2015年7月9日木曜日

ブラヴォー!キングスマン Kingsman: the Secret Service 鑑賞

やっと! ついに書きます。
キングスマンBDは海を超えて6月第3週には到着。そこから毎晩、子供がお風呂に入ってテレビがあいた隙にBDを差し入れ、視聴開始。一度見ればテキトーに切り上げればいいものを毎晩最後まで見ないと気が済まず寝不足が続く・・・。何度見ても吸い寄せられてしまう。

マシュー・ヴォーン監督、あなたは素晴らしすぎます。この隙のない完成度、漫画チックにも思える展開の整合性。本当に丁寧なよい仕事をしてくださいました!
笑わせてくれる展開の中に、英国の階級社会、世界を牛耳ってる政治家への風刺を織り込み、かつ人間とは、真の紳士とはを語る。いつもの事ですが、マシュー・ヴォーンの音楽チョイスはとてもいい。

既に何回も見たのに、映画館公開日も心待ちにする私。だって大画面で見るべき迫力なんですもん。映像美だって大画面仕様です。

さて、ここから本題、簡単にあらすじと感想文。ネタバレ一応配慮はしてるつもりですが、そーゆーのちらっとでも許せない方はまわれ右願います。 (これ読んで映画見たことにもならないけどね)
でも9月11日から映画館には行きましょう。(私配給元のカ〇カワとは一切無関係です) 
観るべき映画です。

キングスマンとは1849年からロンドンSaville Row に創業する老舗の高級テーラーショップ。世界各国の上流階級社会、要人などのスーツ御用達として、また彼らのネットワーククラブとして愛されてきていました。
 
撮影に使われた実在のお店


第一次世界大戦がはじまり、1919年頃には、その上得意客の多くも子息を戦争で失い、跡継ぎのない広大な土地や膨大な資産が残されました。
戦争で愛する者を亡くした彼らは、政治や官僚の損得などを超えた、より大きな世界のために、平和維持を願って独立した国際諜報機関を創設、財を投じたのです。キングスマンエージェントは現代の騎士。
アーサー、ガラハッド、ランスロット、パーシヴァルとコードネームは皆円卓の騎士に因んだもの。エージェント候補生の訓練をする鬼教官は(魔術師)マーリン。欠員が出た時のみ、新たにその騎士の名を継承するエージェントが採用されます。

映画は1997年、中東でのミッションから始まります。捕らえたテロリストが手榴弾のピンを抜き、若い訓練生が、身を挺して被害を最小限に抑えます。が、彼自身はテロリストと共に絶命。(これがエグジー父)
そして最後まで残った訓練生のもう一人ジェイムズがキングスマン新騎士(エージェント)、ランスロットとして迎えられます。

そこから17年、アルゼンチンの山奥に誘拐されたアーノルド教授(マーク・ハミル)。そこに現れた、ライトマスタードカラーのスーツを着たポッシュな英国紳士(ジャック・ダヴェンポート)。優雅に舞うように悪党どもをなぎ倒し、美声で「お迎えに上がりましぞ」とばかりに片膝ついて挨拶するさまは中世の騎士そのもの。しかしながら突然の凶刀に倒れます。彼は17年前に迎え入れられたランスロット。

ランスロットの殉職に緊急会議、即日、新ランスロット候補を各エージェント差し出すように大ボスアーサー(マイケル・ケイン)から指示が下ります。

キングスマンハイテクガジェットのひとつである特殊眼鏡。通信機能付きで遠距離ビデオ会議もできます。


気分だけ全員で追悼


  ➡






唯一ライヴで会議に出たガラハッド(コリン・ファース)。 アーサーより今度はまともな候補を連れて来いと嫌味を言われてます。 キングスマン、その由来故、エージェントは代々騎士たるにふさわしいお家柄のアッパークラスの人間ばかり。伝統と規律を重んじるアーサーと、階級に限らず資質の備わった人間を採用すべきと考えるガラハッドの間にはやや確執があります。
17年前、労働者階級のエグジー父を見込みありと候補生に推薦したのはガラハッド。家柄正しい候補生たちに紛れて最後のふたりにまで残り、実戦に入った途端、彼は自分の命も顧みず、仲間を守って死んだのです。 まさしく騎士たる死にざまであり、キングスマンにふさわしい資質を持った男だったのですが、階級社会を正と信じるアーサーには平民を騎士にしようとしたガラハッドの酔狂な実験の失敗としか映りません。ガラハッドは世の中に変化に合わせて組織も人を選ぶべきであり、昨今の貴族がひ弱になった理由を考えろと返します。

