2016年3月29日火曜日

キングスマン ハリーxエグジーはソロxイリヤだった・・・! (愕然)

昨年初夏、Asteroid Cowboy さんの質問を受けて脱線しまくりのこんな記事を書いておりました。
キングスマン Kingsman: The Secret Service ピンキーリングがせつない


本編視聴前、まだトレーラーまでしか知らない頃です。簡単にいうと現代版アンクルのようなキングスマン、コリンの優雅なスーツ姿はかつてのナポレオンソロのよう。オマージュ満載、共通点を見つけるごとに、エグジーがナポレオン・ソロ演じたロバート・ヴォーンをパパだと信じて来るのを待っていた少年マシュー・ヴォーンのように思えてせつない・・・というものでした。

ただ、実際キングスマン本編を見ると、キングスマン単体であまりにも完成されていたので、気のまわし過ぎだったかも…と気にならなくなっていました。

ですが・・・その時点で知らなかった衝撃の事実を、お世話になっているショートパパから教えてもらいました。ショートパパと勝手に呼んでますが、旧シリーズナポソロに数エピお姉さん(マッカラムさん元嫁ジル・アイアランドのスタント担当)とエキストラ登場したのにはじまり、今も現役で活躍中の映像効果のプロ、ロバート・ショート氏です。オスカー受賞歴もあるし、コードネームアンクルにも携わっておられます。ナポソロ2も然り、これまで上がっては立ち消えてきたすべてのアンクルリメイク話には関わってこられてると思います。

昨日一昨日にぞろぞろ上がったキングスマン2 ゴールデンサークルの記事を引き合いに、
キングスマンはマシュー・ヴォーンの書いたアンクルリメイク映画にプロットが似ている、危うくソロが殺されて、イリヤがマーリンと新天地に行っているところだった…と。

ええええ~~~~っ!!なんなのよ、それ~~!と思わず絶叫。
いや、これまで候補になった大勢の監督の中にいたこともある…くらいならわかるけど、あらすじが出来上がっているくらい本格的な話があったの~~~!?
私はむしろ、この因縁があるからヴォーン監督絶対アンクルはやらないと思っていた。失礼だけど、ガイ・リッチーのコードネームアンクル、ヴォーン監督が作ってたら、もっとシャープに完成度上がってたよね、きっと…と思ったことがあるくらいなのだから。

それって何???第一世代じゃないと知らないことっていっぱいあるんだから教えて~と食い下がると、
ハイ、教えていただきました。

なんと、ヴォーン監督はカジノロワイヤルの監督候補だったのを、アンクルリメイクをやりたいからと降りたのだそうな!(2005年当時の記事がここに!)

えっと~。日本で特にまことしやかに言われていたのは、ヴォーン監督、カジノロワイヤルの監督候補にはなったけどコンペで負け、キングスマンはそのリベンジなのだ…というもの。アンクルとの共通点見つけてはしゃいでいたのは偏愛主観まっしぐらの私くらいで、公的なメディアがアンクル言及してたのは特に見た記憶…ない。あったかしらん?
こんなお遊びはもちろん海外公式サイト+EMPIRE
おまけに、そのボンド物語が、ボンドは実は庶民でマイフェアレディよろしく学習してセレブもどきの粋なスパイになるまで…というものだったので却下されたのだという話も聞いた気がする。(もっともこれにはショーンコネリーがボンドになるにあたってスーツの着こなしから始めなきゃならなかった云々にもかけてあるらしいけど)

これは…ショックだ。どこまでがアンクルにもあったプロットなのか? 旧シリーズではソロさん何年かは年嵩っぽいけど、ほぼ同世代のソロとイリヤ。
ヴォーン監督が出してきたリメイクプロットではかなりの年の差ペアで、ソロが新人イリヤをリクルートして仕込むという話だったらしいのです。ソロがイリヤをリクルート…というのはファンフィクでは見かけたし、半世紀前の日本語吹替版!原版第一シーズンでは毎回繰り返しだったプロローグ –アンクルの紹介と 「私はナポレオンソロ」に始まり、イリヤがアンクルガン組み立てて〆がウェイバリー課長の最初のシーン - これが日本語吹替は毎回かえてあって、一度、イリヤが「ソロに誘われてアンクル入っちゃったけど、給料は安いし」みたいなことを言ってるのきいて卒倒しそうになりました。 でもソロがイリヤを連れてきた説は昔っからあるのだと思う。↓



『ずっと父親だと思っていた相手に拒否されて殺しちゃうってフロイト的解釈よね』…というのはナポソロ研究家の教授(シリーズコンプリートDVD特典にも登場されてます)
何故ヴォーン監督がアンクル撮る話が頓挫したのかは10年以上前のことだし、皆、なんだったっけ・・・といった案配。
一応過去歴探してくれるそうですが(後進の教育は厭わない素晴らしい方々ばかりなので)私もちょっとググってみた。

するといろいろな話が! 
私ヴォーン監督、そこそこ若いころにもう、ソロさんが実はパパではなかった…というオチは知らされていたのだと思ってました。ふたりは顔だって全然似てません。ですが、それが公になったのは2002年、今世紀なってからのようです。





マシュー・ヴォーン監督のクラウディア・シファーとの結婚式前に、たまたまロバート・ヴォーンインタビューすることになった人が、息子さんが結婚されますねと話を振ったところ思いがけない展開に! ヴォーンさんが「私の息子ではない」「80年代鑑定結果出て裁判で決着している」と暴露したそうなのです。ここで初めて公式になった模様。80年代のうちに裁判で負け、父親ではないと明白になっていたことをヴォーン監督が知らされていたのか、ママが配慮して隠していたのかは不明です。

