってます。映画を観た人のレビューはおおむね悪くないのです。 でも数字にはまったく現れず、USファーストランは4週間で早々に終わり。ぽつぽつセカンドランで上映中です。

もう、これはリッチー監督がクレジットにナポレオン・ソロ、育ての親のようなサム・ロルフ氏の名前を入れなかった祟りとしか思えません。ですが、そんなこと言っていてもらちが明かないので、お祓い以上の何かをしなければならないのです!

映画の興行成績はこけたけど、今週発売予定の英米DVD予約ではトップを走っているThe Man From U.N.C.L.E. 映画が悪かったらそんな現象だって起きないでしょ。たまにそういうのあるのでドニー・ダーコみたいに、いい映画なのに劇場公開時には見向きもされずあとでカルト人気を誇るようなのとか。

そこで!
映画を気に入った皆さま!続きが観たいと思うでしょ?
ここにお立ち寄りくださってるのも映画が気に入って検索されたからですよね?

私は旧シリーズのナポソロファンですが、この新コンビだって、べつものだけど愛すべきキャラには見えるし、こんなミッション「2-3か月延長許可出たぞ」だけで終わるなんて許せなくありません?

実は9月ごろよりワーナーブラザースCEO宛にアンクル続きを!という嘆願書を送る運動が盛り上がっています。ここにぜひ日本からも参加しましょう!
とりあえず続編嘆願サイトはこちら。  FBサイトもあります。
嘆願サイトのトップページの文面をそのまま拝借してお手紙書いて送っていただいて構いません。

今のご時世、メールでやっちゃいたいんですが、そういう時代だからこそ、お手紙、それも手書きのほうが効果的なのだとの説もあります。現在WB CEOの辻原氏は日系ですが、日本語がおできになるかは不明。でも日本語でお手紙書いても構いません。翻訳する人くらいいるはずですから。
あて先はこちら
To:  Mr. Kevin Tsujihara, CEO Warner Bros.
   4000 Warner Blvd., Burbank Ca.91522
   USA

封筒には      Re: The Man From U.N.C.L.E.       と書いておきましょう。

便せん一行目に  The Man from U.N.C.L.E.- We need a sequel!!  と大きく書いてあとは日本語でも構いません。

アメリカまでのエアメール切手代は190円です。(訂正: 25グラム以下の定型は110円でした) 封筒便せん、100均で便せんセットは買えます。
総額300円で続きが見れたら儲けもんです。でしょ?

ぜひともWBが続きを作る気になるように嘆願レターを送りましょう!


↓は違うけど映画と別角度のショットが楽しいかも

 

お手紙もぜひぜひお忘れなく!



追記:                                            2015.11.20
私もお手紙書いてみました。手書きじゃまっすぐ字が書けそうもないんでレポート用紙に。
切手は値段一緒なので、国際郵便用の大きい日本画のにしてみました。 明日投かんします。




















追記: 2016.01.17
驚いたことに、なんと、コードネームアンクル、英ナショナルフィルムアワードのアクション映画の項目でノミネートされておりました!!
こちらはどこの人でも一般投票できます。
なのでぜひぜひ、続編を観たい方はアカウント作成(個人情報提供不要)してご投票願います。
詳細はこちらで

追記: 2016.04.02
↑英ナショナルアワード結果も出ました。
結果と続編熱望の続きはこちらへどうぞ。

追記:2017.07.13
お立ち寄りありがとうございます。 続編を望まれる皆さま
MTVファンダム賞ノミネートされてます。ぜひご協力を!

