2012年11月30日金曜日

こんなにきれいだったのね。20代のDavid McCallum

ナポレオン・ソロのイリヤを見ていても、なんて綺麗なんだろうとドキッとすることは多々ありました。
おじいちゃま(Robert  Vaughn)が美しいと言っていたFREUDも見てしまいました。 本当にきれい。

そしてYoutubeで、こんなものをみつけてしまいました。 
イリヤ以前のデヴィッド・マッカラム20代の頃のものです。(最後のクリップ以外) FREUDのハイライトも05:30あたりから。

何と言ってもポーセリン肌が素晴らしいですね。 

他の方々と映りが違っています。 今時フレディ君(Freddie Fox)とか見て、美しいとは思いますが、現代っ子の彼らは、
自分のウリも意識してるでしょうし、やはり美しくあることに気も使ってることでしょう。

1950-60年代初めに、恐らくそんな色気も全く意識なく、素のスッピン状態でこんなに綺麗なのはスゴイと思います。 
顔立ちの陰影の濃い映り、赤い唇の感じがゴシック映画にはぴったりの美しさ。(別に出てるわけではないです)

勝手に『ポーの一族』(萩尾望都作)、アランのイメージかな…と思ってしまいました。 エドガーではないですね。 
誰か守ってくれる人がそばに居るほうが似合っている感じです。 それにしても華奢ですね~。

これだけきれいだから、おじいちゃまも自然と可愛くってしょうがない状態になるのでしょうね。
ちなみにフロイトが06:16~06:28あたりのところで、緊張しているカールを安心させようと微笑みかけます。 
でもこの映画の中でフロイトは始終シリアスであまり笑顔など見せないのです。
後半に延々と続く、セシリーとの関係においても。 なので、2回目にFREUDを見て気づいた時に ビックリしました。

デヴィッド・マッカラム、おじさんキラーなのかと・・・。

最もフロイト役のモンゴメリー・クリフトは1950年代にゲイだと言われ、且つドラッグだなんだと問題を抱えていた上に、この映画自身のテーマがテーマだったので、彼の出演も含めて、製作が大変だったそうです。(サントラCD附属テキストによると)

あまりに綺麗なので他の50-60年代の出演作も見てみたいと思いますが、入手は厳しそう。
FREUDがDVD復活してただけでもラッキーなくらいです。  『危険なメソッド』に感謝、感謝♪
そしてこのクリップを作ってくださった方、本当にありがとう♪


2013.01.11 追記
↑の映画、皆、日本公開されたことがあったものでした!  全て私がこの世に生を受ける前の話ですが・・・。
ビックリです。 なので古巣(映画を語ろう2.0β)にもレビューしてみました。半世紀以上前の映画です。

Freud(1962) フロイド 隠された欲望 日本公開1964年 
Violent Playground(1958) 暴力のメロディー 日本公開1966年 もともとアメリカでは公開されてなかったイギリス映画ですが、イリヤ人気で60年代に入ってからアメリカでも公開されたそうです。
Jungle Street(1960) ジャングル横丁 日本公開1962年 邦題がぴったりなチープなメロドラマでした。

若いデヴィッド・マッカラムはとても綺麗なので、大スクリーンで見れる機会があった人々がうらやましいですね。 あと20年早くうまれていれば・・・。今まで3-5年早く生まれたかった―!と思ったことならありますけどね。(笑)  まぁ、我が家の46インチでよしとするしかないか。

ちなみにこれら(↑)はアマゾンUKで購入できます。古い映画の復刻DVD(デジタルリマスター)なので英字幕も特典も何もない、映画のみ入っているものばかりです。 昨今の98%正確な、難聴の方用字幕付きがフツーになってきていると、ちょっと不親切に思えてしまいます。フロイトは特に字幕も欲しかった。
日本語字幕のついたものがどこかには存在するのね。 画質はDVDより落ちるのでしょうけど。



2012年11月15日木曜日

FREUD フロイト

ナポレオン・ソロのDVDおまけに付いているインタビューでおじいちゃま(Robert Vaughn) が言っていました。
デヴィッド・マッカラムとロバート・ヴォーンの二人に対して、UNCLEで共演する前に
お互いを知っていたか?という質問に対しての答えの一部です。

『フロイトに出ていたデヴィッドが大好きでね。とっても美しかったんだよ。あれはちょっとしたセンセーションだったよ。』

とってもとってもとっても興味がわいてしまい、探したら、何と今年DVD化されていました。 
どうやら昨年(東京ではちょうど今上映中)公開されたクローネンバーグの『危険なメソッド』が呼び水となり、『フロイト』も
DVD化されたみたいです。 英アマ、米アマでは購入できます。

David McCallum が登場するのは、ほんの5分-10分ほどなのです。 ですが、彼の登場シーンは2時間強の映画の中で
一番インパクトがあっただろうと思います。 とってもきれいです。

トルソを抱きしめるカール・フォン・シュローサー(デヴィッド・マッカラム)

史実に忠実らしい、当時は異端の若い心理学者の葛藤の物語であるはずのこの映画は、彼の登場で一気に
ゴシック映画のような妖しい美しさが加味されます。 幻想的な夢や回想シーンはまるでレ・ファーニュの世界。

デヴィッド・マッカラムって本当にフォトジェニックだったんですね。 50年前のカメラ技術であること、全体の流れからみても、
何らかの意図的に効果を加えて撮ったショットとも思えないのですが、幻想的に綺麗なんです。そこにこの人が居るだけで。

カール・フォン・シュローサーは後にフロイトがエディプス・コンプレックスという概念を提唱する発端となる患者です。

幻想的に美しい、デヴィッド・マッカラムは映画の前半どころか、最初の四半分くらいにしか登場しませんが、この映画、
とても面白かったです。 フロイトがどのようにして患者と向き合い理論を組み立てて行くか、またほんの言葉の端から、
自分自身の幼少時代をも振り返り、綿密に答えを探っていく姿が丁寧に描かれており、『危険なメソッド』こちらにレビュー書いてます) よりずっと見ごたえのある映画です。
今では普通に誰でもが聞いたことのある精神医学論が全く存在していない時代の話です。




1962年製作ということは50年前、半世紀前の映画ですね。 
監督はJohn Huston。 

ちょっと、IMDbで調べてみたら、David McCallum 以外の人はほとんど鬼籍に入ってます。

驚いたことに音楽がナポレオン・ソロと同じJerry Goldsmith. 
この方もつくづく時の人だったんですね。
音もゴシック感あふれるノイズ系+クラシックで、私的には
どストライク。 サントラも見つけました♪




精神分析学など全くなかった1885年。 病院で様々の症状を訴える患者を前に、何が悪いのか探り当てなきゃいけない
医師は、てんてこ舞い。 何が悪くて病気なのかさっぱりわからない患者もたくさんいます。

そんな中、病気は体の機能の不具合ではなく、精神的なものだと主張する一派があり、フロイトは彼らの行う催眠療法を効果的だと考え、自分も導入しようとします。

ですが、フロイトの勤める病院の院長メイナートは催眠療法を認めず、フロイトは病院を追われます。

催眠療法を提唱しているブロイラー医師につき、共同研究者として、フロイトも催眠療法で患者の往診を始めます。 
患者が覚えていない記憶を催眠療法で呼び戻して、本人に原因を認識させることで、症状は治まります。
そんなある日、フロイトはシュローサー将軍の屋敷に呼ばれます。 将軍の息子カールの乱心の治療です。
外から鍵のかかる部屋に軟禁されているカールは詩を愛する澄んだ瞳をした青年。突然の客人におどおどと、気を使う
繊細でやさしげな若者です。 軍人である父親を尊敬していると、部屋には将軍が若いころに出征の時に着ていた
軍服をトルソに着せて飾っています。 でもその尊敬する父親をカールは攻撃したのです。 
「精神病院に入れるのか。」と混乱しているカールに催眠治療を行います。(カールの睫毛の影がとてもきれいです。)

フロイト「事件の日、何をしていたんだね」
カール「僕は父がナイフで肉を切り分けているのを見ていた。ナイフが光を反射して、その合間に父が僕を憎しみのこもった眼で睨んでいた。 あいつは僕の喉にナイフを突き刺すつもりだ。僕もにらみ返した。僕たちは、にらみ合って、
一触即発だった。奴が先に手をだすか、それとも僕か。だったら、僕が先制を切る。薄汚い豚野郎!お前の血を流してやる」ナイフを握りしめ、声を荒げるカール。

フロイト「どうして父上を豚なんて呼ぶのだね?」
カール「あいつは、若い女の子をレイプした。まだ17歳だった女の子。僕の母さん。」
夢遊病者のように立ち上がり、ナイフで父親の軍服をはぎ取ると、カールはトルソを愛おしげに抱きしめ、
「母さん」とつぶやいて、キスをします。

その姿を見てフロイトは激しく動揺してしまいます。とりあえず、カールの催眠は覚ますものの、記憶の認識はさせず、
なかったことにして、そそくさと立ち去ります。 その晩からフロイトは悪夢にうなされるのです。

フロイトはカールと長い綱でお互いをつないだ状態で崖を登り、洞窟に入ります。奥にはフロイトの母が座っています。 先を行くカールが母に寄り、抱きしめてキスをするのです。 フロイトは怒ってカールの綱を引き戻し、洞窟の外につき落とします。 転落するカールの綱に引きづられ、綱をナイフで切り放そうともがくフロイトを高らかにあざ笑う父の声が響き渡ります。
毎晩、悪夢にうなされるフロイトは患者の往診も治療もやらなくなってしまいます。

半年以上が過ぎ、ブロイラー医師が訪ねてきます。かつて追い出された病院の院長メイナートが心臓発作を起こしたのです。メイナート院長にすぐさま来るように言われ、死ぬ間際の院長と和解します。メイナートはフロイトを息子と思い、後継者としても高く評価していたからこそ、旧態依然とした病院から外に出したのです。

フロイトは改めてシュローサー家に向かいます。 ですが屋敷にひと気はなく、将軍はザルツブルグに住んでおり、
息子のカールは収容先の精神病院で肺炎で死んだと聞かされます。
治療を行えず、死なせてしまったカールに詫びながら、フロイト帰途につきます。

そこからフロイトは人が変わったように、治療にも研究にも励みます。
そしてかつて自分も治療に関わったことのある、セシリー・ケルトナーと言う女性の催眠療法に同席するうちに、
催眠療法で蘇る記憶に矛盾をみつけ、必ずしも正確でないことに気づきます。 記憶のさらにその奥に意図的に蓋をされている隠された記憶があったのです。(深層心理ですね)

