2015年12月17日木曜日

戦場からのラブレター コメンタリーを見ながら脱線  Testament of Youth ③ 


戦場からのラブレターはやはり映画館上映を経てDVD発売(正規価格で)になるのがふさわしい作品だと思う。 こんな1000円ちょっとでこんな良い映画が音声解説付き(+字幕付き)で入手できたなんて、イチ消費者目線で見ればこんなラッキーなことありません。おトク過ぎて涙がでます。ありがたい限り。

ですが、反面この素晴らしい映画にとても失礼だとも思います。
だって、映画の余韻から覚められないのですもの。そのくらいの影響力を人に与えることのできる映画を1000円ちょっとのDVD発売でヨシとする業界の方々のセンスにはあきれはてます。この判断ミス、犯罪級ですよ。キングスマンの7か月遅れ公開どころではないと思います。

映画本編が良かったので、恒例のリピート見に走り、特典の未公開シーン、インタビュー類はみたけど、音声解説(映画本編につくので2時間かかる)のことは言われるまですっかり失念。でもやっと見ました。
私がググって調べて涙に暮れていたようなことは大概コメンタリーでも語られてました。(トーゼンですね)

コメンタリーで印象に残ったとこ。
★キット・ハリントンが、もともとこのあたりの歴史も戦争詩人としてのローランド・レイトンも中高で勉強しており明るかったし、原作も以前に読んでいた。キットはローランドを演じるにあたって、手紙本(Letters from a Lost Generation)を読んでローランド役柄研究をした。
★キット・ハリントンがローランドのことを文才のある人だったのにとか、英雄っぽい行動をとりたがる奴と話しているのを聞いているうちに、ケイト・ブッシュのArmy Dreamers(夢見る兵士)を思い出しました。とても素敵な美しく哀しい反戦歌なの。
水温8℃でもこの笑顔!エージェント仲間のishisan んちより拝借
★皆が飛び込む美しい湖は3月のヨークシャーなので水温8℃。(水道栓から出てきてで触ったって飛び上がるくらい冷たい水だと思うんだけど)

皆当然こわばっていたけど、ケント監督曰く、ウェールズ人のタロンなら寒さも水も平気で嬉々として飛び込んでくれるかと期待してたのに、一番水にビビっていた。(Smokeでもキングスマンでもさんざん水に入ってたのにね。全部セットで温水だった?)
同様に学校校庭でのラグビーのシーンも一番泥んこになって走り回ってくれるかと期待したのに、あまり動かなかったのがご不満そうでした。(まぁ、キングスマンのころより明らかに体重増えてそうだったし・・・。)

ちなみにコメンタリーとは別ですが、ラグビーのシーンは手紙本著者で本映画のコンサルタントにもなっていたマーク・ボストリッジが唯一映画にケチつけた部分らしいです。まず、エドワードもローランドも文学や音楽を愛する少年でスポーツ好きではなかった。かつ軍人養成訓練中だったので、のほほんと、ラグビーなんかやらない…とのことでした。私はパブリックスクールボーイってクリケットするんじゃないの?と違和感感じたくらいだったのですが・・・。
ローランド作詞 エドワード作曲
↑原作本に楽譜が載ってました。こういうことやってるほうが好きな若者だったようです。ちなみにこの曲は映画でピアノを弾いていたのではありません。(原作本で)ヴェラが手が小さくてオクターヴ届かないとのことでしたが私も同様。弾いてみようとしましたがこんな和音、指がまったく届きませんでした。

★タロン君がことあるごとに水にぬれても、泥の中に寝かせておいても、ウェールズ人だから大丈夫のはず・・・とキットと監督に不在をいいことにいじりまわされてされておりました。なんか恨みでも買ってるのでしょうか(笑) 私はそれだけ日のささないとこで育つとああ色白になるのか…と別のこと考えてしまったけど。
★ケント監督が受けた他映画の影響。
ヴェラを風と共に去りぬのスカーレットのような女性と言ってみたり楽しい。自分が影響を受けた映画を拝借したシーン(列車で旅立つとこ)好きだったら見てほしいと紹介するのには好感が持てました。あと、景色がすごくきれいなのをタルコフスキーの映画のよう…と言ってるのにはキャーと絶叫しました。なんという懐かしい名前。ちなみにキット・ハリントンはタルコフスキーを知らず(若すぎて)70年代の監督だよと説明されてました。80年代だと思ってたけど…私が80年代に見ただけだったのかしらん?
★監督がアリシアちゃんべた褒めなのに全部うんうんとうなずいてしまいました。アップの接写での演技が素晴らしいとのこと。 うんうん私もそう思った。
★原作はこうだったけど、映画の進行上こうした…とかいう話も出てました。それで・・・私原作本読みながら(ってもヴェラの少女時代の話から始まるんで、やっと戦争が始まったあたりまでしかたどり着いてません)手紙本も、日付とか誰から誰宛て・・・というのをみながらスポットで拾い読みしてるのですが、本編で出てきたお手紙で私が気に入ってたのが見つけられません。お手紙は原作本を読み進めば登場するの?それとも実際からの抜粋でなく、映画に合わせて作っものだったのでしょうか?
ちょっと聞いてみたいです。手紙本は保存されていた手紙を集めたものなので、保管されていないそれ以外の手紙ももちろんあることだろうとは思いますが。まぁ、めげずに引き続き探します。

コメンタリーを見てて私が思い出した音楽たちのご紹介♪
①ケイトブッシュのArmy Dreamers. ↑にもリンクしましたが、哀しい反戦歌(リンク先左側のPlayマークをクリックしてね)。1980年のものなので、ヴェラが没して10年後の音楽ということになります。でも、私たちって結局何もよくできず、ずっと同じこと繰り返しているのですね。
これはPVもあるのですが、私はケイトのメイクがあまり好きになれず、音楽だけ聴いたほうが余韻に浸れます。
と思ってたらこんなのもありました。一緒に口ずさみたかったら便利な歌詞付。


②それからタルコフスキーですが…私実は東欧オタク。ベルリンの壁が崩れた後でしか足を踏み入れたことはないのですが、映画も結構好きです。タルコフスキーとかパラジャーノフとか鉄の壁の向こうのひたすら映像が美しい映画も大好き。そしてタルコフスキーと関係あるわけではないのですが、私はノイバウテンのガーデンにタルコフスキー合わせてあるfanvidがとってもお気に入りなの!
音と映像が意外とマッチしてて…と思ってたら昔は見れたのに、ブロックされてる! え===!そんなぁ!ショックだ・・・。
でもこのThe Garden の入ってるEND NEUはいい曲も多いので自棄で貼ってやるーーーーーー!っても万人受けする音楽では決してないのですが、よろしければぜひ。Stella Marisなんてとっても美しいです。


私、実は30年前(!)の初来日公演にも行きました。 ってノイバウテンの話に移ってどうするのよ。

タルコフスキーの映画はツタヤとかでも借りれるとは思います。フルでアップされてるのもあり。

見てるとちょっと頭おかしくなりそう↓ですが、私はこの世界も好きです。タルコフスキーとパラジャーノフというよくわからないけど好きなのばっか。おまけにロシア語さっぱりわからない・・・。この居心地の悪さに惹き込まれてしまいます。ちょっと不気味ですがよければどうぞ。





ブリクサ+ノイバウテン関連記事はこちら Einstuerzende Neubauten





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