追記:2016.07.14
MTV ファンダム賞無事一次選通過いたしました!ありがとうございます。
次は二次選です。よろしくお願いいたします。

2015年11月16日月曜日

The Smoke ドラゴン タトゥーの少年 The Boy with the Dragon Tattoo

The Boy with the Dragon Tattoo ドラゴンタトゥーの少年にすっかり魅了されてしまいました。
何を隠そう、キングスマン エグジーに変身直前のタロン君(Taron Egerton)がThe Smokeで演じたアズボことデニス・セーヴァーズです。

The Smoke.
イギリスSky1で2014年2月に放映された8話もののドラマ。2014年にSkyの中では最も話題になったドラマであり、続編を待ち望む声も高かったのに、Sky1は早々に続編は出さないと表明してしまいました。なのでこれポッキリ。

これは泣かされました。8話のうちの特に最後の3話は涙涙。最終話のこの上ない美しさ。

そもそもSky1がアメリカドラマの輸入に頼る代わりに自国作品増やそうとしてKudosに作らせた作品ならしい。あまり積極的に配給もしていない模様? もったいない。Skyは私も在英中、有料だったので確かに見てませんでした。そもそも視聴者多くないのでしょうか?





中央がジェイミー・バンバー
主演はジェイミー・バンバー(Jamie Bamber) ロンドン東部MileEnd消防署のWhite Watch 率いるベテラン消防士ケヴ。ジェイミー・バンバーはNCIS シーズン12でビショップの夫として今年日本の視聴者の前に登場したのが直近かな?

 物語は真っ暗な煙の中からはじまります。チャーチルエステイトというカウンシルフラットの火災が発端。低所得者用住宅なのですが、名前がイヤミとしか思えないほど掃きだめスラム街の様相。燃え盛る火元を目指して暗闇の中、階上の火元へと進んで行く消防士。火の中に取り残された家族を救出中まだ赤ん坊がさらに上の階に残されている事が発覚。ケヴは高層ハシゴ車を要請、親友兼部下のマルと一緒に階上へと急ぎます。が、階段が火で崩れ落ち、辛うじてケヴだけが階上に登ります。そこにはすっぽりフードを被った少年が赤ん坊を抱いて立ち尽くしているのですが、少年に声をかけたケヴは背後から襲われます。襲ったのは似たようなフードを被った少年。ケヴを攻撃し続けます。「ゴグ!やめろよ!」と止めに入るもう一人。ふたりは赤ん坊を置いて、引きずり引きずられるように逃げてしまいます。うずくまるケヴの目に見えたのは少年の臀部にあるドラゴンタトゥー。放置された赤ん坊をケヴが確保した途端、爆発が起こり、ケヴは赤ん坊を、抱いたまま火に巻かれます。火がケヴの下半身を覆う中、泣き叫ぶ赤ん坊にエアを与えながら壁際まで這うケヴ。ですが要請したはずの高層ハシゴ車はいません。赤ん坊の泣き声が途絶えると共にケヴも力尽きて気を失います。火がケヴを焼き続けてます。






・・・私、タワリングインフェルノとか大嫌いです。火が迫って来て飛び降りる人の気持ちがすごくわかります。私だって絶対そうする!と思うくらいなので、テレビで見かけただけならこのプロローグでたぶんもう最後まで見れません。(泣)  血しぶきがあがるのよりも、首が吹っ飛ぶのよりも、脳漿内臓が飛び散るのよりも、何よりも火だるまになる人を見るのが嫌です。でも頑張って(?)見ました。

で、結論から言うと非常に奥深く重く、それでいて可笑しく、それぞれの人間模様が掘り下げられた見応えのあるドラマでした。続きを作らないのは最終エピでそれなりに登場人物それぞれのクロージングに決着をつけているからかもしれません。潔い決断なのかも。この最終エピはとても美しい。めっちゃ泣けます。日本でもいつか放映されるといいのだけど。

そして、このDVDゲットのきっかけとなったタロン君(リジェンドが見れそうにない憂さで)。 レギュラー出演とはいえ、上のほうに名前が出てくるわけでないし、ど新人だし隅に顔見れる程度かな・・・と勝手に思い込んでいたのですが、大間違いもいいところ。意外にも重要人物。こんな大役やってるとは全く思ってなかったよ。主人公ケヴとその恋人、このふたりに張り合う不思議な存在感。そしてすごい迫力。百変化の表情といい圧巻です。タロン君ほんとextraordinary talent の人。タロン君ファンなら絶対必見。タロン君が思いっきり実力派の役者なのだということを120%証明してます。