ここまではほんのプロローグ。なんで説明したかっていうと・・・初見ではたぶんわかりにくい@@。

後は映画を見てね♪っとかるく説明。

★キングスマン、敵方共に特殊仕様の火器、ガジェットが素晴らしい。スパイ映画好きなら見逃せません。
これだけは007のはるか上行ってます。 結構予算もかけてますねぇ。ヴォーン監督、以前はケチくさかったのに。各種コスチュームだって見ものです。
あたしはこれが好き♡
 







ちなみに小指のピンキーリングはアクセじゃなくってガジェットのひとつ。紳士は左手につけるのが筋だそうですが、武器として利き手につけるそうです。確かに。
ハリーもエグジーも右手ですが左利きらしいランスロットは左手につけてました。何に使うのかは見てのお楽しみ。

★キングスマンエージェント スーツは現代の騎士の戦闘着。ガラハッド、ランスロットともにタイプ違えど、優麗なスーツ姿。そしてそのスーツ姿からはうかがえないアクション。舞うような動きが素晴らしい。紳士(騎士)とはここまで高い美意識を持つものかと感動。
1962 Dalmore. It will be a sin to spill any.
一滴でも零すのは罪!なヴィンテージウィスキーを愛でるランスロット
 このカラーコーディネイト、真似できます?
★素人耳にも明らかなアッパーな紳士たちと労働者階級のおやじガキどもの言葉の違い。お互い通じてる様子もさほどなく、笑えます。 そして紳士組、なんでこう、有事の際でも構文的に長々と正しいアクセントで話し続けるのだろうと思ってしまいます。冷静過ぎて可笑しいのです。
常に平然と静かな笑みをたたえて流暢に話す。Hail Satan なんて、よく真顔で言えたなーって感じですが、まだまだ出てきますよ。


★血と暴力を見れないヘタレ悪党バレンタイン(サミュエル・L・ジャクソン)。お付きのガゼル(ソフィア・ブテラ)の方がよっぽど正統に悪党。アホかって感じですが、実はこの設定、最後のあり得ない展開において超重要。こんな奴だからこそ、あの美しいスペクタキュラーなシーンが成り立つのです。真剣に自分を善人と思っているバレンタインの一言一言に爆笑。本編字幕が宣伝広告用字幕と違って原語に忠実であることを祈ります。


★絶対大画面が必要なのは訓練のひとつスカイダイビング、紳士たちの戦闘シーン、そして終盤あの壮大な『威風堂々』の流れるクライマックス(?)ですね。映像美もですが、何が起こってるか考えると…エグいのですが拍手喝采したくなりますよ。名シーンとして後世に残ると思います。イカレ具合が『時計仕掛けのオレンジ』なんかと近いかと。

★映画の中で、実在のスターや映画の話をするのはタランティーノのレザヴォア・ドッグスが最初だそうですが、今では結構フツーに出てきます。

父親の死後、身を持ち崩した母のもとで腐っていたエグジー(タロン・エガートン→英式発音はエジャトン)を候補生にと誘うハリー(ガラハッド)。80年代の映画、『大逆転』『ニキータ』『プリティウーマン』を明らかに90年代生まれのエグジーに知っているか?と聞くのですが、トーゼン知りません。全部リアルタイムで知ってる自分がとってもトシに感じます。 
ヴォーン監督、パクリだありふれた話と揶揄されるのを見越して先手を打ったのでしょうか。

