2013年2月26日火曜日

Sapphire and Steel  不思議な陶酔に落ちるSF物語

1979-1981年の間に放映されたイギリスのSci-Fiドラマ。 (週2回19:00-19:30の放送だったらしい)
IMDbでの評価レートはかなり高い。子供の頃見て怖くて頭から離れなかった…というコメントあちこちで散見。
当時公開されていた国は本国イギリスとオランダのみ。Anglo-Dutchという偏りの中での高評価。
私向きな気がするなぁ。
Youtubeで見てみました。 Assignment 1 Complete という、6エピソード連続結合させたもの。

・・・・・
キッチンでひとりで宿題をやっている少年。 
階上では両親が幼い妹におやすみ前の絵本を読んでいる。 
広い家で、少年のまわりに時計の音がやたらと響く。
しばらく時計の音だけが続いた後、家じゅうの時計が次々と停止。 
午後7時10分。 両親が忽然と消えていた。 
・・・・・

リアルタイムで見ていた幼児の恐怖は如何ばかりか・・・。 トラウマになる子がいても不思議はないです。(合掌)
低予算だったらしく、アナログ感漂っています。なのに、たしかにこわい。
私はこの時計の音だけでトランス状態に落ちる。 あぁ、ノイズ大好き少女だった頃の懐かしい感触。
シンプルに不気味で単調な音楽を含めたミニマムな音響。 
毎回、とある建物での出来事という閉鎖空間の怖さ。
少ない登場人物の不思議なセリフでかなり想像力をかき立てられ、余計すくむような感じ。
はいっ、お馴染み英アマに発注しました。なんと今まで最短の5日で到着。運命を感じるわ。


サファイアとスティールは時間枠の歪みを修正する実行エージェント(Operative)。

毎回神の声もどきの親玉に各Assignmentに任命され、あらゆる時代、時間、場所に現れる。

この謎のイントロ、なになのだろうと結構振り回されます。(笑)

テキトーらしい元素や鉱物の呼称で呼ばれる同種生命体は127名。



時間の歪みを引き起こすのが幽霊をはじめ、強い怨念に支配される意識だったり、
居るべきでない場所に現れる負のエネルギー。
それぞれが特殊能力を持ち任務に役立てるが、それを除けば、地球上の人間とさほど変わらず、幽霊に取り付かれたり、
化かされたりもする。

サファイア:Joanna Lumley
スティール:David McCallum

任務遂行において最強コンビらしいサファイアとスティール。

技能、能力によって、実行エージェントとスペシャリストと呼ばれる技術屋に分かれ、スペシャリストは実行組に必要な時だけ、送り込まれる。 そして実行組の方が格上。

このコンビはゴージャスなお嬢さん、サファイアが優れた五感+六感まで持ち合わせ、触れるだけで対象の組成、履歴まで全て分析。 一方(かなり)良く言えばクール、無骨なスティールは五感は人間並み(むしろ鈍そう)。 任務一徹、行動力と馬力で職務遂行するせっかちでエラそうな男。

サファイアがミクロの分析を行い、その情報プラスまわりの事象をマクロで分析して行動していくのがスティール。 
つまり二人合わせてこそ最強たるのである。
 


Assignment 1 築数百年の古い家に山ほどある古い時計、絵画。いかにも怨念が潜んでいそう。 大昔からある韻を踏む子供の遊び歌のリズムに誘われて、「時間の廊下」が開き、神隠しが起こる。 当然歴史が変わってしまうので修正されなければならない。

・・・この韻を踏んだマザーグースとかに思いっ切り反応してしまった私(聴感覚人間の性?)。
エピ中で、念が留まる古いものを処分と、家じゅうの絵本が焼かれるのだけど、一冊の絵本が逃げる。
昔持っていた
不思議の国のアリス
 逃げた絵本


なんとこれが、アーサーラッカムのイラストのマザーグース本なのである!


こんなところでアーサー・ラッカムに再会するとは!
時計の音と、Rhymeの韻とアーサー・ラッカムのトリプルパンチですっかりやられました。 




でもこのトランスに落ちる軽い陶酔感のようなもの(万人に起きる症状ではないけど)にすっかり虜に。
SFの割には地味で、ホラーまがいに陰気に暗い話ばっか。それに怖い。
でもそれがなんとも快感ですらあるの。
サファイアを除けば、華やかさはかなり欠落。でもなぜか部分的に不思議と官能的で、(二人の主役のせい?) 
思いっ切りハマりました。すっかり魅了されてしまってます。

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