2015年11月5日木曜日

コードネームU.N.C.L.E. 初見感想。 試写会行きました。


コードネームアンクル、試写会行ってきました。

面白かった。

ただ本国公開直前追込みトレーラーが山ほど公開されており、そのトレーラーの出来がかなり良かったため、跳ね上がってしまった期待度には届かなかった感は否めません。

とはいえ、この直前ラッシュのトレーラーは正式に日本公開されたものは一切ないので、真っ白な状態で見に行けばちゃんと十二分に面白い映画です。キングスマンには負けてもミッションインポッシブルよりは低予算でもずっといい映画です。なので私の感想は旧シリーズハードコアファンがかなり厳しい目で言いがかりつけてると思って可です。




まず、モンクから言います。(だって性格悪いんだもん)

私は冷戦最中に生まれ、ベルリンの壁が崩れたのもニュースで見ていたくらいの世代なので、冒頭部分のテロップ説明の意味もさっと察せます。

でも壁が崩れて早26年。壁崩壊の時にもの心ついていなかった人々には「なんじゃこのクリップ?」くらいでよくわからないのでは? イントロ部分説明のセンスがいまいち。 結局歴史的背景そっちのけでリードキャラの魅力に頼るしかなくなってしまいました。 でそのリードキャラの魅力ですが・・・
  

まずはソロさん。私がむきむき男が苦手だからか、ソロのスーツがいかにお仕立ての高価なスーツであったとしても、どーしても、ボタンが飛びそうなパツパツ感は全然素敵だとは思えません。東ベルリン入国にアタッシュケースを手に歩くカヴィルソロは本当に不恰好で情けなくなりました。これが実質一番最初のシーンだなんて・・・・このみっともないシワ!
妥協して60年代には有りえない幅広さでもカヴィル君のサイズに合ったものを作って着せた方がヴィジュアル的には良かったと思う。 マッチョ男が好きな人でも、サイズの合った服着てる方がカッコ良いと思うのは同じなんじゃない? Tシャツじゃないんだから。視聴者の大半は(私も含めて)60年代のスーツとしてマッチしているか否かなどたいして判断できないのです。 でなければ無茶でもカヴィル君に強制減量をさせ、撮影終了後即スーパーマンとして筋肉増強をはかる…くらいの美意識とコミットメントがほしかったと切に思う。

この不恰好なスーツ姿を前にソロがいかに目が高く(つまり趣味が良いという設定)、高価なスーツを身に纏うことをボスに責められていても、全然クールに見えないし、しっくりきません。ものすごい宝の持ち腐れ感なのです。

このコードネームアンクルにおいてはソロより圧倒的にイリヤファンの方が増えると思います。新規カヴィル君ファンは増えないと思う。だって、ソロさんかなりスマートさに欠けるんだもの。 共産主義をなめてる割には持ってるアメリカ製小物は軒並みロシア製よりローテク。(これは笑うためだけのものなのだろうか?)

おまけにファッションセンスがいいはずなのに、ガビーちゃんには似合いもしない中年の有閑マダムが着るような服を試着させ、質素が基本のはずの、ロシア人建築家(というカバー)の無愛想なイリヤが怒り顔でフィアンセのため(これもカバー)と選べばこれがもう、ガビーちゃんにはぴったしの華やかなドレスばっかり。(トレーラー見て服を選んだのはガビーちゃん自身だと思ってましたが意外にもすべてイリヤのお見立て!)ここにニコリともしないイリヤのガビーちゃんへの想いが隠れているようでイリヤがかわいくなります。そう、どでかくてニコリともしないイリヤですが、そのソ連においての不憫な境遇が背景にあることも加味してどんどんかわいく思えるのです。

仏頂面だけどたまにはかわいく見える


ソロさんの良さが現れるのは後半のみ。いえ、最初のイリヤが車を素手で止めようとしたときに、「それは間違ってるようでできない」とくらいついてくるイリヤを撃たないとこでも、紳士っぷりはでてますが、そこくらい。前半ではあとはあまりかっこよくないのです、何やっても。

こっちのほうがよっぽどカッコいい。








後半、いよいよイリヤとともにあちこち潜入しては追っかけまわされ、または追っかけするのですが、イリヤを助けに海に飛び込むソロさん、イリヤがこだわっていたお父さんの時計を取り戻してイリヤに返してあげるソロさんには涙が出ました。そう、これでこそソロさん!なので、このまま、見た目のヨメ感は全くないイリヤとコンビになってくれても十分安心できる感じに、最後にはなるのです。

おまけにこの二人、それぞれCIA、KGBにおいての立場は同じでかつ同じ命を受けています。そこでお互い共感して手を取り合うこととなっても違和感はありません。この点においては当初「はぁ?」と思った両者の設定ですが、実はいい感じに落ち着かせるためのものだったのだと納得。ここはリッチー監督に座布団5枚くらいあげたいと思いました。