セシリーは父親の死後、具合が悪くなり、医者を変え、手を変え、治療を続けていますが、一瞬治ってもまた、何かと問題を起こしています。 

そんなセシリーにフロイトはオブセッシヴなほど、根気よく付き合います。彼女の見る夢、彼女の発する言葉に、なぜなのか…という問いかけと関連付けを行い、矛盾は洗いだし、また新たに根本を突き詰める…という作業を繰り返し、彼女の治療と共に自説を完成させていきます。 人間の心は一枚岩ではないのです。 この一つ一つの過程にかなり衝撃的なものも有ります。 蓋をしていた記憶を呼び戻され、自傷に走ることもあり、つらい作業です。 またフロイトは自分の父親の死と葬儀をきっかけに自分自身の心の闇にも焦点を当てて探っていきます。 カールが登場していた夢は、子供時代のフロイトに置き換わり、自分の中の母親への愛情と執着、父親への畏怖、ライバル心なども認めていくのです。

そうして、母と娘の確執、父と娘、または母と息子の近親相姦的愛情、夫婦の問題、父と息子、幼児の性・・・と今では基本として定説になっている論説(自身に当てはめて受け入れるか否かは別として)を次々と提唱していきます。

でも今時でも、自分があてはめられたら、大半の人が拒絶するであるように、19世紀末には誰にも受け入れられないのです。 学会で手ひどく嘲笑を浴びるフロイト。 

フロイトの気が遠くなるほどの問いかけと検証をずっと見続けてきたこと、おまけにフロイトが提唱していることは
21世紀の我々にとってはかなり、あり得るものとして常識であることも有り、
学会のエラそうな医者たちにバケツの水でもかけてやりたい気分になってしまいます。

異端者のフロイトは後世には高く評価されます。 彼の努力と粘り強さは、それにふさわしいものに思えます。 
長いけど、長さをさほど感じさせない映画です。

ターミノロジーもそこそこ多いのでSDHつけてくれたら助かるのですが、古い映画でそこまでのサービスがないのがや難点。
でも一見の価値は大有り。 幻想的に美しい、デヴィッド・マッカラム見るためだけでも十二分です。


2013.01.11 追記
驚いたことに(って私が知らなかっただけだって!) この映画、日本公開もされていたようです。
フロイド 隠された欲望(1964年公開)真面目なレビューも書いておきました。(こちら
↑てんてんがついているから、検索してもあたらなかったのね。フロイトでしょう、ふつー







2012年11月2日金曜日

筋金入りのサディスト Miss Diketon が好き!      0011 ナポレオン・ソロ

昔見たことがある…程度のの懐かしさで見始めた0011 ナポレオン・ソロにこんなにハマるとは思っていませんでした。 Complete Set 3週間ほどで見終わりました。 推定120時間以上? まぁ、たまにはそんな暮らしもいいよね。

その中で一番好きなエピソード。 シリーズではThe Concrete Overcoat Affairという二部もの。 
劇場版としてThe Spy With Green Hat  という映画にもなっています。

60年代のTVですから、基本的にお色気は控え目。 なのに、このエピだけは異色で過激にエロティック。 
お茶の間番組とは思えない、ゾクゾクとした高揚感が・・・。 普段は脱力~なアクションが特徴なのに、迫力満点の銃撃戦。 
ゲスト出演の皆さまが主役顔負けに素晴らし過ぎるの!

ジャネット・リー(Janet Leigh) 演じるダイクトン女史(Miss Diketon)に惚れました。 
ジェイミー・リー・カーティスのママだったのね。 


先に、おじいちゃま!(ナポレオン・ソロのRobert Vaughn) 懺悔の告白を聞いてください

        『 おじいちゃま、ごめんささい><。 実は白黒のS1で、すでにイリヤにとっても邪にそそられていました。 
         モノトーンで浮かぶ、陰影が綺麗。 素のままの金髪の睫毛の落とす影とか、 なんか唇赤そうとか、
         襲いたくなるような、とってもサド心をくすぐられるところがあったの。 でも、おじいちゃまが
         あんまりにもイリヤが可愛くってしょうがないって顔しているし、とても大事にしているから、
         そんなヨコシマなこと、申し訳なくって絶対に言えないと・・・。』
 
その密かにヨコシマな感覚を一気に開放してくれちゃうのがダイクトン女史。 彼女が関わるものはすべてエロティック。
このエピは登場人物がとにかく強烈。 太陽の恵みを一杯に受けて生命みなぎる、シシリアンマフィア一族と、
スラッシュのおビョーキチームの対照的なこと! よくぞストーリーで同居させたと思います。 
健康に過激で、元気に大声なマフィアのじいさま方と、歪んだ欲情を過激に表すダイクトン女史+神経症的なストレイゴ氏。
あふれる家族愛に対して表裏一体の歪んだ愛憎のコントラストが素敵。 素晴らしいです。

ダイクトン女史は神経症的な上司ストレイゴ氏を愛してますが、彼女の献身は彼には伝わらず、うとまれています。
冷徹なスラッシュという組織の中で、失敗者の処刑は合法。 ナイフを投げ付け、その断末魔を味わっても仕事のうち。 
水を得たサディスト、ダイクトン女史。 彼女は常に大きな投げナイフをガーターで身をつけています。

タイトなミニスカートをたくしあげ、ナイフを取り出す、女史のカッコいいこと。 獲物を見る時の、次の残酷な愉しみを想像している彼女の表情が素敵。 獲物をしとめた彼女は、自らの体の一部と化したナイフを通じて、肉を裂かれる犠牲者の
断末魔の恐怖と苦痛を感じ取って恍惚とするのです。

ダイクトン女史の残酷な高揚と陶酔、恍惚は見ている私にも伝わってきます。 この残酷にエロティックな感触は
バタイユの『眼球譚』に通じるものがあります。 なんて素敵。

イリヤをゲットした女史。それもおもちゃにして可と言うお墨付き。 「死ぬまで愛してあげる」と舌なめずりをするような女史の表情はコワくって、でも美しい。 


だってイリヤってきれい。 
David McCallumは当時35歳くらいのはず。

つやつやの肌は、若づくりの達人 大御所No.1 のマーク君
(Marc Warren)の上を行くのではないかと思うほどです。 

このきれいな肌に赤い血が一筋走ったら、さぞ美しく映えるだろうな・・・って思ってしまいますよ。


サディストのダイクトン女史はイリヤを吊るしあげて拷問。 
身体の内側の柔らかそうなとこばかり痛め付けられてるのは、かわいそう。
 
胸は痛むけど、欲を言えば、紺と緑のチェックシャツは早々に引っ剥がしておいてほしかった。
そこはむごたらしく見せられないお茶の間への配慮かしら?

ナチス残党の博士が誉め讃えたその素晴らしい拷問は、
もう少し見せてほしかったかな。 (ごめんね、おじいちゃま)



スラッシュセントラルから、アンクルエージェントは生かしておけと、指示が入るので、イリヤは切り刻まれずにおろされます。
ストレイゴのところに連れて行くイリヤを革ベルトで首つないでひっぱっているのは、さすが筋金入りのサディスト。 
革ベルトがもっと両面濃色で、イリヤの長袖シャツがない方が絵的に映えたのではと欲張りたい・・・。(ってムリか)

イリヤを引き渡したダイクトン女史。 次は人質にされた元マフィア一家の娘を見張るように言われます。 
小麦色の肌がワイルドで、若くて初々しい、ダイクトン女史とは真逆の女の子ピア。 

ここで女ふたりの取っ組み合いが始ります。 これがね、またエロティックなのです!(BGMがいまイチ。残念なことに)
 
YouTube で見つけたコレ↓ なんとドイツ語吹替え版ですが、ちょうど良いところだったので参考に。

デュランデュランのGirls on Film(グラビアの美少女)のPVを彷彿とさせるこのシーン。

80年代を迎えたあの頃ですら、エロで過激すぎて物議を醸していた記憶があります。
中学生の頃、地方局で日本未デビューのUKバンドの紹介なんかもやってくれる希少な音楽番組がったのですが(ナイターの関係で消滅)、日本正規発売前にGirls on Filmを放送してくれたのです。
無修正だったので、子供にはキョーレツに衝撃でした。 数年後、日本で発売されたのは修正されたもの。 

ダイクトン女史とピアの女ふたりのなまめかしいファイトシーン。 60年代には、かなり過激だったのはないでしょうか。 
それを加味するとやっぱりこのエピは凄いと思います。

エロティック路線はさておき、もうひとつの見どころ、元マフィアのおじいさまたちです。

スラッシーズに扮するおじいさまたち。

今までこのシリーズにあった、どの戦闘シーンよりもど迫力で、カッコいいのです。 じいさまたち、皆、味のあるいいお顔。 有無を言わせない迫力。 若いころはさぞ男前だったろうな。 
姿勢もよくって、揃ってマシンガンぶっ放す迫力は、ソロやイリヤの戦闘シーンなんて、足元にも及びません。(きっぱり断言)

タランティ-ノのトゥルーロマンス(監督はトニー・スコット)にでてくる映画好きのマフィアとお屋敷での銃撃戦は
これを思い出してたのかなぁ・・・と少し思いました。(あくまで私見)

スラッシーたちをあっという間に降伏させ、さらに銃殺しようとするじいさま。 
さすがアルカポネの禁酒法時代をサバイバルしたつわもの。 コトの善悪はともかくカッコ良すぎます。
なんて正のポジティヴなエネルギーに満ち溢れているのでしょう。 

これが、ダイクトン女史とストレイゴのビョーキな負のエネルギーと共に、エピソードの中で違和感無しで共存しています。

私の一番のお気に入りのエピソードとなったThe Concrete Overcoat Affair、映画版でもいいから、
AXNミステリー放送したらいいのに。 このエピは意外なことに、私がさほど好きでないS3の中のものなんですよね。

でも、これはとってもとっても秀逸です! 文句なしに星5つ!                                 ★★★★★

2012年10月15日月曜日

お姫さま仕様のイリヤ       0011 ナポレオン・ソロ


録画機器の都合で、S1から間を飛ばしてS4を観ることになった0011ナポレオン・ソロ。
S4は当然カラーなのだけど、おそらくデジタルリマスター化されてる(?)色鮮やかな画面がそれほど古く見えないことより、
何が驚いたって、 イリヤが随分と育ってしまっていた!

その当時の流行りだったのか、二人とも前よりやや長髪。 ソロはそれほど変わった感じはないが、イリヤはカラーになると、
輝くばかりのプラチナブロンドのさらさら髪、淡いブルーの瞳。 いっぱしの美青年に成長していたのである。 
米語はずっとなめらかになり、体格もがっちりして、ダークスーツが随分と決まるようになっていた。
アンドロギュヌス感はなくなり、男っぷりがかなり上がっている。 

それなのに・・・ 2、3回に1回くらいの頻度で、囚われのお姫様になるのだ。 何故?
それも、かなり意識してお姫様にされているよう。 だってこれ見て!