ここでは、タロン君演じるデニス(アズボ)の物語をメインの感想。

9か月後大火災の負傷から復帰するケヴ。プロポーズするつもりでいた長年のGFトリッシュがいますが、チャーチルで下半身を焼くつくされたケヴは男性機能を失ってしまい、もう家族は望めません。大将が大怪我を負ってしまったことで、隊員それぞれが何らかの負い目を感じ、やや緊張しているところに、無愛想な新人デニスが配属されてきます。デニスはチャーチルエステイト、皆が警戒する悪評高いスラムに住む、信用ならないガキということで、バリバリワーキングクラス、ひとはいいけど、大きな子供たち、やや幼稚な肉体労働者集団の先輩にはいじられ、からかわれ、なじめません。フーリガン風の容貌と居住地からからつけられたあだ名はアズボ Asbo。 アズボとはAnti Social Behaviour Order というフーリガン取締法の略です。非英国人の私にはかわいい音の呼び名に聞こえますが・・・かなりひどいあだ名のようです。英国政府のウェブサイトを見てみました. ASBOくらうと行動も制限されるし監視されるし…大変なことのようです。それはさておき・・・


素直に言葉づかいも言われるままに直し(それでも絡まれ小競り合いは頻繁) 不器用ながら気を遣い(感は良い少年)ケヴは大将として新人アズボを気にかけ、皆をとりなし構います。
ですが、一人で残ってトレーニングをしてシャワーを浴びてるアズボにはドラゴンタトゥーがあります。このシーンをフルで見たい方はこっちでどうぞ。(真っ白な肌といい、ちょっと成人男子とは思えないけどエグジー変身前タロン君です。)

アズボは警察がどんなに聞き込みをしても見つけられなかった少年ゴグと一緒にいた放火容疑者の一人なのです。誰もその事は知りません。
チャーチルエステイトでまたもや、ボヤがあり、寝タバコは日常茶飯事の住人は消防士が突入しても、ヤク中なのか酔っ払いなのか寝たまま。ケヴが一瞬脱いだ消防服を、子供に盗ませて走らせ、追うケヴに襲いかかり、犬をけしかける少年。昼間っからぶらぶらしてる住人はヤジ馬。走る子供が「ゴグ!ゴグ!」と叫んだため、放火少年ゴグの実在を確認。
後日、ケヴに一杯付き合わされた後、アズボはケヴをチャーチルに誘います。見せたいものがあると。いきなり走り出すアズボを追うケヴ。追っかけっこで戯れながら辿り着いた階上は、あの大火事で焼け焦げた放置されたあと鳩が住み着いている部屋。ケヴは知らないけど実は2人が共有した空間。「飾り付けがすごくてこの部屋大好きだった。でもここはもう大嫌いだ。壊すべきだよ。」と廃材をケヴに手渡すアズボ。真っ黒に焦げたベビーベッドに、狂ったように廃材振り下ろして叩き壊すケヴ。アズボに抑えられて正気に返ったケヴは、アズボを連れて一軒一軒チャーチル住人の聞き込み捜査を始めるけど、誰も取り合わない。チャーチルにとどまりたくなさそうなアズボを連れ出し、ふたりで公園で火を焚いて野宿。朝、地下鉄で帰ろうとするアズボをまた引き留めるケヴ。ミステリアスな訳あり少年はケヴには癒しになる様子。ケヴが可愛がってくれ、また、ケヴが事件の事、2人の少年を必ず見つけ出すと話すにつけ、密かに涙ぐむアズボ。アズボは赤ん坊が死んでしまった事、ケヴが酷い傷を負い、人生も狂わせてしまった事、そして自分にも責があるのに償えず隠している事に苦しみます。

