2011年9月1日木曜日

勝手な感想 + 妄想  シャーロック(Sherlock)

ベネディクト・カンバーバッチ(Benedict Cumberbatch)の声にすっかりノックダウンされてしまったシャーロック。 
声だけでこんなにクラクラさせてくれる俳優さんはめったといない。 ふかくて、低~い声。 素敵すぎるわぁ!
でも彼の声だけでなく(彼がいるからこそ?)ドラマ自体も面白かった。

シャーロック・ホームズの原作はほとんど知らない。小学生の頃に子供向けにかみくだいて書いてある本を何冊か
読んだ気はするが、名探偵ホームズというおじさんにはワトソン君という助手がいた・・・程度の
ことしか覚えていないので、白紙同然。 原作と絡んで云々って発想は一切ない。

初っ端のジョンが一人ぼっちでいるところは、哀しい。微動だにせず座っているジョンの表情のせいなのか、
窓の外の陰影で時間がわかる演出のせいか、BGMのせいか、淋しさが肌に突き刺さるようで、泣けてきた。

どーいわれても意味不明のホヤホヤ死体の鞭打ち。これだけで変人、シャーロックの描写は十二分。 
お姉さんが打ち方を見て、「なんか嫌なことでもあったの?」と聞いているのがおかしい。
こんな変な奴なのに、それなりにお姉さんも持ち上げている。やろうと思えばコミュニケーション能力だってあるのだ。
ただの変人ではない。

観察眼鋭いシャーロックはジョンを見て、「使える」「こいつしかいない」と瞬時に判断したんだろうな。 
一方的にフラットシェアの話を畳みかける姿は真剣に口説いてるようにしか見えない。
口説いたかいがあって、ジョンはちゃんと指定時間にフラットにやって来るし。 勝手にアシスタント指名され、
連れまわされたら置いてきぼり。かと思えば突然お呼び出し。振り回されてるジョンはそれでも楽しそう。 
最初とは別人のように活き活きと明るい。 良かったね。

レストランのやり取りは可笑し過ぎて可笑し過ぎて。
GFはいないといわれて、あ~、ゲイね、と勝手に納得して、BFは?とニコニコと聞くジョンもヘンだし、
ニコニコと納得してるジョンが自分を口説いていると思う、シャーロックもヘン。
この物事の捉え方のヘンさ加減、すっごい似た者同士。 お似合いです。
ゲイに走る気はないが、せっかく手に入れたおもちゃ(?)を手放したくないらしいシャーロックが、
気を使って丁重にお断りする姿に、もう絶好調で笑いました。

頭はいいけど、傲慢なシャーロックは、好き放題、ジョンを私物化、アゴで使おうとしている。

・・・と思っていたのだけど、3話まで来て、見方が変わった。 甘えてるんだ、コレ。
そしてシャーロックって・・・ティーンエイジくらい(か、もっと下)の子供のままなのだ。

以下私の勝手な想像と解釈。

シャーロックは賢いマイクロフト兄さんに、常に年の差で負け、今も変わっていない。
兄弟して、ジョンの朝帰りはソファで寝た!と当てるとこで気付いたけど、実は二人は同類である。 賢く、且つ、まっとうにエリートコースを進む兄さんの陰で、シャーロックはあまり褒めてもらえることもなく、ちょっといじけ気味。 
シャーロックだって賢いのだけど、年嵩の兄さんの方が上手。 兄さんがこういうことなんだよ、とシャーロックを正せば、
面白くないし、かといって兄さんには褒められても、バカにされてるようにしか感じない…という屈折した子供時代?

マイクロフト兄さんは可愛い弟を気にかけ、構うのだけど、逃げられる。 最初の登場は怪しげだったけど、
なんのことはない、立場を利用して街中の防犯カメラまで操作して、弟にできた友達に探りを入れる、兄ばかである。 
フラット代は払うからシャーロックをスパイして欲しい・・・って、ホントは弟を金銭的に援助したいのだ。 
弟がきちんとした屋根の下で眠れて、食うに困っていないか気にかけている。弟はいつまでもかわいい弟。
でも全然伝わらない愛情。 また、兄さんはシャーロックの賢さをよく知ってるので、ボンクラの自分の部下に辟易して、
シャーロックが右腕になってくれたらとも思っている。これも兄さんに反発するシャーロックには全然伝わらない。

シャーロックは(勝手に)愛情に飢えて、さらに意地とプライドで奇人変人枠へと道をそれ、孤高の独自路線に走る。
でもずっと寂しかった。 観察力とカンで見つけたジョンはこれまでの、勝手な孤独と飢えも埋めあわせてくれる相手。

3話の病院のラボで、自分の胸ポケットに入っている携帯をわざわざ、ジョンに取らせる姿に、あぁ、この人、
ジョンに傍に来て触れてもらいたいんだ・・・ケンカして置いてかれた後に爆弾破裂して、ショックだったんだ・・・と
なんか、すごぉく愛おしく思えてしまった。

