2017年5月17日水曜日

キングスマン マーリンに見る知られざる英国?  

過日、あれだけ英国を謳ったキングスマンには紅茶が出ていないのは片手落ちという話を聞いて驚きました。

えっ!? 紅茶出てましたよ、ちゃんと。ひっそりだけど。見た瞬間、やっぱ紅茶か~、フツーならこういうの中身コーヒーだよね~と思ったところ。

とはいえ、英国人の実情知らなきゃ確かに全く気付かんわね…とも思いました。

該当の紅茶のシーンとはここです。

キングスマン、筆記試験にも残った6人のスカイダイヴィングを監督するマーリンです。
パラシュートをギリギリまで開かないふたりにドキドキするマーリン、この後マグを床に落として割ってしまいます。

この時飛び散った液体は色といい、あきらかにミルクティーです。まさしく英国式の紅茶です。

はぁ?と思われる方いらっしゃるでしょ?でも、これは確かに英国人に紛れて生活したことないと知り得ない事実です。私も最初に遭遇した時は仰天しました。英国人との共同生活は寮とフラットシェアとそこそこやりました。

まず、英国式紅茶と言えば普通に思い浮かべるのはアフタヌーンティー。このように優雅なものを思い浮かべることと思います。

キングスマンにおいても、ハリーとアーサーの軽食シーンが、シンプルなスープと水の代わりにこういうものであれば、ミントンやロイヤルアルバートのカップであの番頭さんに注がれた紅茶を優雅にすすっていたりしたら、おそらく世界中の誰しもが完璧!と称賛したのかもしれません。

ちなみに私も渡英前には英国式紅茶の入れ方とはポットをまず温め、茶葉を入れ沸騰したお湯を注ぎ、紅茶葉をジャンピングさせる、ミルクは温めておき、紅茶を注ぐ前にカップに注ぐ・・・と誰からか教わり、そうなのだと思っていました。そしてたまには英国式💛と称してミルクまで温めて先にカップに入れて紅茶を注いで飲んだりもしていました。

でも実際はそんな優雅ではありませんでした。ちなみに、サヴォイホテルでアフタヌーンティーなんてのは英国民にとってもかなり非日常です。そんなことをやったという英国人、一人くらいしかリアで知りません。日本人の方が行った知り合いいるかも。

私が遭遇したのは・・・ウラ英国式紅茶とでも呼びましょうかね?
まず手軽なので茶葉よりティバッグの方がより一般的です。
英国のティーバッグ、一番よくあるのはテトリーなどのポット用の大きめのティーバッグ。何しろコスパもいいので大人気です。
















まずマグを準備し、お湯を沸かします。湯が沸くのを待っている間にティーバッグとミルクをマグに入れます。お湯が湧いたらマグに注ぎ入れます。待つこと、5分以上。かなりしっかりと色のついた濃いミルクティーになります。
ちなみにこのミルクを先にすべきか、あとにすべきかというのは英国人の間でも意見が分かれるようです。(こんなブログを見つけました
が、ミルクを先に入れるかなりの数の英国人にも遭遇しました。

硬水のせいなのか、ポット用のジャンボティバッグのせいなのか、紅茶はブラックティー言いますが、その名の通りかなり黒い紅茶です。

黒々とした紅茶が出た後はフォークかスプーンでつついてティバッグを取り出し捨てます。
ミルクはあと派の場合







正直、ポットも温め…などと信じていた身には衝撃でした。

マーリンのマグからこぼれた液体もまさしくこの色です。ね、そうでしょう?→

なので、キングスマンはたしかにスーツに傘持った英国紳士という、コリンも言ってたように実際に見ることはほとんどないけど皆が思う、まさに英国!を強調したモノとしての英国式紅茶を描いてはおりませんが、英国民の愛する紅茶はきちんと英国民らしい飲み方で描かれているのです。

というわけでヴォーン監督は全く抜かりがないのですよ。継ぎあてセーター、バーバリーチェックのジャケット、ハンチング帽とまさしくブリティッシュといった格好をしたマーリンはやはり英国の象徴である紅茶を飲んでいるのです。正直、あのシーンで細かいな~と思ったのですが、誰かが飲んでたマグを撮影用にちょっと拝借しただけの可能性も無きにしもあらずです。そのくらいフツーなのです、このミルクティー。

ちなみに、あれ、もしかしこれって知られてないの?と思ったことは前も他にもありました。なんかノリでツイートだけしてたのですが、裏ピース。確かBrexit騒動の頃の気づき。


これが米式の⤵と一緒だって話。実はあまり知られてなかったらしいのに目からウロコでした。


最も最近では裏ピースは指紋を読み取られないようにとやる人もいるようです。

ということで、キングスマン、ちゃんと紅茶出てますよ!ってことが言いたかっただけなのです。あのマグに気づいてもらえないだけで不完全扱いなのは不当すぎるわっっという話なだけで筆をとったヒマな女のアタクシでございます。

あ~~、これですっきり。おやすみなさい。

【追記(2017.05.18)】
↑のマーリンがマグ割るとこ, gifに出来たので替えました。

ちなみに、上リンクの紅茶の入れ方記事をもう少し説明すると、ミルクを最初に入れる派の言い分は(しかも科学者によると?)ミルクをあとから熱い紅茶に入れるとしずくがバラバラと高温に接するため質が落ちる。なので、ミルクは先に入れておいて、熱いお湯を注ぐべしというもの。最後はお湯を注ぐだけでいいので便利なのも利点。

ミルクはあと派の見解は(かのジョージオーウェルも同意見)お紅茶とミルクをちょうどいいバランスで飲むにはミルクはあとから注ぐべしというもの。先にミルクを入れたんでは程度がわからないじゃないかというのです。