それと、私は勝手にキャシーママが生まれた子はあなたの子だ認知しろとヴォーンさんに迫ったのかとでも思ってました。でもこれも違うよう。当時同棲してたからヴォーンさん自身、自分の子だと思い、ヴォーンという苗字を名乗らせたいと言ったのはヴォーンさんの方。マシュー監督が生まれたときの出生証明の父欄にロバート・ヴォーン(Robert Francis Vaughn)の名前があり、マシュー監督出生時のフルネームはMatthew Allard Robert Vaughn。 衝撃のインタビューに転じた不測の事態に遭遇したこの方はアメリカの裁判所もマシュー・ヴォーン監督の生まれた病院も確認しに行ったようです。これが2002年の記事ですが、この時点ではお貴族様のGeorge De Vere Drummond氏が父親とはわかってなかったのですね。記事はあとヴォーン監督が考えるのはロバート・ヴォーンでないなら誰が父かということだけ…と結んでいます。

監督のお貴族様の実パパですが、なんとジョージ4世が名付け親だったなど、ハンパじゃなく由緒正しいお貴族様。そういえば監督ったら、ハリーの潜入カバーの名前にしっかり実パパの名前拝借してる…! Mr. De Vere って、最初に見たときあれっとは思ったけど、あ、よく考えたら今はご自身の本名なのか…と気を取り直してたのですが、ここまでフクザツな背景があったとは。
・・・ハリーの講和(生まれは関係ない、とか昨日の自分自身に勝つこととか)に今まで以上に重みを感じてしまう。

キャシーママの話によるとヴォーンさんはマシュー監督の一歳の誕生日前くらいまでは手紙やプレゼントをしょっちゅう送り、パパ然と振る舞っていたと。その頃に今の奥様リンダさんと付き合うようになり、その後全く無視されるようになった。キャシーママは息子をまるでなかったことにしたと憤慨していたらしい。マシュー監督が最後にヴォーンさんに会ったのが11歳の頃。それもママと芝居を見に行った劇場で偶然居合わせてしまい、かつ、まわりも驚くほど、ヴォーンさんは二人を無視しきったらしい。(>。< 聞きたくなかったそんな話!私おじいちゃま大好きなのに!)

・・・それはやはり監督が可哀想すぎる。ヴォーンさんにしてみれば迷惑な話だったかも知れないけど、子供だったマシュー少年は何も悪くないのに。監督にとって父親って悲しいか不快な思い出しかないのかもしれない。どっちの親にも。なかったことにされた子供は父親をなかったことにしたいのか・・・。だからハリーはあっさり映画の半分くらいで死ぬことにされてたの・・・?と私でもあらためて思い始めてしまいます。

ヴォーン監督のアンクルリメイク話がなぜ頓挫したのかは知りたい。でも頓挫してくれてよかった。
キングスマンという映画が出たおかげでこれまでとは違うコリン・ファースの素晴らしい姿を観れたし、タロン君のような逸材を大体的に世に出してくれたのです。
そう、これはキングスマンという優れた映画を世に出すための運命だったのよ、きっと。

こけたアンクル話…コードネームアンクルの怪物級大男のイリヤや元泥棒のソロさんに最初は抵抗あったけど、リッチー監督の映画はこれはこれでヨシ。十二分に許容しています。続編も欲しいと心から思う。
こう見るとかわいいソロ+イリヤ。真剣にじゃれてます。
でも、イリヤが小僧っこでそのイリヤの成長物語なんぞにされるのはちょっと…どころかかなりひくかも。
やっぱアンクルはフツーにペアじゃないと。
 
これをソロ+イリヤと思えってのはいくら何でもあり得ん!!!
ソロ + イリヤ

  












だからすべて成るようになっているということで、これで良いのだ。そうよね?
・・・でもショックでした。

そうだ! あのキングスマン日本公開直前のインタビュー。なぜキングスマンがクレジットで『母キャシーに捧ぐ』になっているのかと監督に聞いたアホなヤツ!目が点になりましたよ。絶句。そんなことわざわざ訊くかー? ああいう場で親に感謝を捧げるって人になぜ?ともきかないでしょう、そもそも。
ヴォーン監督がひとり親なのはウィキにも書いてあります。一人で育ててくれた母に並々ならぬ感謝があっても不思議ではありません。そして、キャシーママは2013年、監督がキングスマン撮り始める直前くらいに亡くなってます。
監督はにこやかに「そんなこと初めて聞かれたよ」と返してましたが…配慮がなさすぎるにもほどが(怒) 

そして007リベンジ説はなんだったのか? 確かに海外記事で007へのオマージュのことは書かれていたけど、リベンジ説は日本の記事でしか知らないと思う。たしか町山氏の論説だ。(講演つきの上映回行きました。)
これも、公式さんの出してたあの教会ファイトはワンショットで撮られた云々(DVD特典観ればウソはバレバレなのに)と同様の広告宣伝、マーケ戦略だったのでしょうか?
私個人的にそういうでっち上げすぎる宣伝って、モノがいい時ほど侮辱してるように思えてしまうのだけど…。効果はいかほどのものなのでしょうか。

0 件のコメント:

コメントを投稿