ジョンには甘えまくりで我儘言い放題、子供のまま。気を引きたくってわがまま言って愛情確かめている。 
意地で大人ぶって、経験できなかった子供時代のやり直し? ジョンはシャーロックの推理をべた褒めしてくれるし、
うれしいんだね、しらっとした顔しながら。 賢すぎて人を当惑させるし、あまり褒めてもらえたこともなくてつらかったね。

ジョンがシャーロックの用事以外のことで単独行動に出て行っちゃうと、こっそりついていくし、(デートでもお構いなし)、
ひそかな独占欲も子供っぽい。
見越したかのような、マイクロフト兄さんにはうま~く、ジョン経由で使われちゃってるし、結局兄さんには負けてる。

知的レベルも高く、まともそう。 有事の際はボディガード級に冷静沈着、安心して預けておける友達が弟に出来たことを
目を細めて喜んでいる兄さん。兄弟そろって振る舞いは珍妙だが、いい兄さんだ。 シャーロックも素直になればいいのに。

かわいい。

そして何気に一番ただモノじゃないのが、一番普通の人っぽく見えるジョンである。 
奇抜なシャーロックの陰で、「あんた誰だっけ?」と印象薄い人にされているけど、カモフラージュ?
シャーロックの不穏な生もの持込みに騒いで怒っているけど、生首や目玉で動じるタマではございません。 
3話になるまで気付かなかった私ってバカ。

シリーズ最後のゲイねた、「誰も見てなくてよかったな。 夜中にプールでお前が僕の服ひっぱがしてるなんて。 
また噂されるかもな」(字幕・吹替え未見なので違いありかも)
うっわ~!そこまで想像しなくていいですぅ~と身悶えしながら(笑)、ふと、頭の隅に思い出したのが、
何年か前にテレビで見た宇宙飛行士の選抜試験。

宇宙飛行士はかなりの広分野の知識と体力を必要とするが、それだけでは宇宙に行けない。
チームと一緒に何が起ころうと地球帰還を果たすサバイバル能力が必要。不測の事態にも、危険の中でも、
チームの緊張を緩和させ、皆で無事生き残れる環境を作れる能力を要する。 なので、選抜試験には
皆を笑わせるためのジョークの発表だとか、訓練の中にもそういった課題があるらしいのだ。

つい忘れるけど、ジョンは訓練された軍人。 ジョンの行動も発言も、ちゃんと理由がある。 これだったのね。↑

一話で犯人狙撃して、するっと隠れ、緊張解けないシャーロックに「いいんだよ、ひどい奴だったから」と
タクシーの愚痴へとすり替え、シャーロックの気をそらしてやるし、ここでも爆弾くくりつけられていたジョン以上に
ショックで体が強張ったままのシャーロックを解してやろうとしているのだ。 
何事にも動じてないフリをするシャーロックをここまで察してあげるなんて凄い人だ。 
振り回されているようで実は一枚上手?

3話の最後、サイコなのは分かるが、小者感漂うジムが「やっぱりまた気を変えちゃった~」と
彼らを逃がすのではシラケ過ぎるので、それはないよね。
このモリアーティって宿敵なの? でもこの役者さんだと、黒幕がいる、パシリにしか見えない。 
複数のスナイパーをまとめる、資金力や統率力のある男に全然見えないのだ。 ミスキャスト?

賢いマイクロフト兄さんが、弟のサイトみて、メモリー回収と、危険を察して、手持ちのシークレットサービスでも
送り込むのかしら。 そういえば、シャーロックは20年前、あの事件のことで文句垂れてたから、ここのプールのはずだ!と当てちゃって。(悔しいだろうな、シャーロック)

何気にマイクロフト兄さんも好きな私である。
マルコム・マクラレンも面白かったし、マーク・ゲイティスって楽しい人ね。こんなに背の高い人だったんだ。

ついでに一度でいいから登場してほしいのは、ジョンのハリエット姉さんである。 
レズで同性婚→離婚+アル中の仲の悪いお姉さん。 一話で「ハリーとクララは」って代名詞使わず話し続けるのに
違和感ちょっと感じたけど、クララという嫁のいたハリー(兄)はハリエット(姉)というオチがあるとは思わなかった。
どんなお姉さんだか、ちょっとだけ興味がある。

なんにせよ、あと半年以上は確実におあずけくらうんだよね~。

2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    ネットをふらふらしていて辿り着いた者です。
    エントリ、おもしろかったです!
    お兄さんとのそういう確執、ありそうですね。
    シーズン2も楽しみです☆

    返信削除
  2. 45さん!
    立ち寄って下さってありがとう!
    私もS2が待ちきれず、悶々としております。
    ひさびさにとっても楽しく、意味深い(?)
    ドラマでした。このままさわぎそうです。

    返信削除