 ガス室に拘束されるイリヤ






この(←)カラーコーディネイトに、速攻で思い浮かんだのが
こちら ↓



 
いばらの城で眠るオーロラ姫


 












イリヤが囚われたと知ると、ソロはとても怖い顔になる。 殺されたら、個人的に復讐してやる…と凄んでいるのもあった。 
イリヤ救出に向かうナポレオン・ソロはこの上なく真剣なまなざしで、とてもカッコいい。

姫(イリヤ)のためなら、文字通り火の中、水の中、猛獣と素手で戦ったり、高い城壁だって登り切る。 
これはこれで、カッコ良すぎて感動。  

でもこの男前のナポレオン・ソロ演出のためだけにイリヤをお姫様にしたのだろうか?  
それなら毎回出てくる美女をあてたっていいはず。
イリヤがお姫様になると、美女たちはイリヤ奪還の助っ人でしかない。(失礼な話よねー)

まず、トップエージェントのソロと並んで名をはせる優秀なエージェントが敵方に誘拐されてばっかりなのも、どうよ? と思う。 
おまけに体格が良くなったイリヤはソロよりガタイが良くなってしまい、(前は華奢だったのにー)ソロに抱き起こされるのも、
手をひかれて歩くのも、なんかお笑いのノリになってしまうのよー! 
二人並んだうしろ姿は、イリヤの方がガッチリして横幅でかくなってる。いつの間にか・・・。

タイタニックのレオナルド・ディカプリオとケイト・ウィンスレットのことを思えば、がっちりしたお姫様も有りなのかもれしない。

でもやっぱりお姫様は可憐にほっそり小柄な方が目にやさしい。

とか、いまさらどーでもいいこと(何しろもう、40年以上前のドラマだし)を思っていたら、今日見たのは逆パターンだった。

初っ端にソロが囚われていて、イリヤが救出する。(イントロだけでメインストーリーとはあまり関係ない) だけど、これが・・・大きく違うの。 同僚と一緒に拘束されたソロは身代金を要求される。 悪人の要求する機密情報(潜水艦の図面)と共に金を払いに老人が来るのだけど、実はこの老人が変装したイリヤ。

そして、イリヤはソロの身代金を半額に値切るのである。

「アンクルNo.1のエージェントだ!倍以上の金を払う奴はいくらでもいる!」と怒りだす悪人にめくらまし。 全員無事脱出。
「ラッキーだったな」と変装ひげを外しながら言うイリヤに、「オマエ、オレがアンクルNo.1のエージェントだって知っていたか?」と憮然と訊ねるソロ。
冷めた目で見つめ返すイリヤ。 相変わらず身も蓋もないヤツ。 青い瞳がイノセントにきれいなだけに、なおさら・・・。 
この差はひどいよなぁーと思う。 可笑しいんだけどね。

旧ソ連で、感情出さないように育った上の英才教育の結果だろうけど、イリヤは情緒欠陥児みたい。 

イリヤはソロが目前で殺されても平静で、ソロは死んだと報告して、任務続行。 
反面イリヤが爆発で殺られたと思ったソロの怒り狂い様の凄まじいこと! 真っ赤になって、暴れだす。 手当たり次第にモノをたたき壊し、民間人美女がいても構わず発砲。 取り押さえられたら涙目だった。 

感情を爆発させるRobert Vaughnは身震いするほどカッコ良くって、おじいちゃまってスゴイーとまた惚れ惚れ。

だけど、この余りの違いに、たまにイリヤに殺意を覚えてしまう。 薄情過ぎるわ・・・。

催眠術かけられて、ソロを殺そうとするのだって、ひどかったよー。 催眠かかったふりして逃亡するのかと思ったら、本当にかかっていた。 イリヤを見つけてホッとした顔をするソロに向かって発砲。
ソロが手先、足先とかダメージの小さいとこでも狙って撃つのかと思ったけど、一度もイリヤには銃口を向けない。 ソロは撃たれて倒れるのだけど、一顧だにしないイリヤ。
倒れたのはフリだけで、立ち去ろうとするイリヤを捕まえ素手で殴る。 接近戦だとソロが強い。
正気に返って「ナポレオン、まさか…」と言うイリヤに「あぁ、オマエはやってくれたよ」というソロの目が全然、怒ってないの! 

こういう話の展開のアクションものって他にも有りそう。 そして仲良しの相棒コンビは片方が相方を殺そうとしたことでちょっとしたケンカをするのがフツーの流れのような気がするのに。 

ソロはただイリヤが戻ったことを喜んでいて、イリヤを見る目はとっても温かくて優しい。
あまりにも優しい目にこっちが涙ぐんでしまったわ。
そもそもイリヤとソロがケンカするのは見たことがない。私が観た話の中では。(たぶんまだ半分も見てないと思うけど。) 
ソロがすごく鷹揚なので、ケンカにならない。

イリヤが実はソロに心酔してるのはわかる。情緒欠陥児なりに、心を許せる相手なんだろうな。
ムキなったりするのも、ソロにだけ。 これが可愛いからすごく好き。

イリヤの、たまに出るソロに対してのアヤしげな言動は60年代にはどう受け取られていたのだろう? そもそも吹替えには反映されていたのかな?

S4は本国でも低迷し始め、途中で終了したらしいけど、吹替え版は全部作られなかったのか、10話ちょっとで終わっていた。
でも、また最初から一巡してくれるみたい。

Complete Setがそのうち来るから、設定変えて、吹替え版録るようにしようっと。
覚えてる話があったらうれしいと思うし、子供も見るかもしれないしね。

2012年10月9日火曜日

0011 ナポレオン・ソロ The Man From U.N.C.L.E.

しばし、ぷーをすることになりました。(なんて母ひとり、子ひとりで呑気に言ってる場合じゃないのだけど)

それで、普段やれないことを今のうちにやっておこう!と思って、録画セットだけして放置していた、0011 ナポレオン・ソロを観ることにしました。 
放置中にHDが一杯になり、モノクロS1(半分くらい?)と何かを消した後に入り込んだS4(現在も放映中)の一部だけ。

とりあえず最初から、ざざっと観れば満足か・・・と思っていたはずなのにー!何を血迷ったのか、画面かじりつき状態に! 
私、60年代、70年代へのノスタルジーは全くありません。この時代の映画やTVドラマの騒々しいサントラもむしろ大の苦手。

でも、ソロ演じてる、Robert Vaughnが余りにも素敵で素敵で!!  表情豊かでホントにチャーミング。
そしてなんてカッコいいの!! 
アルビー(華麗なるペテン師たち)のチャーミングで素敵なおじいちゃまは一日にして成らず。 
昔っから素敵だったのね。(昔に見た時の記憶がほとんどないのが残念。)

お話自体は古いスパイもの。小学生が観てもOKな正義の味方と悪の組織の対決、至ってシンプル。 
特撮はちゃちいし、ストーリー展開もたいして凝ってません。 
なのに画面に張り付いてしまうなんて! それだけ、惹きこまれてしまったのです、出演者のふたりに。


Robert Vaughnって、昔ながらの、存在感だけで、画面成立させる俳優の名残なのね。
ほら、古い映画って、例えばハンフリーボガードなんかも、映画の構成やストーリーがどうっていうより、彼の存在だけでカッコよく、彼が出てるってだけでもう、不朽の名作じゃないですか。

表情から目が離せません。80近いおじいちゃまの今だって、とてもチャーミング。 ペテン師たちの中で誰が一番好きって聞かれたら、絶対私はアルビーって答える。 優しいチャーミングなおじいちゃま。 なのに真剣な目で人を見据えると、それだけで画面が引き締まる。 これが、ぞくっとするほどカッコいい。(おじいちゃまなのにー)

若いころのおじいちゃま、ナポレオン・ソロもそのまんま。 目がとっても表情豊か。お顔に魅入ってしまいます。

そして「あー、ガキの頃は単純に金髪碧眼のイリヤを可愛いーと思ってたけど、今見たら、ソロの方がいいオトコ」 なんて安易に最初は思ってたけど、気が付いたら、はい、イリヤもしっかり目で追ってしまってます。

これは・・・可愛いわ。 あり得ないほどに。 
『クールなイリヤ』という、説明をよく見かけるけど、ちょっと語弊があるような?
モノクロS1では思いっ切り異邦人。(イリヤは冷戦下のロシア人) 身も蓋もない、物言いはクールだからなのだか、言葉のハンディなのだか。 まどろっこしい言い回しで辛辣なクチをきいてるのが、何気に可愛い。(イリヤ演じるDavid McCallumはイギリス人なので、ネイティヴ。異邦人仕様にしてるだけ)

仏頂面で登場するものの、小柄なイリヤが、ソロを見る視線はいつもやや上目づかいになる。なんか甘えてるみたい。 そしてこの異邦人は笑うとすっごくかわいい上に、はにかみ笑いのような視線の先は、いつもソロである。 まるでわんこちゃん。
お友達がいたの?
David McCallumのファンサイトから拝借

女に流されやすいナポレオン・ソロを軌道修正すべく、鈍感そのまま、平気で割込むその姿は、クールに任務遂行というより、お兄ちゃんの恋路をジャマする、ティーンエイジの妹ちゃんのよう。 小姑ですねぇ。

イリヤって、おんなのこキャラだったのか・・・。

イリヤがNapoleon と呼ぶ発声は舌っ足らず感があり、甘ったるく聞こえる。
そもそも、このスパイもんのドラマの中で、ナポレオン・ソロはいつもMr. Soloと呼ばれ、ナポレオンと呼ぶのは女性陣の他にイリヤだけ。(逆も然り。イリヤ、イリヤと呼びつけるのもナポレオンの特権みたい)
このNapoleonという、やや長めの名前の音が甘ったるい響きになるのかしら? Napoleonと言う名前の人に遭遇したことって、ない。 なので、よくわからないけど。

かわいい。あまりにも可愛すぎて、ちょっと居心地が・・・。

なんか、REXに出てくるGedeon Burkhard の艶然と微笑む姿に、麗しすぎて、カッコイイとか思うより先に、「おにーさん、なんか違ってません?」と退いてしまう感覚と似ているわ。

でもね、結局のところ、この二人がとってもうらやましいのです。 なんて素敵なカップル(違うか・・・)

こんなに素敵なナポレオン・ソロ(カッコ良すぎてクラクラしてしまう)に「イリヤ、イリヤ」と始終構われているイリヤがうらやましいし、かわいいイリヤにずっと目で追われているソロもうらやましい。
イリヤって口悪くても、きっちり状況把握して、ソロをサポートしてるし。