ちなみにアタクシは・・・先に冷たいミルクなんぞ茶葉と一緒に入れたら、茶葉がしっかり開かなくなるのでは?(つまりちゃんと紅茶が出ない)と思うので、マグの直出し紅茶なら絶対あとでミルクを入れます。

あなたはどっち?と入れ方のアンケート取ってらっしゃるのですが、ミルク先派は17%、
ミルクあと派は83%でした。

マーリンはどっち派なのかは気になりますね。(笑)






6 件のコメント:

  1. こんにちは。vadimです。やはり英国は紅茶、なんですね!ナぽソロでも、イリヤがゾウの墓場を探すエピで、(ゴリラエピ)、イリヤが、彼はロシア人の設定ではありますが、アフリカのキャンプで紅茶をいただくときに、なんか、合ってる感じ、しました!ところで、この、ウッディ・ハレルソン!!!トゥルー・ディテクティブ、ですよね!!!今、見ています!!!すんごいですよねー、この話・・・マシュー・マコノヒー・・・あの、こちらにズシリと来るような演技・・・まだ最後まで見てないのですが・・・すごいドラマを作るなー、と、教えていただいて感謝感謝です。イギリス人の紅茶好きも影響うけて、私も濃いミルクティを結構いただきますが、(レジェンドでも、レジーが張り込んでる警官に、ミルク濃いめのお茶を持っていくのが冒頭シーンでしたよね)、こちらのハレルソンとマコノヒーにもめちゃ興奮してしまったので、書き込みました。

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    1. こんにちは!Vadimさん!
      紅茶の入れ方もちょっと追記しました(笑)トゥルーディテクティヴ!いいでしょ--!!!
      そう、マシューマコノヒーの色気に完全にノックアウトされました。それまで全然興味ない俳優さん(失礼!)だったのに。

      ちなみにこれ、音楽もニックケイヴのもかかるし、あのBootleggersとして歌っていたエミール―ハリスの曲も流れます。そんなこんなでがっつり心をわしづかみされてしまいました(笑)

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  2. トゥルーディテクティヴの音楽、そうなんですか!いや、音楽、かなりいいなー、と思っていたけど、なんなのかは全然チェックしていなかったのですが・・・各エピソードが終わるときにかかる音楽がそれぞれ違うような感じして、それがまた、いいナンバーばかりかかるなー、音楽のセンスかなりのものだなー、と思っていました!いまじゃ、 あの、けだるいオープニングの曲も、味がありすぎて、始まるとググッときてしまいます、私。なんか、米ドラマシリーズの中でも、いぶし銀って感じの逸品だなー、と思います。マコノヒー・・・すごい役者さんです・・・
    私もミルクは後で入れています。よく、カップに最初に入れて・・・というのを読むんだけど、何となく後から入れてるんだけど、紅茶濃いめに入れてから、ミルク誰かが飲んじゃってない! と気づいたときのショック!ポワロで、ベルギー人の彼が、紅茶にミルク入れません、と言って、イギリス人になんか、ドン引きされて、外国人って・・・なんて、言われていました笑

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    1. Vadimさん! そういえば、紅茶にレモンを入れるのも、英国じゃないですよね。あのリプトンの冷たい紅茶のレモンティ(ペットで売ってるやつ)ってどこの国発祥なのでしょうね? あれなら世界中あるような…?

      トゥル―ディテクティヴのぺージノミュージックリストのリンクも張ってるのでぜひ見てください。
      私シーズン2は結局見ていないです。出演者総替え、土地も総替え、それで、タラちゃんとかも覚えも全然めでたく無くって、シーズン1の大感動でとどめたままにしています。(笑)

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  3. マディソン郡の橋?で、アイスティが出てきたけど、暑い地域でアイスティなら、レモン浮かべるのかなー、とも、想像しますが・・・ホットのレモンティも、言われてみれば、どこから?と、全然わからないです笑。

    トゥルーディテクティブのページ、あるんですね!ちょっと探したけどわからなくて・・・今、見つけました!前に、チラッと拝見していたのかも・・・失礼しました!私もこの原作者の著作、出てるもの読もうと思っています。私もシーズン2は、みなくていいや、と思っています。シーズン3が作られるかも、らしいですが、ハレルソンとマコノヒーコンビしか、見たくない感じ。原作者もいっしょで。

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    1. Vadimさん 一応ここです。→http://lenechen-lenechen.blogspot.jp/2016/05/true-detective.html
      コメント欄はリンク貼れないのですよね・・・

      ところでふと気の迷いでTo Trap A Spyを先ほど再度見てたのですが、ソロさんちでイリヤが紅茶飲んでました。ソロさんが牡蠣すすっている横で・・・。日本人の思うティーポット(プレスするやつ)に入った紅茶を。ちなみにカップにはミルクを先に入れてから紅茶を注いでました。まぁ、マグの直だしではないので、ポットだしなら私もミルク先かな。

      ちなみに、パーティ―のシーンであの外国人3人(一人は何回もゲスト出演する何とかマーシャルさん)が「アメリカは素晴らしい国だ」「イギリスの方がいい」「紅茶にミルクを入れるなんて」という会話をしていました。
      ミルクを入れるイギリス人の方が異端なのかしらん?

      そうそう、日本では紅茶に使われるプレス式のポット。(ビーカー式の)あれ、イギリスじゃコーヒーメーカーだってご存知でした?あれだとコーヒーも濃く出るので私は好きです。微妙に仕様は変えてあるようですが。(メッシュの粗さとか)

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