ですが・・・やはり、全体的に、あの気合のなかった公開前インタビューに納得するなぁ・・・と思ってしまいました。なんというか、これは監督に責があるとしか思えないのですが、(あげだしてもきりないから割愛しますが)随所随所でもうちょっとよくなったんじゃない?感をもってしまうのです。おおっ!と思うところもあるから、余計に手抜き感に思えるのかもしれません。
ダニエル・ペンバートンのサントラは音として秀逸です。サントラだけでもかなり聴きごたえのあるいい音楽なのです。ただ、映画のシーンとのマッチ感が必ずしも感じられるわけでないのです。 映画のシーンが音負けしてる感があるところもあります。これもちょっと残念だしもったいない話。

それから例えばこれも・・・




各々センスはいいポスターですが、あまり統一性の無いのが大雑把に2タイプ。キングスマンのように日本の配給元が別個のロゴつくったのではなく、両方ともWBオリジナル。こんなとこにも、確たるコンセプトに欠けたまま走っちゃった感が見え隠れしてます。公開日遅らせたのは、映画の完成度を上げるためでもなんでもなかったのですね。そして、浅はかなマーケ戦略で、1番声だけデカイアメリカでのオープニングでこけたのはとても痛いし、ホントもったい無い。

もし目安として・・・この3か月ほどで見たスパイ映画を星で評価するならこんな感じ。

ミッション・インポッシブル  ★★★+

キングスマン          ★★★★★

コードネームアンクル     ★★★★-     


ちなみに、最後にアンクルはがっちり創設されるのだと思っていたのですが、そーいうわけでもなかったので、ここは続きを作ってくれないと、結局この映画はなんだったの?になってしまいます。

この映画は続きを作ってこの新コンビを新たに暴れさせないと(その間にカヴィル君も何とかスリムにして)意味を全くなさないものとなってしまいます。
最後にタイトルの入ったセリフがありました!だけの映画になってしまいます。そう、旧シリーズを知らない人には、コードネーム アンクルとウェイバリーという名のおっさんが言っただけでしかないのです。いや、これで終わっても来週次のエピでも有るならいいけど、とりあえずこれで一映画完了と思えというならやはり、「はぁ⁉︎ それだけ?」 となってしまいます。
この映画自体にポテンシャルは有るとは思うのですが、そう言う方向に行ってくれるのか。
行くしかないと思います。でなきゃほんとにお金の無駄遣いで終わってしまいます。
さぁ、WBさん!気をとり直して続きのヒットにかけてね!


2015.11.18 追記
コードネームアンクル公開後一気にお立ち寄りが増えました。ありがとうございます。
皆さま映画を楽しんでいただいたからこそ、こちらへ寄っていただいてるのだと思っております。
続編みたい!もっとみたい!と思われた方、いらっしゃいますよね?

つきましては・・・ぜひ続編嘆願も…いかがでしょう? こちらをご参照ください。

4 件のコメント:

  1. お久しぶりです。
    感想文を先日読ませていただきました。「UNCLE」楽しまれた様子がわかりました。
    ポスターの件、サイケ調の物をやめて、ギャビーのポスターの背景色を変更すれば、良かったのかなと読んでいて思いました。(メイン2人ポスターの黄色とギャビーの黄色が被る為)

    以前コメントを頂いたボンドガールの件について、FOXで「歴代ボンドガール総選挙」というのがやっていて、そこではMがボンドガールになっていました。(Mはエントリー No.50です。投票コーナーを見ていただくとわかるのですが、無理矢理、名前のある女性キャラを並べてみた投票コーナーです。)
    http://video.foxjapan.com/blu-ray/007/election/


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    1. Asteroid Cowboy さん! いらっしゃいませ~!ご無沙汰です。
      日本のポスターは例の赤基調のままでパンフも通してるので日本ののほうがアンクルはいいかもしれませんね。 ご覧になりました? 残念ながらキングスマンは越えなかったけど、続きに期待するくらいには面白かったです。 
      ボンドガール私も投票させてもらいました! 活用してないけどアカウントはあるので。 ありがとうございます。 
      まぁ、ボンドにかかわったらボンドガールと呼ぶってことで。母のようなMだって立派にボンドとかかわった女性ですよね。 ガールと呼ぶと・・・・と抵抗あるかもしれないけど(笑)
      私はオーソドックスにルチアナさんが大好きなのです。今おいくつなんだろう? Mのジュディデンチとあんまりかわらないんじゃないかなぁ?今でもとてもかわいらしいんですよね。
      今年もあと残すはスペクターだけになりましたね。外れないとは思っているけど、私のお気に入りの方々をどう活かしてくれてんのかなーと興味津々です。
      不思議なことにアンクル中国公開しないらしいのに、スペクターはもう公開してるようです。ダニエルクレイグも北京入りしてたし。少子化映画人口それほどでもない日本には・・・こないかしらね?
      アンクル何が引っ掛かったのかしらね。