昔に見てたときの、自分の未成熟さがうらめしい気分。 
夜中に電気消した後こっそり見てた私は、『ポーの一族』を筆頭に少女漫画に没頭する現実逃避少女。 
もれなく男嫌いでもあったので、ナポレオン・ソロのことは黒髪の背広のオジサンくらいにしか記憶してなかったの。 
つくづくもったいないわー。

録画が全部とれてないし、昔見ていたはずの日本語吹替えだって一度くらいは観てみたい。 
と思って、Complete Set アマゾンで注文してしまいました。 2週間ほどで来るけど、100話以上あるのにどうしよー。 
でもたぶん、張り付い観てしまうと思います。 いえ、絶対に・・・。




2012年10月8日月曜日

裏切りのサーカス Tinker, Tailor, Soldier, Spy

8月末のレディースデー、昼間観に行ってきました。(結局DVDを観る前に映画館へ)
映画は古巣で書こう(追記2016.09.14:古巣のレビューはこちら)と思っていたのに、映画登録が何故かできない。3回ほどトライしてgive up.
…あそこのサーバーがイマイチなのは昔からだけどぐったり。 なので、こっちに書きます。

大スクリーンで観に行って良かったわ♪ 
帰宅してからDVDでも観てみたけど、やはり映画仕様のモノは多少大きめの液晶でも画面が思いっきり暗くなるのね。
迫力の差だけでなく、大スクリーンの方が観なくていいものまでも、はっきり見えてしまうのがよくわかりました。 
あ、でもせっかくの演出だから見えなきゃ意味ないわよね、飛び散る脳漿とかも(-_-メ)

個人の期待度が高過ぎたのか、ちょっと思ったほどじゃなかった…感はあるけど、それでもDVDで見直すくらいには面白かったです。

ゲイリー・オールドマン、老けましたねぇ・・・ 

ホント老兵って感じで。 最後に復職(どころか大出世)するのだけど、大丈夫かしらと思ってしまいました。 
こんなに年いってたんだっけ? と思うくらいの老人ぶりです。
続きがいかにもありそうな終わり方だけど(制作されるんですよね?)、若人に席は譲った方がいいのでは?とか不謹慎なことを考えてしまいました。

ゲーリー・オールドマン初対面の記憶は『ローゼンクランツとギルデシュターンは死んだ』という、トム・ストッパード作のハムレットの番外編コメディ。
ティム・ロスと一緒に出てましたよ。 あれっていったい何年前の映画なんだろう? と思ったら1990年。 
20数年前なのかぁ・・・。 レオンとかでブレイクする(したっけ?)ホンのちょっと前だったのね。
レオンの悪徳刑事とか、エア・フォースワンのロシアのテロリスト、いっちゃってる人や、いやぁ~なヤツを演ったら、天下一品。 でも情けない男役も結構観たなぁ。
芸幅は広い怪優だとは思っていたけど、余りにも老人に成り切っちゃっていて・・・。

DVDおまけで付いていた、Deleted Cut。 スマイリーがフラットで料理をしている長まわしのワン・ショット。 
これはそもそもなぜ脚本にあったのでしょう? スマイリーの老人ぶりを強調するため?
でも、この無意味なカットされたシーンに、涙流して笑ってしまいました。(真面目な意図があったのだったら申し訳ないけど)

ラジオから流れる音楽は70年代のヘヴィメタ(何故?)。 スマイリーは花柄のエプロン(!)をつけ、フライパンを火にかけ(これが電磁クッカーなので、温まるまでに時間がかかる)待つ間に窓の外を眺め、鳥(カラス?)の声を聞き、フライパンが温まったのを確認すると、卵を一つ割って、目玉焼き。 
目玉焼きが焼けるまでにまた時間がかかるのだけど、ひたすら待つ。出来上がった目玉焼きを無器用そうに皿にのせ、塩をかけて食す。 お皿とカトラリーのあたる音が静かに響く・・・というシーン。
これが数分間のワンショット。 あまりにもしょぼいゲイリー・オールドマンとミスマッチの花柄のエプロン。 
笑っていいシーンだったのかは不明だけど・・・息切らして笑ってしまいました。ごめんねー。

キャメルのコート姿のコリン・ファースがとってもカッコ良かったけど、最後にはがっくり。 
犯人がわかるまでの間に、もうちょっと捻りが欲しかった気がする。 だって盗聴されてるロシア語の声の主が誰かよく判らないうちに、犯人が明かされてしまうんだもの。 
トレイラーに出てくる『西側は醜くなった』ってシーン、これ、宣伝で使っちゃだめよぉ~。 カンのいい人だったら気付いてしまいます。 私は後で見て、なぁんだ、ヒント出してあったんだ~と思ったクチですが。

ところで、『暗号名はモグラ』って書いてる字幕をみた気がするのですが、Moleってコードネームじゃないよね? 
こういう敵方から潜伏してる裏切り者のことって、普通にMole(もぐら)とかRat(ねずみ)とか呼びませんか?

ベネさん演じるギラムが『明らかにゲイ』とまでは思いませんでした。 どこをどう見たら、『明らかにゲイ』なのだろう? 
熟読は放棄したままの、Sight&Sound のあの記事はなんだったのかしら?

スマイリーに忠実で、スマイリーの浮沈に誰よりも一喜一憂し、復活を一番喜んでいる男なのは確かだけど。 スマイリーの不遇にホントに悔しそうな顔をする、顔を歪めて・・・。 その表情が恐すぎて、ちょっと引いてしまいました。

『つぐない(Atonement)』なんて、映画には思いっきり涙したけど、べネさん、余りにもイヤな男で(ロリコンの変態)、その上、べネさん関わるところの話の展開が、怒髪天の吐き気ものだったから、記憶から抹殺してしまってましたよ、シャーロックで認識するまで。
やっぱり黒髪シャーロックのべネさんが一番好きだな。 かわいいし、ね。








2012年7月30日月曜日

シャーロック2ついに吹替えも始まったのね。

NHKを見てたら、シャーロック放映についてCMがありました。
嗚呼、結局去年も吹替えはほとんど見れずに脱落した私。
愛しのマイクロフト兄さんの声が、こんなマンガチックなただのおっさんだったとは・・・。
Ep1.翌日6時の飛行機に乗る予定だったので、就眠。 あぁ、アイリーンアドラーの声も
聞くだけ聞いておきたかった。と後で気づいた。 あのシリアスな飛行機のシーン、マンガチックな兄さんの声じゃいまいちなんだろうな。

最終話だけはアンドリュースコットの吹替えだけは確認せねば!と思っているけど、なんと自宅前商店街の夏祭りの日! 
ショック・・・

ところでシャーロックが始まって一年ほど前の記事とかを見てくださってる方ありがとう。
この数カ月過労死寸前。何も見ていないです。
最近全く追っかけられていません。 今の仕事を辞めたら、なんとかするぞー。


2012年5月3日木曜日

ホントにイビサの罠になったMad Dogs S2

懲りもせずDVDを買ってしまったMad Dogs S2。
ずっと忙しかったので、バタバタの中、就寝前に一話ずつ、ざざっと一回見ただけ。
GWのS1からの連続TV放映は出かけるのでたぶん見れない。(最近録画も面倒になったりして)

最後まで見たら、S3のタイトルもわかってしまう展開のおぢさんたちの大冒険。
もうちっと、S1の謎(もどき?)の事情がわかるかと思ったけど、ほとんど放置され、
ワタシの推測のアタリ/ハズレくらい解明される気満々だったので、ちょっと拍子抜け。

フィリップ・グレニスターが何気に貫禄付いていたので、4人が同級生というのがさらに不自然に・・・。
マーク・ウォレンが顔やせ、シャープになっていたので、安堵。 やっぱ、カオが気に入っているヒトは
崩れてほしくないですねー、勝手だけど。(顔だけで御贔屓なわけでもないけどね)

S1を人に貸したっきりなので、う~ん、記憶に比べて…うーん・・・くらいな感じでしたが、連続放送してしまうと、
あれ?って感じに思うのではないかと。

何しろ、アルヴォやマリア登場に、ええ~っ!! 生きてたの!? と驚いたら、回想シーンでした。(-_-;)
だってアルヴォは結構老けてたし、マリアに至っては、前より英語がお上手になっているんだもん!

S1に比べて、四十路として共感できる部分も、あんまりなく、ただただ事件に巻き込まれるおぢさんたちに大変だなーと
思うものの・・・ 笑えるトコもそれほどなかったなぁ。

おまけに4人のメインのキャラがテキトーにされているような気がしました。 S1の方がもうチョイそれぞれ性格があったような気がする。

Mad Dogsは○○観光協会とかのプロモーションビデオとでも考えるのが良いような気がしてきました。 
それでもS3は私の好きな所なのできっと楽しみにして観ると思います。(笑)

2012年4月12日木曜日

Sherlock S2 Ep3  『夜叉』の双子のようなふたり。


リピート観…いや、ついつい流しっぱなしにしてしまう、シャーロック。(といっても忙し過ぎて、このところご無沙汰)
S2もやはり、感情的な盛り上がりは1話、3話が高い。 S2 2話にあたるBaskervilleは単体で映画に
してしまっていいのでは?と思うくらい出来はいいのよ。 スケールもデカイ。
でも感情的に揺さぶられるのは1話と3話。これはS1もそうだった。

3話にあたるRaichenbach Fall.  言うまでもなく、ストーカーと化したジム・モリアーティが絶好調なのだけど、ミステリー的な謎解き以上に、狂人モリアーティの言動にこっちの脳内もかなり振り回されてしまいました。 
またまたモリアーティ演じるアンドリュー・スコット(Andrew Scott)のイカレぶりが半端じゃなくって。 コワすぎます。

ストーカー モリアーティがどのようにシャーロックを追い詰めて行くかはさておいて、彼の言動は謎がいっぱい。
モリアーティの不気味なシャーロックへの執着、この二人だけが理解、解読できる数々の謎解き、
『夜叉』(吉田秋生著)という少女マンガの主人公の双子を思い出してしまった。

『夜叉』は遺伝子操作によって、それもたまたま実験中にうまく残った受精卵から生まれた双子が主人公の話。
この双子は遺伝子操作でできた、次世代人種、普通の人間より、身体能力、脳の情報処理能力、可聴域など、ずっと幅が広く、通常の人とは見えている世界が違う。つまり、一般のヒトに見えている世界とこの二人に見える世界はベツモノ。

シャーロックとモリアーティ。 非凡なる頭脳を持ち合わせ、対決する二人に、この『夜叉』の双子、静と凛が重なってしまった。 どちらのペアも、暗号解析などお手の物。その気になればハッキングで核のボタンだって押せる。 二人だけに通じるものがあり、 一方はエンジェル(善人)と共に歩むことを選び、もう一方は悪魔に魂売ったかのような冷酷な悪人。
日本の漫画は昨今、人気だけど、ちょちょっと調べたところ、英語版は発行されていないようだ。作者の吉田秋生氏は英語のマンガサイトでじっくりと紹介されているが。