ケヴが恋人トリッシュに電話するのも忘れてアズボにかまけている間、不安になったトリッシュは消防署までケヴを探しに来るのです。当然ケヴは不在。ケヴが全く自分に触れてくれないこと、もう愛されていないのではと動揺しているトリッシュにキスするケヴの親友マル。二人は夜のステーションの誰も入らない部屋で関係を持ってしまいます。

アズボを一晩振り回した(振り回された?)効果でか、ケヴは一歩踏み出し、トリッシュにそれまで彼女がケヴが立ち直るまでは去らないでいてくれるだけなのだと思っていたこと、彼女が普通に家族を持てるよう、自分を捨てるのを待っていたと伝えます。結果二人は愛の確認もでき、ケヴはプロポーズします。おめでたい話にパブで盛り上がるウオッチの面々。
ケヴがいるのでアズボも飲みに連れていかれ、ご機嫌のケヴにがっちりキスされてたりしてます。そこへアズボにはメールが入り呼び出されます。相手はゴグ。チャーチルでケヴと一緒に聞き込みしていたのが伝わったのです。

50分x8話の400分を語るのも(語っても伝わりきらない!)書くのも読むのもキツイと思う。ぜひともこのドラマを見てほしい!とは思う。(っても今のとこリージョン2PALのDVDしかありません。US放映もしてないみたい)

労災で男性機能を失った消防士 - 昨今では戦地に従軍する兵士などにある話で、もともとマッチョで、男の中の男!的な仕事に従事する人が、事故で男性機能を無くす…事態に彼らはもう、自分が男でも人間でもないかのような喪失感と自己否定に陥るそうです - ケヴのトラウマと苦悩、愛する人との関り再確認する傷ついた男の物語。

もうひとつはアズボと呼ばれる19歳の傷ついた少年デニスが翻弄された(翻弄した?)男たちから解放され昇華して飛び立てるまでの物語。こっちにおいてデニスを過去から解放するきっかけとなるのも、デニスの過去に決着をつけるのもケヴ。でもこのふたりも最後には別れてしまいます。
ゴグ(Sam Gittins) 
暴力少年だけどデニスは殴らない

デニスに影を落としつづけるのが強盗殺人で服役中の父親。そして幼馴染の少年ゴグ。
ゴグはデニスがまっとうな生き方をしようとするのを許さないかのように、ストーカーのごとく軌道修正を始めたデニスがウォッチの面々といるところに現れます。

このゴグ役のSam Gittins サム・ギティンスもとても印象的。 金髪碧眼、一見クールビューティ系美少年なのですが、ヘビがチロチロ舌出してるかのように、デニスをすくませ、腕力暴力ではなく、サディステックに服従させてきた(と思われる)サイコ入ったワル・・・を実年齢タロン君より4歳下、日本基準未成年(撮影当時)のコが演じてます。先行き楽しみですねぇ。デニスに頬寄せて舌なめずりするかのようにからむゴグのヘビ感が強烈。
ケヴはチャーチルで自分に犬を嗾けた少年を見かけて声をかけます。ナンパしてきた買春オヤジとばかりにケヴをあしらうゴグですが、「家まで送る」と言われて、それが自分が犬嗾けた消防士で、デニスの上司ケヴなのだと気づきます。
車の中でのゴグとケヴのやり取りも静かに腹の探り合いしながら潜んでいる火花がコワイ。自分のウォッチにチャーチル住
人がいるとデニスの名前を告げるケヴに ”He is on mine, too.”(あいつは俺のとこにもいるんだぜ)と挑戦状たたきつけるかのようなゴグ。ケヴにチャーチルまで送らせておきながら、車のヘッドライトを蹴り壊して走り去るゴグ。どんなけワルなんだか・・・。