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  2. こんばんわ。最近こんなニュース出てましたよ。
    ・007:「ボンドガールじゃないわ」51歳ベルッチさん
    http://mainichi.jp/select/news/20151110k0000e040215000c.html

    僕は映画には必ずボンドガールをが1人入れて、ボンドウーマン枠もストーリーによっては作っても良いんじゃないという感じです。

    まだ、UNCLEは観てません。れんかさんの感想を読むとハッキリとUNCLE創設がなく、続編の余韻があるようなので、続編発表あれば見ようかなという気が沸き、なければレンタルになりそうです。
    (僕は最近、海外ドラマ「Breaking Bad」を最後まで見終えて、映画はその後に「American Sniper」、「The Wolf of WallStreet」、「Gone Girl」を観ました。時間があれば「American Hustle」を観たいなという気分です。)

    中国公開の基準はわかりませんが、何があったのでしょうね。ビッグタイトルが向こうでは連続して公開されたのかな?


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    1. Asteroid Cowboyさん!こんばんは! 返信遅くなってごめんなさーいっていうかなぜか今日は朝の通勤電車の中で途中書きのを電車の振動でログアウト触っちゃってふっとばし、先ほども一回何がいけなかったのかふっ飛ばしちゃって・・・三度目の正直…にならぬことを祈りながら。

      いろいろと教えってくださってありがとう!ボンドウーマンって言葉の響きがあまり良くないような気が。ボンドガールのほうがすっきりしてていいなぁと思います。それがたとえMであっても。(笑)モニカベルッチってまだ51歳だったのですね。マレーナが結構昔のような気がしていたので、もっといってるのかと思ってました。
      ボンドガールって昔は必ず一話ひとりかと思ってたら、ピアスブロスナンの時に若いおねーさんふたりで、節操ないよなーと(今更なのに)思った記憶があります。 別にお決まりがあるとかじゃないのですね。
      スカイフォールがあの軍艦島でころされる彼女じゃ、ボンドガール感あまりなくって、不在のような気がしていました。いや、どこかのレビューでもボンドガールがいないって、代わりにダニエルクレイグがハビエルにいやらしく、触られてボンドガールの埋め合わせになってるって書かれてるのを読んだような記憶も?
      私はスカイフォールの埋め合わせで今回ゴージャスなボンドガール2名なのかと思ってました。
      私はレア・セドゥすごく好きなんですが、うみそとレビューじゃモニカベルッチに軍配上がっているみたいですねぇ。

      Asteroid Cowboyさん!アンクル一回くらいは劇場行きましょうよー。映画の日にでも。興行収入が下がるとまた続きへの道が遠くなっちゃう。 これは続き出さないと、これはなんだったの? だし、続き作れはそこそこにはWBさんももうけられうと思うんだけどなぁ。 
      私も今年は普段はテレビでやってる時しか見ないMIまで劇場行きましたよ、比較のために。やっぱテレビやパソコンで見たので映画館で観たのを比較しちゃそりゃ土俵が違うからフェアじゃないかな…と思って。
      中国人口入らないのはそもそも痛いし。
      キングスマンほどの中毒性はないけど、まだ見にいくと思います。(あ、試写会のあと初日もきっちり行きました。誕生日月割引があったので)
      この後映画館に絶対行くのは冥闘士(←これ何でしょう?パソコン壊したので新しいのになったらすぺくたーと入れるとまずこれに変換されちゃって)  スペクターだけであとはまだ考えてないですね。
      キングスマンの影響でマイケルケインコレクションもゲットしたので見たいのですが、その前に見ちゃったThe Smokeが気に入って、気に入るとリピートに走るたちなので、次に進めません、まだ。
      The Smoke、8話完結でもドラマはリピート入ると寝不足も極限に来てしまいます。これは日本放映ないのかなぁ・・・。(あ、昨日記事もアップしたのでお暇だったら・・・)
      なんか2年も前にキングスマン撮影風景見て、コリン・ファースにしか目が行かなかった自分の愚かさがちとはらただしいですねぇ。タロン君凄いですよ。こんなにガッツリレギュラー出演してたとは!去年の4月にはDVD出てたのに、コリンと一緒に映っていたちびっこの作品まで漁ってみることは全然思いつかなかったし。(あーでもそのころだったら激職ついてたからどっち道余裕はないか) IMDBとかチェックしてみた記憶もないです。 ひたすらコリンファースがめっちゃかっこよくって待ち詫びてただけだし。今思うともったいないことした気分ー。

      ではまた!AsteoridCowboyさんとこも寄らせてもらいますね。アンクルはぜひ一度は劇場で!

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