なので、シャーロックとモリアーティの関わりにおいて、このマンガは全く無関係である。(トーゼンよね)

だけど、モリアーティのセリフと双子のひとり、凛の言い分と何と似ていることか。 そしてモリアーティ(Demon)とシャーロック(Angel)。凛(夜叉)と静(菩薩)。 どちらも同スペックの超人類でありながら、対照的な生き方。

静と凛は人工的に作られた超人類。 静は、12歳で拉致されるまで、仮母体の産みの母に愛情深く育てられ、明るい友達に囲まれて育ったが、6か月遅れで生まれた弟の凛は生まれた時から冷酷な研究者の養父に超人類としての能力を最大限に行かす教育を受け、虐待されて育った。

超人類の上に双子の彼らは互いに感応性があり、一方の目を通して、同じものを見ることもできる。 凛は幼いころから静の存在を知っていた。一方静は弟の存在を18歳で日本に戻って初めて知った。 虐待されていた凛の静に対する対抗心、嫉妬、不条理感には胸が痛んだ。(最後には理解しあえるけど)

モリアーティのシャーロックへのゆがんだ執着。発端は、S1 EP3の20年近く前に水死したカール・パワーズ事件
らしいけど、そこから、露骨にモリアーティがからみ始めるまでの間の彼の一方的な葛藤(?)が詳しく説明されているわけではない。

ただ、シャーロックを死なせるために自らの命を絶つモリアーティに、ふと、モリアーティの積年の願いは
シャーロックを道連れにした無理心中だったのだろうかと思った。 

一連のモリアーティの言葉から推測。

モリアーティは幼少時より世間と人々を見下し、うんざりし続けてきた。馬鹿どもと一緒に生きているのはつまらない。
気に喰わないカール・パワーズは楽々と消したものの、退屈な下等人類と生きる意味も見つけられず、さっさと自殺しようと思っていた。 ところが・・・。
この世に未練は全くないのだが、ふと、自分と同様に特殊な人間が目に留まった。 カール・パワーズの死は事故ではないと警察にクレームをつけたガキ、シャーロックである。
超人は自分だけでないことに驚くとともに、こやつが本当に同様な超人なのかも確かめたくなった。
この世でこれほど突出して有能で特殊な人間は自分だけと思っていたのだから、同種の超人類と力比べもしてみたくなった。 この超人が本当に自分と同様の超人かも確認したい。
そして、シャーロックがモリアーティのこの世への唯一の、未練となり彼は自死をやめた。おそらく、シャーロックに目をとめた時、モリアーティは高層ビル(空襲されたあとに、戦後建設された高層のカウンシルフラットね、uglyな)の上から、飛び降りる寸前であった。

これがモリアーティの言う、I owe you a fall なのだろう。 

バカらしいと思いながら生きることにしたモリアーティ。 超人の自分がこの下等人類の世で生き続けることが問題なのだ。 
密かにシャーロックにちょっかいをかけるのが唯一の生きがいとなった。ちょっかいをかけているうちに同じ異端児/超人シャーロックと自分の境遇の違いに釈然としないものも感じるようになった。
推測するにモリアーティは、やや貧しい家庭で、親には虐待、もしくはネグレクトされてきた。
親も普通でなく可愛げのない、ジム(モリアーティ)を持て余して放置した。
反面、シャーロックは異端児とはいえ、とてつもなく裕福なアッパークラスのお坊ちゃんであり、過干渉だが、愛情にあふれた親と理解者たる兄がいた。何という不条理。 それでもシャーロックも頭脳を持て余し、孤立している。やはり同志。

世の中には賢くなくとも悪人は多い。悪人どもの犯罪に力を貸したら、ひと財産などあっという間にできた。何のことはない、ヒトから金を貰わなくとも、自分の金を作ることなど簡単。 経済力はすぐに入手した。経済力を元に人を操ることも簡単にできた。ゲームは常に自分が有利だった。何しろ自分は超越した人間なのだから。

シャーロックはいつ自分の存在に気がつくだろう? そのうちに気がついた。シャーロックが持っていて、自分にはないもの。
自分は常に孤立無援でカネと脅迫で武装している。シャーロックにはなぜか彼を慕う人間がいた。無償で。
それでもシャーロックは凡人は相手にしていなかった。兄弟仲も悪そう。 
ところが、シャーロックはまるで恋人のような無二の親友を見つけてしまった。 ジョンである。異端児シャーロックを素のまま受け入れ、理解し、崇めてまでいるではないか。おまけに社会性を身に着けさせようとし、それなりに功をなしている。明らかにシャーロックは以前より幸せそうであった。

つまらない。 何故お前は凡人に迎合するのか。 二人になって楽しそうなシャーロックを見るのは不快であった。 モリアーティはもうちょっと積極的にアピールすることにする。お前もこの世界のものではないはず…と。
モリアーティは人間的感情を弱さとみなし、見下してはいるが、自分と同じ異端児のはずのシャーロックが人間的関わりや幸せを手に入れるのを見るにつけ、侮蔑と共に嫉妬も湧いてきた。見込み違いだったのか?
シャーロックが見つけた親友は、奇特にも変人シャーロックを世間に認めさせ、名声を得るのに一役買っているでないか。自分は今まで、この超人能力を全て日陰で活用してきたというのに。

納得がいかなかった。裏切られた想いであった。
一方的に同志として抱いていた親愛の情は憎しみに変わった。シャーロックの全てを貶め、この世のものではないことを知らしめ、消し去りたくなった。シャーロックに唯一の生きる楽しみをもらったというのに。(これがしつこく登場するIOUだろう)
そしてモリアーティはただひとりの同志シャーロックと共に自分が属するわけではないこの世とおさらばしたかったのだ。
もともと歪んだ人間である。シャーロックをいたぶるのに手段は選ばなかった。今度はシャーロックをいかにダメージを与えて葬るかが自分が世を去るまでの生きがいとなった。
お前もこの世に属するものではないのだ。生きているべきではない。

モリアーティの仕掛けに対して、幸いシャーロックの方から、チャンスを作ってきた。二人の対面。
シャーロックに自死を選ぶように仕向けるモリアーティ。 でなければシャーロックの愛する友人たちが危険に合う。
人間的情をとって、自死するか、自己をとって友人を見殺しにするか。

ところがシャーロックは奇策を講じる。「俺はお前だ」「お前は自分を殺すのか」と。
そう、シャーロックにやっと気付いてももらえたのだ。 我々は同類なのだと。
もう思い残すことはない。 そして、モリアーティは死んでみせる。彼が死んだら、友人たちに仕向けられたヒットマンは任務を遂行するのみ。 結局シャーロックは死ぬ様を見せないといけなくなった。

この最終話で一番涙を誘うのは言うまでもなく、シャーロックに死なれた後のジョンである。(見てられないよ)

でも、ふと本筋それて、もう登場することのない、モリアーティの残した謎に気を取られているうちに思ったのだ。

モリアーティの死を悼む人は誰かいるのだろうか…と。 ジョンがシャーロックの死をこの上ない悲痛さで嘆くように。

『夜叉』の凛を常に見守っている幼馴染の番犬、タケルがいたように、ジム・モリアーティにもだれか本気で涙を流してくれる人がいてくれますように・・・と祈ってしまった。




2015.12.04  追記
なんと! 狂人モリアーティを演じたアンドリュー・スコット、SPECTRE(24本目の007映画)に登場します!(こちら

2012年3月20日火曜日

シャーロック Sherlock のオープニング?

この一か月くらい、気になって気になってしょうがないことがあるのです。

東京メトロの電車発車の合図が刷新されているようで、駅ごと、ホームごとに発車前の音楽が違うものになりました。
ところで、丸の内線、新中野駅の池袋方向に向かう電車の「ドアが閉まります」前の音楽が
シャーロック(Sherlock)のオープニングのパクリのように聴こえてしょうがないのです。
ラッシュの時間帯は以前の単純な電子音のまま。 ラッシュアワー以外の時間帯はこの音楽が鳴るようです。

アナログなので各種機器扱い、編集の出来ない私。

音声だけを録音するような器用なことができないので(泣)  携帯の動画におさめてみました。
0:08からです。  うちの子供のイタズラのような動画ですが。(大人の撮ったものとは思えませんね。)



どうしてもシャーロックのテーマに聴こえるのです・・・この音が。 毎回ドキッとしています。

駅の発車サインの電子音まで、シャーロックのテーマに聞こえるのは、私の幻聴?
中毒症状ももはやここまで・・・。
いやこのところ忙し過ぎるのがたたっているのかしら。
リピート見も滞りがち、TTSSに至ってはまだ観ていないのですもん(涙)

2012年2月21日火曜日

Sherlock S2 それでもさわがずにいられない。

何故? 
シャーロックってどうしてもリピート見に走ってしまいます。
ベネさん(Benedict Cumberbatch)の美声にうっとり聞き惚れていることだけが理由でもなさそう。
謎解きや伏線がいっぱい有りすぎて、回数重ねるごとに、気づくことがあるのが楽しいから?
ほとんど中毒、立派なジャンキーです。

S1のDVDは友達に貸してまだ帰ってこないので、しばらく落ち着いていたけど、S2が届いたらまたどっぷり。まずい・・・。
一緒に届いたTTSS観ようと思っても、結局リピートを優先する執着ぶり。 TTSS映画公開前に見なかったらオオバカよね。

S2EP1の感想。
注意!! 未見で楽しみを後にとっておきたい人は読まない方がいいです。私の感想なんで、あほか!
ちがうじゃん!ってことになることもあり得ますが、保証もないので。

ドキドキのS1最後の再現から始まり、緊張感も最高潮に高まったところに携帯の着信音が…。
これがなんとビージーズのStayin'Alive.  70年代(?)のヒット曲。 思いっきり脱力~。
今の時代じゃこの曲聞いたことない方もいるかも? 私が小学生の時、なんか流行ってましたよ、この曲。
うぅーっ(-.-) 頭の片隅に、ITのゲイ男、ジムが曲に合わせて踊る姿が浮かんでしまい、ブキミなモリアーティの
にらみ顔を目の前に笑うに笑えず・・・困惑。 
誰の趣味よぉ、こんな曲!とヒクヒクしてたのですが、後々への伏線としてちゃんと意味がありました。
ただの中高年向け(失礼?)、受け狙いの笑いとりじゃなかったんですね。