ケヴにはゴグとは働き始めてから全然接触していないと嘘をつくアズボ。実際あまりかかわりたくはないのだけど、それはゴグが許さない。
ゴグは両親不在。小学生の妹と二人で暮らしてます。ネグレクト状態で育ち、典型的ないじめっこのワルになった。一方デニスには愛情深いお母さんがいる。一時的に反抗期も加わって荒れてても、軌道修正を促す人がいて、ケヴに出会ったことで更生への軌道ができた。それはゴグには不幸にもなかった。デニスの憧れの上司化した人間味あふれるケヴのような人間はゴグには見たこともなければ理解できない憎しみの対象。ゴグのデニスへの愛情が苦いものへと変わり、ゴグは自分の中に強い感情が出るとパニックになり暴力に走る。(というのがキャストインタヴューでのサム・ギティンスの説明によるゴグ。サム・ギティンス若いのに、しっかりした感じです。)
どっちがどっちかわかります?
見てる分にはかわいいけど近所にいたらすごく迷惑なガキ











ゴグに遊びに誘われ、大酒くらって暴れまわる二人はとても楽しそう。翌朝、思いっきり吐いてるデニスを見るゴグの目は優しい。なのに、ゴグを家に入れるなというデニス母をこっそり殴って痛めつけてたゴグ。ゴグのデニスへの愛情(執着)はやはり歪んでいる。

デニスがもめ事が多かったウォッチのほかの面々の信頼も得られるようになり、馴染んでいくのと同時にゴグのストーカーぶりが激しくなります。ステーションに電話が来たり、ゴグ本人が現れたりしてアズボは動揺します。
チャーチルに帰りたくなくて、ケヴの家に泊めてもらうアズボ。ケヴはデニス母にも面倒を頼まれてますが、アズボを保護し、世話することで自身も癒されている模様。
傷ついて自己否定感に苦しんでる少年アズボと男性機能を失い後遺症とトラウマに苦しむケヴはどこかでものすごく共鳴するのでしょう。

ですが、裁きの日は来ます。チャーチルの大火事から一周年の日。死んだ赤ん坊の母親に花を届けるケヴ。赤ん坊の母ローザがステーションにお礼にやってきます。ローザはデニスがここにいると聞いたと、火事の日にデニスが聴収に行かなければならないローザの子供たちの世話をしてくれて助かったといったのです。デニスは事情を察した母が火事の日は親子で父親に会いにヨークシャーまで行って不在だったと嘘をついてくれていたのでした。

時を同じくして、不審者侵入が疑われている中、アズボは刑期を終えて出所したての父親がステーションに入り込んでいるのを見つけます。父親は息子に会いに来ただけなのですがデニスは当然冷たい。父親にはいきなりスペイン行きを誘われ、ケヴにはローザの話で咎められ、いっぱいいっぱいになるアズボ。
デニス父(ガリー・ルイス)
リトルダンサー、ビリーエリオットのパパだった人
大火事の一周年の日ということでケヴを案じるトリッシュも訪ねてきてたり、てんやわんやの中で、アズボはケヴを父親が入り込んでいる部屋に連れてきます。
父親を見たとたん、「こいつは誰だ?」と声を荒げるケヴ。ケヴの前で大火事の日に起こったことを涙ながらに告白するアズボ。泣きじゃくるアズボを、スペイン行きゃ二度と会うことないからと気にするなと連れ出そう
とする父。 
ずっと信頼してかわいがってきたアズボの裏切リを知り怒り心頭のケヴ。怒りと悲しみでケヴも涙声。 父親が連れていこうとするアズボをかっさらい、引きづリ 階段踊り場から落そうとするかのようにアズボを押さえつけるケヴ。
アズボは無抵抗で「やれよ、終わらせろよ」とケヴに裁きを求めるのですが、騒ぎにウォッチのメンバーが飛び出して来てしまいます。今や、アズボもすっかり仲間。皆、ケヴの乱心を何事かと咎める視線。「こいつが俺のコーヒーにバイアグラ入れやがった。」と嘘をつき、アズボの過ぎた悪戯とその場を収束させるケヴ。そこへ出動指令が流れ、バタバタと準備を始めるメンバーたち。ケヴはアズボに目の届くところに必ずいろと命じます。アズボは父を追い払うために通報し、警察をステーションまで呼びます。出動中にステーションがデニスあてに警察が来ていると連絡が入りますが、ケヴは帰ってもらうように告げ、自首するつもりのアズボに「どう終わらせるか決めるのはお前じゃない」と告げます。
ここまでがEP6かな。
ケヴのアズボの構い方は濃すぎる。どこへ行ってもアズボの様子を遠目からでも見ていて、アズボがゴグに絡まれているのも、遠くから様子を伺っていて、アズボが走り出せば何かあったと察して追いかける。アズボ父登場でも、状況が状況なのでケヴがどんなに怒っていてもヘンではないけど、「誰だ?」と父をにらむケヴは、フツーに考えれば部下の親への態度じゃないし、まるで、恋人の昔の男でも現れたかのような剣幕にちょっとビビります。なんか昔アズボが悪さされたおっさんにでも再会して困ってるのかとクリップで見たときには思いました。何かとアズボに電話してメッセージ残すケヴは上司にしては濃すぎて近すぎて…ちょっと引きます。

