2012年2月20日月曜日

The principles of Lust 執念(?)でみちゃった。その1

ユーチューブでちら見して、観てみたいな~と思っていたThe Principles of Lust.
さほど評価の高い映画ではなさそうですが、10年くらい前?のマーク Marc Warren はキレイでした。
私が見たちょっとしたダイジェストっぽいのがコレです→。

アマゾンUKではすでに絶版なのか、国外発送してくれない出展者品のみ。 ふと思い立ってみてみたら・・・
独アマの方で買えました、コレ。 注意書きで『ドイツ語はついてません(←いりません)』とある、オーストラリア版。 
発売古いから字幕一切ナシ。 リージョン4(なんてあったのね)。

『〇〇祭り』でこの映画やってくれないかなぁ~なんて思っていたけど、有り得ないですね、コレじゃ。 
初っ端からフルヌードの 若い男(Alec Newman)が水槽でもがいてるんだもん。
いえ、まぁ、綺麗なヌードですから、芸術的と言えなくもないですが、モロだしは不可ですよね。

ライター志望のヘタレ男が、美しい運命の女(バツイチ子持ち)に巡り合い、彼女との関係を 深めていく中で、人生観、覆えされるような激しい男に出会い、双方との関係を両立させようともがくうちに、自分自身を取り戻していく…といった話です。

タイトルが示すように、性と欲望がテーマとして重要度を占めています。 そんな映画はたくさんありますが、絶版でもしょうがないか・・・なくらい、ちと悪趣味。 オマケに、全然そそられないのです。なぜ?

途中、アレッと、注視してしまったのは、人生観語りに使われている一冊の本。

The Story Of  the I : Unauthorised biography of Georges Bataille

 えっ? ジョルジュ・バタイユ? もしかして『眼球譚』のこと? それなら The story of the Eye  のはずよね。

ちなみに出てきた本↑は検索してみたけど全くヒットせず、映画中の架空のモノだったのかもしれません。 ただし、話の中の乱交パーティ、暴力とセックスはどうやら、バタイユへのオマージュとして含まれていたかのようです。

ですが・・・。

この本が登場する後半近くまで、バタイユなんて、かけらも思い浮かべませんでした。 
『眼球譚』は私が高校生の頃の愛読書。 最もマーク・アーモンドが、ソフトセル解散させたあとの、Marc Almond & The Mambas にはまっていて、影響されて読んだだけのミーハー(死語?)な愛読でした。 (遠い目)

『眼球譚』は、16歳の少女とその幼馴染が、情欲と性欲に溺れ、人の道から外れて行ってしまう話なのですが、
とっても熱いんです。 実写で見せられたら、かなり当惑するとは思うけど、狂おしいほどの歪んだ情熱や
残酷なほてりが伝わってくる熱い熱い小説です。

でも、そんな感覚、この映画じゃ全く感じなかった。

『眼球譚』で主人公たちが欲情するのは闘牛ですが、それに相当するらしい(?)のが、子供の拳闘(フィストファイト)。 
今時こんなもの虐待で逮捕されると思うんですが、10歳前後の子供に、親がけしかけて素手で血みどろのケンカさせる。 
何やってもオッケーで、どっちが勝つか賭けるのです。

同じ残酷さでも、思春期の少年少女の大人になる過程での、自制しきれない残酷な狂気と、大人が無慈悲に子供を利用し虐待する残酷さって全く趣が違います。 
どちらかというと『闇の子供たち』(映画じゃなくて原作のほう)を思いだして、気分が悪くなっちゃうんですよね。

全然、エロティックなゾクゾク感とか、高揚感がないのです。 いかにも…なタイトルに反して。
ストリップショーは品がないだけだし、乱交パーティだって別に楽しそうに見えないし。なんていうのか、ムリしてるな~って感じ。

唯一身を乗り出しちゃたのが、↑の怪しげなジョルジュ・バタイユ本の登場。
バタイユだって、『眼球譚』だって、もう遠い昔の思い出になってしまったので、ここで蘇らせてもらったのは
懐かしくってちょっとうれしい。(これがなかったらこの映画への個人的評価は底辺。)
すっごい昔に友達に貸したまま、戻ってきていない、この装丁本、思わず買いなおしてしまいましたわ。

マーク演じるビリーという青年は、クスリも乱交も博打もなんでも来い!どころか、敢えて飛び込んでいく、ハチャメチャ男。 このジョルジュ・バタイユのパクリ本(?)らしい Story of the I を見習いワイルドな人生を送ろうとしてる。 
実在してるかも不明なこのパクリ本。 あの、BoBインタビューの様子から見ても、マークは本人はわざわざ読みそうにないし、読書家でもなさそうな彼は、ジョルジュ・バタイユなんて名前も、知らないじゃないかなぁ~と思いながら。

マーク・ウォレンは怪演してますよ、もちろんキョーレツに。 (やっぱりすさまじいです、この人は)
でもそれだけで★いっぱいつけるには映画自体に惹きこまれなさすぎて。 
登場人物はみなそれぞれに美形さんたちですが…。 

それにしてもマーク君!ダニー・ブルーもそうだけど、札束を掴んでいるのが、なんて下品に似合っているのでしょう。 (それもピン札ではなく、しわしわのお札の束)
こんなにいかにも怪しげなカネ掴んでいるのが似合う人って他にいないと思います。

だんだんコレクションと呼んでもいいんじゃないかって様相になってきたMarc Warren 出演作の一つとして、こんなのもあるよ~ということにしておきましょう。

この映画は映倫上、まず国内で放映されることはないでしょうね。 イギリスでは別の意味で、よく通ったなぁ・・・と思います。 
だって日本ではOKの『時計仕掛けのオレンジ』や『愛の嵐』が長年NGだったお国なんですよ。 
明らかにB級映画なのと、出来が良いわけでもないから(失礼!)、チェックが緩かったのかしら。

0 件のコメント:

コメントを投稿