2015年12月7日月曜日

Testament of Youth 戦場からのラブレター ② 語りきれない切なさ

アリシア・ヴィカンデルが素晴らしすぎて素晴らしすぎて、心から離れなくなってしまったこの映画。
一度レビューはしましたがまだまだ言い足りないの。


発売日当日の在庫きれ騒動の原因はキングスマン中毒患者とタロン君人気ではないかと思いますが、私ももれなくきっかけはそれで公開を待っていたひとりです。

なので今回はアリシアちゃん引き立て役に徹したタロン君登場部分もちょっとは語りたい!

私がやっぱり劇場でみたい!と切に切に切に思ったシーンの一つです。↓
焼け野原のあとの水たまりが金色に輝いている・・・・(上から4つ目)

上から二番目の焼け野原なのですが、昔持っていたセバスチャン・フォークスのBird Song の表紙がこんな感じの絵でした。今持ってるのはどこかで買いなおした2冊目なので、赤っぽいのです。もう手元にないのは残念ですが、このシーンを見た時に真っ先に古い本を思い出しました。

映画では語られていない事情を理解して観るともう、よけいに切なくて切なくて、この最初のI want you to hear his voice だけで泣けてきます。




私初見の時に気づかなかったけど、時経で見るとこの時にはもう、エドワードのいい人、ジェフリー
は戦死した後だったのですね。このジェフリーもこの2時間の映画の中だけじゃちょっと登場しただけなのでオブラートに包まれた感じですが、ヴェラと3人の男衆がメインの話のところへひょこっとエドワードが連れてくるし、この美しい手紙、いくら神父様になる予定だった方の高尚な感性がこもってるにしても、ただのお便りではなかったのですね。

この世で、叶わないなら来世での再会を誓う手紙ですが、もう会えないだろうことを前提としたかのようで…戦局はよっぽどひどかったのですね。 そしてこのふたりはこの世では会えませんでした。

この手紙の感じでも、穏やかにやさしい時間を過ごしていただろうに…と想像できます。

父親が嫁入り前の娘のために買うピアノを実は楽しみにしててピアノが来たのを喜んでる少年。音楽が好きで、戦争中でもこっそり音楽作っていて書いた楽譜をお姉ちゃんに会うたびに「預かってて」と渡してる少年。お姉ちゃんが大好きでお姉ちゃんのためなら何でもやるって言っちゃえる少年。そんな優しい子に降りかかるにはむごすぎる当時の現実。

手紙を読んでないわよと渡していたヴェラは察していたのかもしれないけど・・・
エドワードの最期が可哀そうすぎて、それを10年以上もたってから知らされるヴェラの辛さも筆舌に尽くします。

私どうしてもどうしても、この映画が劇場公開されなかったのは安保で揉めてるせいでの陰謀か?と思わずにいられないのですが・・・。
穿って見すぎかしらん? 

こんなこと本当に繰り返しちゃだめよ。 映画の中で「前線じゃないから大丈夫」、「安全だから」云々言っているのが昨今の日本でお偉い方が、よくわからないけど「大丈夫」と言ってるのとまったくおんなじで、ぞっとしました。

これは本当にその映像の美しさだけでなく劇場公開すべき映画でしたね。アリシアちゃんの熱演がそんなハンディには負けないほど、この2時間だけじゃなくって訴えてくる映画にしあがっていたのはあっぱれです。

私もそうだけど、原作本に手を出す人も増えるんじゃないかなぁ。
アリシアちゃん、ヴェラ・ブリティンはきっとあなたに感謝してると思います。

追記: 2015.12.09
驚いた事に、英アマで頼んでおいた原作本と手紙本、一週間かからずに届きました。びっくり。クリスマス近いから失敗したかも?とも思ったのですが。手紙本(右)にめちゃくちゃ興味アリなのですが、どこかのレビューで原作本読んでおいた方がガイドになるとあったので、原作本(左)から行きます。でもうずうず。









4 件のコメント:

  1. こんにちは!vadimです!ここにコメントするには、直接のかかわりの事じゃないのですが、タロン・エジャトンからのマシュー・ヴォーンということで!レイヤーケーキ見ました!なんか、最初のスモーキング・バレルとか、思い出しました。それとタラちゃんのパルプ・フィクションとか!パルプ・フィクションのアメリカ色を抜いて、ブリティッシュ・スタイリッシュを目指した、みたいな!面白かったです。マシュー・ヴォーンは裏社会を撮っていても、ハッとするようなきれいな映像ですよね!あと、コミカルでもあり、また、主人公が一目ぼれする女の子、クラウディア・シーファー風だなー、と思いました笑。これは映画館の大画面で見たら、もっとダイナミック&カッコよかっただろうなー、と思いました!

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    1. Vadimさん!私もこれはDVDのみなのです。私レイヤーケーキの何が好きって、映画自体もですが、音楽がもうツボずぎて。あのダニエル・クレイグが車で走ってくところの曲がカルトというバンドのShe Sells Sanctuaryというのなのですが、私少女時代にめちゃくちゃ好きだったバンドで、もう、感涙。
      おまけにサントラ担当がリサ・ジェラルドで… Dead Can Danceというバンド(追っかけてました)の女性なのですが、ちょうど解散中の時に音楽担当したようで、これも私はもう大感動! ヴォーン監督世代的にそんなに離れてないんですよね。いきなりカルトや理沙の声が聞けるなんて!…とそれだけでもついて言っちゃってもよかったくらいです。私的には。
      この映画もほんとありがちな話なのに凄く惹き込まれますよね。作り方がうまいというか。これで初監督作品ですから!完成度高すぎ。あとこの映画見たら今ベン・ウィショーが007で共演してるのもちょっと笑えますよね。

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  2. 音楽がそうなんですか!とにかくどんどん話が気持ちよく展開して、しかも奇想天外で、全然目が離せず最後まで見ました!まだ借りてるからまた見てみます。本当、マシュー・ヴォーン、センスありますよね!才能あり!ですよね。ベン・ウィショーって、最後主人公を殺す人?007まだ見てないですが、そうなんだ!なんか、ヴォーンと名乗っている若い監督がこんなにすばらしくて、ロバート・ヴォーン氏もうれしいかも。

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  3. ヴォーンさんが喜んでくれてるといいですよね。因縁はあったけど。でもなんか皮肉ですよね。どこの血が遺伝したんだか。キングスマン日本公開直前にとってきたインタビューでわざわざエンドロールの「母キャシーに捧げる」みたいなのに、なぜ母なのか?って質問してる人がいて、ビックリしました。監督も「そんなこと聞かれたの初めて」って言ってたんだけど、無知さも無神経さにも唖然でした。
    ちなみに私スペクターもレビューちょこっと書いてて、そこにもレイヤーケーキのこと書いてます。よかったら。↓
    http://lenechen-lenechen.blogspot.jp/2015/11/007-spectre.html

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