そう。そんなこと・・・ないよね?と思いつつも、ケヴがだんだんアズボに惑わされてる男性にも見えてきてしまいます。そこへどーみても、このコ達そーいうことお遊びでもやってたよね?としか思えないゴグが絡んできて、ケヴにも挑んできます。真っ白な肌の上のドラゴンタトゥーだって意味深です。

大きな目に涙ためてるアズボは確かにぎゅっと抱きしめて一緒に泣いてあげたくなります。ノラ少年ですが非常に母性本能刺激されるとでもいうか、タロン君の芸達者ぶりがなせる技なのか。こぎたなくても非常に愛おしくなるのです。

でもThe Smokeを見てつくづく思いました。タロン君ってなんでこう、男の人振り回してる(か振り回されてる?)みたいなのが似合ってるのか…と。

だいたい、女の人でハグしてキスしてるのがママだけ。なのにこの400分のなかで一体何人の男の人がこの少年がっつり抱きしめてキスしてんだか・・・です。(解釈はともかく)

ケヴ宅に泊めてもらうとこでもふと頭をよぎったのは「コリンの前にもいたんだ・・・」。タロン君のあのPuppy Loveっぷりは何だったのと詰め寄りたい気分に・・・! 
二人でベッドメーキング、ケヴが部屋のカーテン引いた瞬間、そういう展開になるのかと思いました。(大いなる誤解でしたけど。) おまけにお行儀よく大きなベッドの端半分に入り込んでいるアズボは添い寝されるの待ってるのかと。(うなされでもしたら、確実にしてるだろうなぁ、ケヴのあの構いっぷりじゃ)

・・・と、真面目に見てもずたぼろになってるアズボ、そしてケヴにもには泣かされるドラマですが、と同時に腐系の方がかなり萌えそうなドラマでもあるのです。ほら、近年腐系人口結構いるでしょ、視聴率稼げますよ、業界の皆さま!
こんなの見つけた! 
4割のgifですが、濃いケヴとアズボの関りが集約されています。(拝借元はohmyegertonさんのとこ。こちらはかなりたくさんのクリップが見れます。)


まぁ、これだけ見てもタロン君百変化の様子はうかがえると思いますが、ほんと日本のでやらないかしらね。
AXNでもFOXでも何か掲示板等あったら、ぜひ皆さん放映希望を出しましょう。USでも放映されたことなさそうなので、分はよくないかも。
今回EP6までしか語ってませんが、この後のEP7は最も緊張感高く、EP8は驚きの幕引きと別れが待ってます。


追記: 
そうだ、おまけでこれも!