クラシックな様相でエレガントに登場するアイリーン・アドラー。
S1の最初でシャーロックは死体に鞭打ってましたが、今度は鞭打たれる側に。こういう構成がとっても楽しい。 
S3EP1でも鞭が登場? 今度は誰が鞭打たれるのでしょう?
こういう系統のおねーさんなら、もっと低めの声で話す女性の方がしっくり来る気がしました。昔のレナ・オリンみたいな。 

シャーロックもついに(平均的な)恋愛にめざめるのか?! みたいな前触れをたくさん見かけましたが、
目覚めませんでしたね。 相変わらずジョンの方が優先順位高いし。 
でも、シャーロックって自分を思ってくれている人は切り捨てられないし、きっちり守る。 優しいのね、実は。

ちなみに全く続かないジョンの恋愛(未満)関係の原因は、巨大こぶ、シャーロックの存在だけではないと気が付きました。 

すっぽんぽんの女性を前にシャーロックとジョンのどちらの対応がスマートか、言うまでもありません。
『経験ないかも?』と言われ続けているシャーロックに負けてるようじゃ・・・彼女はできないよ(笑)
いい人なのにね~、ジョンって。

アイリーン・アドラー、私には天晴れ感よりも、痛々しく見えちゃったなぁ。

どうして彼女はあえて悪質な手で身の安全を図らないといけないのだろう? 性悪女が趣味と実益を兼ねただけの
行動にしては、保険としての心理的脅迫にこだわり過ぎ。そうせざるを得ない背景は何?
自分の身の安泰なら、つまんない奴でも、誰も手出しできなそうな、権力と富を持ち合わせてる男と結婚し、
ウラで愛人複数作ってぺろりと舌を出してることぐらい、彼女の頭脳なら、容易いはず。
別に死にいそぐ様子ではなく、薄氷の上を歩くようなリスクを冒してまでの、権力ゲームのスリルに
憑りつかれるほど浮かれてもいないし、ベストチョイスじゃないことくらい判るはず。

アイリーンって人間不信の上に、オトコ嫌いで男を憎んでるフェミニストに見えます。(ゲイだって言ってたなー)
だから、性的にはノーリスク、頭脳ゲームの相手には最高!なシャーロックに想いが募ってしまったんだろうなぁ。

セックスを権力ゲームの手段としてしか考えてないアイリーンと、興味の範疇外として関与しないシャーロック。 
どちらも、恋愛バージン。

アイリーンに利用されたシャーロック。 『あなたはもういいの』と兄さんの方に、向かれた時は動揺しただろうけど。
それでも涙を浮かべて、救いを求める彼女は見切れない。 ましてや、うかつにも自分に想いを寄せたせいで、
全てを無に帰してしまったわけだし。

シャーロックって実は優しい。冷血な機械男どころか、とっても優しい。
シャーロックのおかげでアイリーンもちょっとは人間不信が治って無事第二の人生を歩めるといいね。

ジョン+シャーロックのコンビに萌える人々を裏切ることなく話は終わったけど、実はちょっと、
シャーロック脱がせてほしかったと言う、ヨコシマなザンネン感は大いにあります。 
だって、兄さんがはぎ取りかけた時(いい年こいた大人が情けない)、いいカラダしてんなーと思わず注視。(あ-やらしい)
アイリーンがもうちょっと積極的にシャーロック落とすのに頭脳ゲーム以上に踏み出してくれててもいいのに。
期待したのに、ナニも有りませんでしたね。

ありがちですが(私の場合ね)、最後にもまた妄想入って、勘違いしてました。
(エピ最後の話なので、S2未見の方は読まない方がいいですよー。)

妄想① 【 】内は妄想+勘違い
アイリーンがテロリストの手にかかって死んだ。
【あぁっ!モリアーティに仕組まれて殺されたのねー、S1Ep2の中国人女性のようにー】 
それをシャーロックにどう伝えるか真剣に悲痛な面持ちで悩むジョンとマイクロフト兄さん。
可愛い弟を悲しませるのに忍びない兄さんは、ジョンにうまく伝えてくれと言って帰ってしまいます。
ずるいなぁ、兄さん、嫌なことはジョンに押しつけて。 ジョンがシャーロックにうまく嘘つけるわけなんかないじゃない。
さりげなく、「あのあと彼女からなんか言って来たか?」と聞くジョン。そのシャーロックの返事で、
【シャーロックはもう知ってるんだ!彼女からさよならメールが来た時点で全て察してたんだ!それなのに平然として見せる意地っ張りなシャーロック。 かわいそうに。涙 】
その後、あやしい暗がりでシャーロックが彼女を救出するシーンが。
【シャーロックの幻想?妄想? そうやって、気持ちに整理をつけたのね。哀し過ぎるよー、
泣いたっていいんだよぉ。 涙。 ひとりで耐え忍んでるなんて。涙、涙 】

ところがですね~、某掲示板で、シャーロックは一体どうやって彼女を助ける事ができたのかって、大論争が。 
おまけにその結末はコメンタリーできっちり断言されてるのだと。 え~? そうなの? だったら・・・。

妄想②
【どうやってってこれ、兄さんにまたもや負けちゃって、おまけに叱られたシャーロックが、シャクだからアイリーン逃亡手伝って、兄さん向けに、でっち上げの『カラチでテロリストにより殺害』情報を流したんじゃないの? でっちあげだから、何故、アイリーンがソコに居て、シャーロックが都合よく助けに行けたなんて関係ナシ。 そしてシャーロックは兄さんには次のゲームで勝ったんだね、グッジョブ! 】

これはかなりいい線というか、らしいよね♪…とも思ったのですが。

正解③ 2回目に見てやっと納得。
ブツが無くなったら、半年として生き延びられないと言っていたアイリーンは早々にテロリストの手に落ちます。
政府筋の情報ではカラチで断頭されたと。 兄さんとジョンはシャーロックにどう伝えたものか相談。伝達係はジョン。
カラチにて怪しい男たちがわさわさ騒ぐ中に黒装束に髪も覆ったアイリーンが。
さよならメールをシャーロックに送って覚悟を決めて目を閉じるアイリーン。
そこへ、あぁん・・・と着信音が!(←これがミソなのね、気づかなかった) 驚いて振り返ると変装したシャーロックが!
「合図をしたら走れ」とサーベルを振りまわすシャーロック。 実は武闘家。 テロリスト達を蹴散らすのなんて朝飯前。
スーパーヒーロー参上!!

…ということで、シャーロックは無事アイリーンが公的に死亡したことにされ、もう、彼女を追う人間は
誰もいなくなったことを確かめて、むふふっと事の顛末を思い出していたのでした。

私の妄想の原因はジョンとマイクロフト兄さんの余りにもシリアスに、真剣にシャーロックを気遣っている様子に
すっかりだまされたからだとも思います。 ここは、このお二方の名演技のせいよね。
ジョンってシャーロックの気持ちに寄り添うかのように、シャーロックのために悲しみを呑んでいたり、怒るときって、
ほれぼれするほど、とっても美しく見えます。 不思議。 あんまり美しいって形容詞が適してるタイプではないと
思うのだけど、マーティン・フリーマンがすごいのね。

↑の結末正解にたどり着くまで、一人妄想のローラーコースター状態。

制作側はシリアスに落ち込ませるドラマじゃなく、エンタメを提供してるんだもんね。
あんまり細かいこと考えない方が心臓にも脳ミソにもいいということがよく分かりました。
これからはベネさん美声の堪能に徹します。 まだリピート見する気は満々♪

2012年2月20日月曜日

The principles of Lust 執念(?)でみちゃった。その1

ユーチューブでちら見して、観てみたいな~と思っていたThe Principles of Lust.
さほど評価の高い映画ではなさそうですが、10年くらい前?のマーク Marc Warren はキレイでした。
私が見たちょっとしたダイジェストっぽいのがコレです→。

アマゾンUKではすでに絶版なのか、国外発送してくれない出展者品のみ。 ふと思い立ってみてみたら・・・
独アマの方で買えました、コレ。 注意書きで『ドイツ語はついてません(←いりません)』とある、オーストラリア版。 
発売古いから字幕一切ナシ。 リージョン4(なんてあったのね)。

『〇〇祭り』でこの映画やってくれないかなぁ~なんて思っていたけど、有り得ないですね、コレじゃ。 
初っ端からフルヌードの 若い男(Alec Newman)が水槽でもがいてるんだもん。
いえ、まぁ、綺麗なヌードですから、芸術的と言えなくもないですが、モロだしは不可ですよね。

ライター志望のヘタレ男が、美しい運命の女(バツイチ子持ち)に巡り合い、彼女との関係を 深めていく中で、人生観、覆えされるような激しい男に出会い、双方との関係を両立させようともがくうちに、自分自身を取り戻していく…といった話です。

タイトルが示すように、性と欲望がテーマとして重要度を占めています。 そんな映画はたくさんありますが、絶版でもしょうがないか・・・なくらい、ちと悪趣味。 オマケに、全然そそられないのです。なぜ?

途中、アレッと、注視してしまったのは、人生観語りに使われている一冊の本。

The Story Of  the I : Unauthorised biography of Georges Bataille

 えっ? ジョルジュ・バタイユ? もしかして『眼球譚』のこと? それなら The story of the Eye  のはずよね。

ちなみに出てきた本↑は検索してみたけど全くヒットせず、映画中の架空のモノだったのかもしれません。 ただし、話の中の乱交パーティ、暴力とセックスはどうやら、バタイユへのオマージュとして含まれていたかのようです。

ですが・・・。

この本が登場する後半近くまで、バタイユなんて、かけらも思い浮かべませんでした。 
『眼球譚』は私が高校生の頃の愛読書。 最もマーク・アーモンドが、ソフトセル解散させたあとの、Marc Almond & The Mambas にはまっていて、影響されて読んだだけのミーハー(死語?)な愛読でした。 (遠い目)

『眼球譚』は、16歳の少女とその幼馴染が、情欲と性欲に溺れ、人の道から外れて行ってしまう話なのですが、
とっても熱いんです。 実写で見せられたら、かなり当惑するとは思うけど、狂おしいほどの歪んだ情熱や
残酷なほてりが伝わってくる熱い熱い小説です。

でも、そんな感覚、この映画じゃ全く感じなかった。

『眼球譚』で主人公たちが欲情するのは闘牛ですが、それに相当するらしい(?)のが、子供の拳闘(フィストファイト)。 
今時こんなもの虐待で逮捕されると思うんですが、10歳前後の子供に、親がけしかけて素手で血みどろのケンカさせる。 
何やってもオッケーで、どっちが勝つか賭けるのです。

同じ残酷さでも、思春期の少年少女の大人になる過程での、自制しきれない残酷な狂気と、大人が無慈悲に子供を利用し虐待する残酷さって全く趣が違います。 
どちらかというと『闇の子供たち』(映画じゃなくて原作のほう)を思いだして、気分が悪くなっちゃうんですよね。