★スパイ映画について語らうハリーとバレンタイン。ジェントルマンスパイが憧れだったのはバレンタインで、イカレた悪役に憧れたのはハリーでした。「おとなになるのは残念だ」 確かに(!?)。
ハリーとバレンタインのディナーも爆笑ものです。

★『マイフェアレディ』みたいに「きちんとした話し方教えてよ」というエグジーを「バカ言うな」と一蹴するハリー。人は生まれやアクセントで決まるわけではないと、他人に勝つことに意味はない、今の自分自身に勝ることが大切とヘミングウェイを引用して諭すハリーはとても素敵。
そして、ハリーに素直に憧れの目を向けるエグジーの可愛いこと!タロン君、別に超美形でもめっちゃ男前なわけでもないけど、キミはいい役者になるよ、絶対に!

★パグ犬J.B.皆が躾けやすそうな大型の猟犬の仔犬を選んでる中、エグジーはひしゃげた顔でブルドッグだと思って彼を選んだ。(爆) 見てこのちっこさ!
シックなジャンプスーツ。訓練生の制服ですら英国ファブリック展。
チビで走らなくてもバディにはなれる。

ちなみにかつてハリーが選んだのも小型犬、ヨークシャーテリアです。何故だったのだろう?
わんこまでミスターで呼んでどんだけ礼儀正しいんだか。はんぱじゃない愛犬家(?)です。
ハリーが候補生の時に選んだ愛犬ミスターピックル

★もう一人忘れてはならないキーマンが!この人なしではキングスマンも成り立たなければ世界も救われなかった!? マーク・ストロング演じる鬼トレーナー(魔術師)マーリンです。なんてふさわしいネーミング。

マシュー・ヴォーンやガイ・リッチ―と大の仲良しで彼らの映画の常連感のあるマーク・ストロングですが、すっごくいい味出してます。
ちなみに、エンパイア賞の時、彼はなんと受賞作2映画に出演してました。どちらもベスト助演男優賞でもいいんじゃない?と思える重要な役で。 忙しく壇上を上がったり下りたりしていたようですね。
ベストブリティッシュ映画

←キングスマン
左からマーク・ストロング(マーリン)、ソフィア・ブテラ(ガゼル)、ソフィー・クックソン(女だてらにキングスマン騎士になるロキシー)、ジェイン・ゴールドマン(脚本)



↓イミテーション・ゲーム
左:マーク・ストロング(MI6、メンジス)
右:アレックス・ロウサー(少年アラン・チューリング)

マーク・ストロング株、私の中では思いっ切り上昇中。
ベストスリラー 
★そうそう、このふたりの一騎打ちも見逃せません。




前売りもゲットしてしまいました! 夜な夜なBD観ながら9月11日を心待ちにしております。





2 件のコメント:

  1. 感想楽しめました。プロローグの「Kingsmanとは何?」という設定を読んでだけでワクワクしました。少年マンガの設定で面白いですね。
    本日角川公式から「バー・ファイト」というバーでガラハッドのスタイリッシュなアクションシーンが公開されました。
    https://youtu.be/JrNsn3nlqW0
    予備知識をこの感想文で得たので、より楽しめましたよ。


    P.S.
    角川公式で試写会の募集が始りました。
    れんかさんが該当の地域にお住みなら申し込んでみてわどうでしょうか?
    http://kingsman-movie.jp/

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    1. Asteroid Cowboy さん、いらっしゃいませー
      いつもありがとうございます。 試写会申し込みはしました! 当たれば大画面に2か月早くありつけるのですよね。
      しっかしこれ飽きないです。まだ見てますよ。そのうち丸おぼえくらいしてしまいそう・・・・

      バーファイトやっぱり舞うような動きがいいわー。ベテラン紳士組は動きが美しい。
      そーいう面ではタロン君まだまだ要修行なのかもしれないですねぇ。 旧ランスロットのダベさん(←お貴族系)もエラく優雅だし。元素材の御育ちの違いなのかしら?

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