相変わらずウインクしてますが、またコリンに「ひきつけ」と言われちゃいそうですね。(笑)


追記2:                                         2015.11.16 夜
ちょっと気になるゴグ役のサム・ギティンスですが、AXNミステリーで放映中のリッパーストリートシーズン3 第5話で登場してます。ちょうど今週木曜の放映ですね。また暴力少年のようですが、チャンネルある方はぜひご覧になってみてください。

追記3:
しつこく続きです。The Smoke ドラゴンタトゥーの少年 The Boy with the Dragon Tattoo ②


The Smoke 関連記事はこちら

2015年11月5日木曜日

コードネームU.N.C.L.E. 初見感想。 試写会行きました。


コードネームアンクル、試写会行ってきました。

面白かった。

ただ本国公開直前追込みトレーラーが山ほど公開されており、そのトレーラーの出来がかなり良かったため、跳ね上がってしまった期待度には届かなかった感は否めません。

とはいえ、この直前ラッシュのトレーラーは正式に日本公開されたものは一切ないので、真っ白な状態で見に行けばちゃんと十二分に面白い映画です。キングスマンには負けてもミッションインポッシブルよりは低予算でもずっといい映画です。なので私の感想は旧シリーズハードコアファンがかなり厳しい目で言いがかりつけてると思って可です。




まず、モンクから言います。(だって性格悪いんだもん)

私は冷戦最中に生まれ、ベルリンの壁が崩れたのもニュースで見ていたくらいの世代なので、冒頭部分のテロップ説明の意味もさっと察せます。

でも壁が崩れて早26年。壁崩壊の時にもの心ついていなかった人々には「なんじゃこのクリップ?」くらいでよくわからないのでは? イントロ部分説明のセンスがいまいち。 結局歴史的背景そっちのけでリードキャラの魅力に頼るしかなくなってしまいました。 でそのリードキャラの魅力ですが・・・
  

まずはソロさん。私がむきむき男が苦手だからか、ソロのスーツがいかにお仕立ての高価なスーツであったとしても、どーしても、ボタンが飛びそうなパツパツ感は全然素敵だとは思えません。東ベルリン入国にアタッシュケースを手に歩くカヴィルソロは本当に不恰好で情けなくなりました。これが実質一番最初のシーンだなんて・・・・このみっともないシワ!
妥協して60年代には有りえない幅広さでもカヴィル君のサイズに合ったものを作って着せた方がヴィジュアル的には良かったと思う。 マッチョ男が好きな人でも、サイズの合った服着てる方がカッコ良いと思うのは同じなんじゃない? Tシャツじゃないんだから。視聴者の大半は(私も含めて)60年代のスーツとしてマッチしているか否かなどたいして判断できないのです。 でなければ無茶でもカヴィル君に強制減量をさせ、撮影終了後即スーパーマンとして筋肉増強をはかる…くらいの美意識とコミットメントがほしかったと切に思う。

この不恰好なスーツ姿を前にソロがいかに目が高く(つまり趣味が良いという設定)、高価なスーツを身に纏うことをボスに責められていても、全然クールに見えないし、しっくりきません。ものすごい宝の持ち腐れ感なのです。

このコードネームアンクルにおいてはソロより圧倒的にイリヤファンの方が増えると思います。新規カヴィル君ファンは増えないと思う。だって、ソロさんかなりスマートさに欠けるんだもの。 共産主義をなめてる割には持ってるアメリカ製小物は軒並みロシア製よりローテク。(これは笑うためだけのものなのだろうか?)

おまけにファッションセンスがいいはずなのに、ガビーちゃんには似合いもしない中年の有閑マダムが着るような服を試着させ、質素が基本のはずの、ロシア人建築家(というカバー)の無愛想なイリヤが怒り顔でフィアンセのため(これもカバー)と選べばこれがもう、ガビーちゃんにはぴったしの華やかなドレスばっかり。(トレーラー見て服を選んだのはガビーちゃん自身だと思ってましたが意外にもすべてイリヤのお見立て!)ここにニコリともしないイリヤのガビーちゃんへの想いが隠れているようでイリヤがかわいくなります。そう、どでかくてニコリともしないイリヤですが、そのソ連においての不憫な境遇が背景にあることも加味してどんどんかわいく思えるのです。