全然、エロティックなゾクゾク感とか、高揚感がないのです。 いかにも…なタイトルに反して。
ストリップショーは品がないだけだし、乱交パーティだって別に楽しそうに見えないし。なんていうのか、ムリしてるな~って感じ。

唯一身を乗り出しちゃたのが、↑の怪しげなジョルジュ・バタイユ本の登場。
バタイユだって、『眼球譚』だって、もう遠い昔の思い出になってしまったので、ここで蘇らせてもらったのは
懐かしくってちょっとうれしい。(これがなかったらこの映画への個人的評価は底辺。)
すっごい昔に友達に貸したまま、戻ってきていない、この装丁本、思わず買いなおしてしまいましたわ。

マーク演じるビリーという青年は、クスリも乱交も博打もなんでも来い!どころか、敢えて飛び込んでいく、ハチャメチャ男。 このジョルジュ・バタイユのパクリ本(?)らしい Story of the I を見習いワイルドな人生を送ろうとしてる。 
実在してるかも不明なこのパクリ本。 あの、BoBインタビューの様子から見ても、マークは本人はわざわざ読みそうにないし、読書家でもなさそうな彼は、ジョルジュ・バタイユなんて名前も、知らないじゃないかなぁ~と思いながら。

マーク・ウォレンは怪演してますよ、もちろんキョーレツに。 (やっぱりすさまじいです、この人は)
でもそれだけで★いっぱいつけるには映画自体に惹きこまれなさすぎて。 
登場人物はみなそれぞれに美形さんたちですが…。 

それにしてもマーク君!ダニー・ブルーもそうだけど、札束を掴んでいるのが、なんて下品に似合っているのでしょう。 (それもピン札ではなく、しわしわのお札の束)
こんなにいかにも怪しげなカネ掴んでいるのが似合う人って他にいないと思います。

だんだんコレクションと呼んでもいいんじゃないかって様相になってきたMarc Warren 出演作の一つとして、こんなのもあるよ~ということにしておきましょう。

この映画は映倫上、まず国内で放映されることはないでしょうね。 イギリスでは別の意味で、よく通ったなぁ・・・と思います。 
だって日本ではOKの『時計仕掛けのオレンジ』や『愛の嵐』が長年NGだったお国なんですよ。 
明らかにB級映画なのと、出来が良いわけでもないから(失礼!)、チェックが緩かったのかしら。

2012年2月13日月曜日

シャーロック Sherlock S2 とりあえず一回め視聴完了

と言っても、合間あいまに一気に観ただけなので、かなり欲求不満。やっぱりきちんと通して観たい。
なんか観たうちに入らない気分も (-.-)  でも、待てなかったんだもん。

それにしても、いろいろな意味で、完成度の高さというか、話の展開のドキドキ度も、音響もカメラワークも
素晴らしくって、製作された方々にうんっと、うんっと大きな拍手を送りたい気分。

おおざっぱな感想は:

★ シャーロックのサイボーグ感が減った・・・・というかとっても人間らしくなっちゃって。 
ジョンの躾が効果を・・・いや、良い影響を受けた? S1でのメタリックなシャーロックよりも、パイロット版シャーロックのその後と言った感じ。 あれだけ傲慢だったシャーロックが(と言っても傲慢にジョンをこき使うところは変わらないけど)
ジョンの機嫌とったりする。すっごい進歩進歩。ちゃんと謝れるようにもなったし。(^^)

★ ブロマンス要素を狙ってるようですが、ジョンとシャーロックは共謀してイタズラをする少年のようです。
(ほら、ひとんちのブザー鳴らして走って逃げるようなガキ) じゃれてるようにしか見えず、かわいい。 
一緒に子供返りをしているジョンはとっても楽しそうで、微笑ましい限り。

★ ハドソンさんは完全にお母さん代わりに。 そしてBaker St.221bはアットホームで楽しそう。

★ ジョン命!(?)のはずのシャーロックを惑わすアイリーン・アドラー登場でゲイティス&モファットに『裏切られた!』と
憤る方々を見かけましたが、これなら、全然裏切ってないですね。 なんて賢い演出、賢いオチの付け方だろうと思いました。

★ ジョンのブログのおかげでどんどん有名人になっていく二人。 ブログに文句垂れるシャーロックに
「このブログのおかげでお前は食っていけてるんだ」というジョン。「自分のサイトがある」と反論するシャーロックに
「だれも読まないよ、240種類のたばこの灰の分析なんか」とイジワルなジョン。

・・・ S2が始まるらしいと聞いて、ジョンのブログは少し前に読みました。
でも、シャーロックのScience of Deduction、一度も見てない、確かに。(←ひどい。でもみんなそう?)

そこで、シャーロックのScience of Deduction(BBC製作)を見てみたら、『たばこの灰の分析Analysis of Tabacco Ash』が
DELETED!! と削除済みになっていました。 ジョンに言われてイジケたから? いや、消される前にはちゃんと存在してたのでしょうか? どんな分析だったか余計に見たくなるじゃない!! あ゛-!!!

★ モリアーティ、S1の時にはややチンケな感じがしたのですが、とんでもない! 
演じるアンドリュー・スコットAndrew Scottのポイントが大きく跳ね上がってしまいました。コワすぎます。 
こんなとてつもないサイコをよくぞここまで怪演してくれました。 素晴らしいです。 あまりの異常さに、
久々にゾワゾワしてしまいました。 凄いわっ。 BoBの、化けて出そうな顔で死んだ兵士しか覚えてなくて失礼しましたぁ。

★ 言葉の謎解きが増えてます。ストーカー モリアーティの『借り』っていったい何なのでしょう? 
わからないままに終わってしまい、気になってしょうがありません。異常さについていけてないだけなのかしら?

★ あえて文句をつけるなら、モリアーティとシャーロックの対決シーン、Andrew Scott映す、カメラショットの角度、
もうちょっと何とかならなかったのでしょうか。 どアップの顔の、おでこの途中で切れてるから、ビジュアル的に、
その切れた先のおでこがそのままびょーんと伸びた、エイリアン的物体が勝手に思い浮かんでしまい、気が散るのです。
真剣勝負のさなかに不謹慎ですが・・・。

★ それにしても、S3もあることだし(ですよね?)、あちこちで見聞きして続きは知っているのだけど・・・。

お願い!! 早くジョンをシャーロックに会わせてやってー!!

と絶叫したくなりました。

一人ぼっちに戻ってしまったジョンがあまりにも悲しそうで、辛そうで、見ていられません。
あの一番最初にジョンがひとりぽつねんとBed&Sitらしい部屋にいるときと同じ音楽(ジョンのテーマなのでしょうね) 
あの最初の時も何気に涙を誘うほど、ひりひりとした淋しさが突き刺さってくる感じだったけど、もう、今回は辛すぎます。
最初の比ではありません。その後をわかっていても泣けてきますよ。 18ケ月の冒険で、命を吹きこまれたかのような
ジョン。 それなのに、いきなりまた孤独に突き落とされるなんて。 ずーっと一人ぼっちのままより辛いでしょ。 
ほら、一度温かみを知ってしまうと、その後は以前と同じでも冷たさが堪えるじゃないですか。

最後のシャーロックに語りかけるジョンの姿は悲しすぎます。 喪失感と悲しみにこっちが呑まれてしまいます。

S1の時の「こ、ここで終わるかぁーっ!」状態で放っておかれるよりも、気が狂いそうです。 
だから、S3製作を繰り上げて欲しいです。 誰か! ジョンを助けてやってー!! (涙)

・・・うるさくって、スミマセン。
次回はもうちょっとマシな考察でも上げます。 もうちょっときちんと観てからね。

2012年2月7日火曜日

ついに到着!シャーロックSherlock S2 + 裏切りのサーカスTinker Tailor Soldier Spy

やっと来ました! アマゾンUKの発送しましたメールの予定通り、本日(2/6)着。
シャーロック S2とTinker Tailor Soldier Spy. 

ちょっと早めに着かないかなぁ~と思ったけど、今回はとっても正確でした。
おかげさまで、今週末まで観れません。(涙) 今は一番の繁忙期。 睡眠時間削ったら・・・どころか、
体力温存のために、めったとない早寝を心がけているくらいです。

なので、遅めに来てもいいんだけど…これからはまとめて発送可はやめよう。
ほら、本来、思い立ったら…、もう辛抱のないヒトなので、余裕こいて冷静ぶったら、後悔することがよぉ~く、わかりました。
観るのは後まわしでも、手元にあるだけで、いつでも観れる!と思うと、やっぱりうれしいものね♪
この週末は、べネさんの美声の感動を共有してくれない、子供をいかに早く寝かせるかが勝負です!!

2012年1月27日金曜日

Mad Dogs マジョルカの罠 S2 放映中・・・のようです。

今月は忙しくて、何も観ていません。
でも先程ちょっと息抜きにimdb見ていたら・・・、あら、Mad Dogs S2 は本国放送始まってるのね。
S2 Ep.1はストーリーラインが書き込まれていました。 うん?? 何々?

S1 最後でクインを残して空港に向かった残りの3人。 拳銃を手にしたドミニクがヴィラにやってきて、クィン危うし!?