仏頂面だけどたまにはかわいく見える


ソロさんの良さが現れるのは後半のみ。いえ、最初のイリヤが車を素手で止めようとしたときに、「それは間違ってるようでできない」とくらいついてくるイリヤを撃たないとこでも、紳士っぷりはでてますが、そこくらい。前半ではあとはあまりかっこよくないのです、何やっても。

こっちのほうがよっぽどカッコいい。








後半、いよいよイリヤとともにあちこち潜入しては追っかけまわされ、または追っかけするのですが、イリヤを助けに海に飛び込むソロさん、イリヤがこだわっていたお父さんの時計を取り戻してイリヤに返してあげるソロさんには涙が出ました。そう、これでこそソロさん!なので、このまま、見た目のヨメ感は全くないイリヤとコンビになってくれても十分安心できる感じに、最後にはなるのです。

おまけにこの二人、それぞれCIA、KGBにおいての立場は同じでかつ同じ命を受けています。そこでお互い共感して手を取り合うこととなっても違和感はありません。この点においては当初「はぁ?」と思った両者の設定ですが、実はいい感じに落ち着かせるためのものだったのだと納得。ここはリッチー監督に座布団5枚くらいあげたいと思いました。


ですが・・・やはり、全体的に、あの気合のなかった公開前インタビューに納得するなぁ・・・と思ってしまいました。なんというか、これは監督に責があるとしか思えないのですが、(あげだしてもきりないから割愛しますが)随所随所でもうちょっとよくなったんじゃない?感をもってしまうのです。おおっ!と思うところもあるから、余計に手抜き感に思えるのかもしれません。
ダニエル・ペンバートンのサントラは音として秀逸です。サントラだけでもかなり聴きごたえのあるいい音楽なのです。ただ、映画のシーンとのマッチ感が必ずしも感じられるわけでないのです。 映画のシーンが音負けしてる感があるところもあります。これもちょっと残念だしもったいない話。

それから例えばこれも・・・




各々センスはいいポスターですが、あまり統一性の無いのが大雑把に2タイプ。キングスマンのように日本の配給元が別個のロゴつくったのではなく、両方ともWBオリジナル。こんなとこにも、確たるコンセプトに欠けたまま走っちゃった感が見え隠れしてます。公開日遅らせたのは、映画の完成度を上げるためでもなんでもなかったのですね。そして、浅はかなマーケ戦略で、1番声だけデカイアメリカでのオープニングでこけたのはとても痛いし、ホントもったい無い。

もし目安として・・・この3か月ほどで見たスパイ映画を星で評価するならこんな感じ。

ミッション・インポッシブル  ★★★+

キングスマン          ★★★★★

コードネームアンクル     ★★★★-     


ちなみに、最後にアンクルはがっちり創設されるのだと思っていたのですが、そーいうわけでもなかったので、ここは続きを作ってくれないと、結局この映画はなんだったの?になってしまいます。

この映画は続きを作ってこの新コンビを新たに暴れさせないと(その間にカヴィル君も何とかスリムにして)意味を全くなさないものとなってしまいます。
最後にタイトルの入ったセリフがありました!だけの映画になってしまいます。そう、旧シリーズを知らない人には、コードネーム アンクルとウェイバリーという名のおっさんが言っただけでしかないのです。いや、これで終わっても来週次のエピでも有るならいいけど、とりあえずこれで一映画完了と思えというならやはり、「はぁ⁉︎ それだけ?」 となってしまいます。
この映画自体にポテンシャルは有るとは思うのですが、そう言う方向に行ってくれるのか。
行くしかないと思います。でなきゃほんとにお金の無駄遣いで終わってしまいます。
さぁ、WBさん!気をとり直して続きのヒットにかけてね!


2015.11.18 追記
コードネームアンクル公開後一気にお立ち寄りが増えました。ありがとうございます。
皆さま映画を楽しんでいただいたからこそ、こちらへ寄っていただいてるのだと思っております。
続編みたい!もっとみたい!と思われた方、いらっしゃいますよね?

つきましては・・・ぜひ続編嘆願も…いかがでしょう? こちらをご参照ください。