ってところで終わっていたのは確かですが・・・

なんと3人は車で戻ってきてドミニクを車で轢き殺し(ひぇ~!!) クインを助けたそうです。 
そしてまたもや4人は新たなハプニングへ…ということのようですが・・・。

細かくて悪いけど、私ははっきり覚えています。 電気が通っていないはずの家の、緑の外門が、自動で開閉したのを。 

車を外に止めたドミニクが、開いた自動扉を悠々と拳銃を取り出しながら歩いて入り、その後ろで自動扉が
閉じていく様子もはっきりと。

どうやって、外門を通り、後ろからドミニクに追突したのでしょう? それも気づかれずに!! 
轢き殺そうとおもったら、スピードもスペースもいるはず…。

もはや私が一番気になるのは、4人の俳優さんが一年経過しても同じ容貌のままなのか…と
いうことくらいになってきました。 

お話は、まぁ、どうでもいいかもしれません。
何時放映されるのかなぁ、こっちは。

2012年1月5日木曜日

No Night Is Too Long  マーク・ウォレン(Marc Warren)

友人がPCを買い替え、なんでも見れる環境がやっと揃ったそうです。
で、何か貸そうか…と聞いたら、即リクエストが来たのがコレ。
No Night Is Too Long 彼女はマーク・ウォレンもリー・ウィリアムズもピンと来ないらしいけど、
コレは観てみたいそうです。  『華麗なるペテン師たち』再放送しまくってんだから、マーク君くらい知ってて欲しいわ。
いや、〇十年前の少女はこーいうの好きなんだよね、やっぱ。 流行っていたし。
今では『腐女子』というんですね。 私の少女時代はそんな言葉ありませんでした。(笑)

もともと、2003年制作のBBCのTV映画ですが、BBCはDVD化せず、版権の問い合わせも無視、フランスのゲイポルノ販売してる会社(としか思えない宣伝広告付)がDVD出してます。仏アマでなら購入可。
とっても目の保養になる美しい映画です。ホント。 (↑有名な?エレベーターキス)

映画は打ちひしがれた涙目の美青年ティム(Lee Williams)のモノローグから始まります。
大学生だった彼はその美貌のおかげでモテモテ。 
来るものは拒まず、複数のGFと楽しくキャンパスライフを送っていました。

ある晩、GFといちゃつく彼は2階の窓から自分を見下ろす男に気が付きます。 以降、彼はこの男を大学のあちこちで見かけるようになるのです。 男が気になってしょうがないティムはある日、男を追いかけて閉まりかけたエレベーターに飛び乗ります。

他の人が皆降りてしまって二人きりになった時、男はティムにキスをして、立ち去ってしまいました。 ティムは構内を探し、男のオフイスにたどり着きます。 男はアイヴォ・ステッドマン(Marc Warren)、大学で教鞭をとる古代生物学博士。 
なぜ自分を見張るのかと絡んでみたものの、そっけなく、相手にされず、『良いクリスマスを』で帰されてしまいます。

クリスマスに実家に帰ったものの、その前に父が他界。 残された母は茫然自失のバラバラ家庭で、孤独なティムは男のことを考えています。 聖歌隊にいた子供のころから、その美貌で先輩たちのアイドル。彼に好意を寄せる少年(男)なんて珍しくなかったのです。
呼び鈴が鳴り、ドアを開けるとなんとアイヴォが! 二人で大晦日から乱痴気騒ぎ。ティムの生活は一気にエキサイティングに。 大学が始まっても、アイヴォの所に入りびたり。 我儘なお嬢ちゃん、ティムは「いつも一緒にいてくれなきゃやだ」とごねますが、大人には仕事も責任もあるのです。

イースターは実家で一人でぽつんと過ごしたティム。次の夏休みはアイヴォと一緒に過ごそうとするのですが、アイヴォは毎夏、講義でアラスカ行きが決まってます。 ぎゃんぎゃんごねまくるティム(嫌なコだね~)を宥めようと、アイヴォは禁句を発してしまいます。
「愛している」と。
す~っとシラケていくティム。 ティムは昔から、「愛している」なんていわれるとスーッと覚めてしまうのでした。
可愛いティムの我儘を聞いて、アラスカに連れて行く準備をしているアイヴォ。 しかし、冷めたティムとの関係はギクシャクし始めます。 旅行前には「アイヴォとアラスカに行きたくなんかなかった」とほざくティム。でも、アイヴォには言えない。
アラスカに着いたものの、アイヴォに緊急で代替講義の仕事が入り、一人ホテルでお留守番。
ふてくされてバーで飲むティムの目に金髪碧眼の女性が映ります。 彼女が本を忘れて行ってしまったのを良いことに、翌朝しっかり、彼女に案内してもらうことを取り付けるティム。
彼女、イザベルは病気の友人の見舞に来ている既婚女性。 アイヴォから熱烈な手紙が毎日届くのも無視して、イザベルにご執心、 彼女に生まれて初めてのラヴレターまで書いてしまいます。
ティムの熱意にほだされて関係を持つイザベル。でもイザベルはこのことは誰にも言わないようにと約束させます。
ついて行きたいと食らいつくティムを突き放して、バンクーバーに帰ってしまうイザベル。 ティムはすることもなく飲んだくれているうちにアイヴォが戻ります。 次の講義がある化石発見離島クルーズはティムも同行する予定。 でもティムはもう、アイヴォには触られたくもなくなっています。(勝手だなぁ)
クルーズ途中でアイヴォを部屋から閉め出し、別れを切り出すティム。 アイヴォは納得しません。
離島でケンカになり、アイヴォを突き飛ばすティム。頭から血を流し、意識を失っているアイヴォを殺したと思ってそのまま放置、離島に置き去りにして帰ってしまいます。 アイヴォのお金を盗み、バッグは捨て、アイヴォのことはなかったことにして、イザベルと一緒になるために、バンクーバーへ。
でも、イザベルの居所がわからず、路頭に迷ってヤク中の男に拾われます。一晩の宿とともに男と関係を持つのです。
翌朝、バスの中にイザベルを見かけたと思って追うものの、追いつけず、失意のうちに帰国。
一方、イザベルは、出て行ったはずの夫が女に追い出され、戻ってきていました。 もう、4回目の出来事。
倦怠と疲労ただようイザベルは、可愛いティムからのラヴレターが秘かな心の支え。 そこにティムを探しにアイヴォがやってきます。 アイヴォは不審に思った同僚が探索してくれたおかげで無事帰還。 イザベルはアイヴォが自分の不在中にティムを見張るように頼んでおいた姉だったのです。
ティムを寝取ったイザベルに、「信用していたのに!」と掴みかかり、泣き崩れてイザベルを責めるアイヴォ。 イザベルの浮気は彼女の不実な夫にも知れることとなってしまいました。
そこから一年ほどが過ぎた英国。ティムは実家で引きこもりのような生活をしています。母親は施設に入り、一人暮らし。せっせとお金を貯めて隠しています。 ティムのもとには毎週、差出人不明の、不穏な手紙が届きます。 アイヴォの幽霊も見えます。
ある日呼び鈴が鳴り、立っていたのは、ティムがバンクーバーで関係を持ったヤク中男のティエリ。 放浪の旅に出て、ティムの居場所にたどり着いたようです。以前の恩義があるので、一応、泊めてあげますが、自分の部屋も貴重品のある部屋も全部鍵をかけておくティム。 翌朝、ティエリは姿を消しています。
夜コンサートに出かけたものの、アイヴォを見かけたと思って青ざめたところに昔ティムに熱を上げていた聖歌隊の先輩に遭遇。弁護士になった先輩は美しい妻連れ。先輩に何をしているのか聞かれて、思わず「古代生物学」と答えるティム。先輩が立ち去った後、やはりアイヴォの姿があり、おびえたティムは走り出します。 でもアイヴォの影は着いてくる。
追い詰められたティムの目の前にいたのは、幽霊ではなく本物のアイヴォ。 
アイヴォを家に招きお茶を出すティム。 あの事件から一年。 アイヴォもすっかり落ち着いています。
外は大雨になったので、ティムはかつてアイヴォが自分のために買ってくれたパーカーに貯めたお金をこっそり入れて着せて帰します。
大雨の中、ホテルに戻る途中、アイヴォは後ろから何者かに刺され、絶命。 殺人事件となり、ティムも事情聴取されます。 
一年前に殺したと思ったアイヴォが生きていたと知ったとたん、本当に殺されてしまったのです。 混乱したティムは弁護士の先輩を頼り、涙ながらにアイヴォとの出会い、情事、別れを語ります。

主役ティムを演じるリー・ウィリアムズ、ホントにカワイ子ちゃんです。エメラルド色の瞳の美しいことったら。 
でもすっごく性格悪い、ヤな子なんですよね。こんな女(男ですが)嫌いだな~って感じの。うざいですよ、いくら可愛くっても。 
すっげぇ性悪女(男)。 ところが、最後にはこの身勝手な子が、身勝手にさめざめと泣き崩れているのに、もらい泣きしちゃうんですよね、なんか。 バカな子だね~って。
いや、自分がどーしたいのかよくわからず混乱してる若者をすっごく、うまく演じてますよ、リー君。

そして、相方アイヴォがマーク・ウォレンなのですが、これもまた、こんなにきれいだったんだってビックリするくらい、美しいんですよね。 真面目にしたら(!)こんなに?みたいな。

いや、美形だとは思っていたけど、血みどろになってたり、すさまじい怪優って感じだったので、こんなにまともに美しかったのかと・・・。 それにしても、イザベルに掴みかかって大泣きする姿は凄過ぎ。 真っ赤になって、滝のように涙をこぼしてるんですよ。迫力あり過ぎて演技とは思えないです~。 感情移入がスゴすぎます。 

またとない美しいカップルです。 映画自体が耽美的に、風景もBGMもとても美しく撮られているのです。 
にしてもこんなにピッタリはまる役者を良く選んだなぁ~と感心します。 で、また二人とも顔だけでなく迫真度が有り過ぎて・・・。
弟の恋人を寝取るイザベルもまた、マークとよく似た感じの女優さん。髪の色、目の色も同じ。デカダンスな雰囲気までそっくり。
こんなの見つけちゃった!
三つ巴? イザベル ‐ ティム - アイヴォ 

原作『長い夜の果てに』とは、エンディングが違うそうですが(未読です)、この映画の展開だけでいえば、このティム君の10年後くらいの回顧録とかに興味があります。
さんざん、『愛してるのはイザベルだけ』と言っている割には、ずっとアイヴォの写真は隠し持っているし、吸ってなかったタバコを始めれば、アイヴォと同じ、キザなタバコ(キスが恋しい?)。 タバコの持ち方までアイヴォそっくり。

離島でのケンカ中にアイヴォが『おまえは自分が何が欲しいのか判っていない』とティムに言うのですが、まさにそのとーり。 
イザベルは、アイヴォの姉だしそっくり、代替としか思えません。 結局、アイヴォを愛してたのに、『愛してる』と言われて勝手にしらけて、大事なものを失っちゃって、傷ついてるんですよね。 このおバカな子はいつかそれに気づくのだろうかと。

あと、弁護士の聖歌隊先輩が、一連の話を聞かされて、そそられちゃってるんですよね。
涙目ティムが『自分が愛したのはイザベルだけ』と言って『がっかりさせた?』と言うので、???と思ったのですが、最後に聖歌隊でティムに熱を上げていた先輩が聞き手だったと判明。 あ、そーいう意味だったのかと。
それにしても、先輩は涙目のティムには拒否されて触らせてももらえないのですが、あんな、ゴージャスな美人妻がいて(しかも新婚)、おいおい、それはないだろう…と。 
いや、それくらいきれいなコなのは確かなんですが。

マーク・ウォレン『華麗なるペテン師たち』出演前の映画ですが、マークファンの方にはぜひお見せしたい一品です。 
仏アマでなら買えるので、ファンの方、頑張って見てください。
(マルチか国際規格のPCでのみ、再生可ですので、ご注意を。)
販売会社の広告が恥ずかし過ぎて卒倒モノですが、それくらい目をつぶる価値はありますよ~。(笑)